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隣国が戦を仕掛けてきたので返り討ちにし、人質として王女を娶ることになりました。三国からだったのでそれぞれの王女を貰い受けます。  作者: しろねこ。
第五章 人と人の想い

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第101話 似たもの同士① 

「エリック様を何があっても守ります」

 次なる戦がすぐそばに控えている、気を抜いてはいられない


「レナン様を命に変えても守る」

 キュアもまた決意を新たに魔法の特訓に挑んでいた。


 ロキに教わる事は多く、懸命に修行に励む。


 二人とも時間が空けば寝る間も惜しみ、鍛錬に明け暮れていた。


 僅かな時間も惜しい。


「二コラ、あなた少し休んだら?」

 そう勧めるが二コラは首を振って拒否をする。


「いいえ、まだまだ足りません。もっと強くならないといけない。エリック様に何かあったらこの国も終わりです」

 王太子としていなくてはならない存在だ。


「まぁ確かに国の為、レナン様の為にもエリック様に何かあったら大変だわ。でもそろそろその契約魔法外したらいいんじゃない?」


「カイル様にも言われましたが、いいのです。これは忠誠の証ですから」

 胸に刻まれた誓紋は人によっては呪いだと言われるだろう。


 だが、二コラにとってはかけがえのない大事なもの。


「エリック様が命を落とせば自分も死ぬとか怖くないの?」


「怖くないですよ。寧ろ絶対にあの人の命を守るんだってやる気が出ます。病でならばともかく、もしも暗殺されてしまった場合、僕の腕が未熟という事ですから。死んで詫びをする手間も省けるはずです。あの人がいなければ生きている意味などありません」


「わかるわ、それが恋ってものよね」


「違います」

 うんうんと頷くキュアに即座に否定する。


「何を言ってるの。始終エリック様の側にいて、何でもいう事聞いて、命まで捧げるって、飼い犬どころか一時期恋人だって噂もあったじゃない。エリック様に女っ気もないから尚更そう思われていたわよ。レナン様が来てから全く言われなくなったけど」


「噂は知ってましたが、まさかキュアもそれを信じていたのですか?」


「だって会った時からあんなに尻尾振ってついて回るんだから、そう思うでしょ? まぁそんな二コラだからレナン様に靡かないから安心だと思ったし。オスカーも全然よね、まぁ恋人がいてレナン様に手を出そうとしたら張り倒すけど」

 あんな美人が側にいても二コラもオスカーも傾かないし、恋慕を抱く様子もなかった。


「あなたと違って同性に惚れません。普通に女性の方がいいですが、普通婚姻している女性に想いを抱くはずないでしょう。主の大事な人なら尚更。オスカーだって恋人の事もありますが、親類に惚れるわけがない」


「親類?」

 キョトンとするキュアに、ため息をついた。


「その様子ではすっかり忘れていましたね。オスカーはパルス国の者です。昔そういう話をしたはずなのですが」


「そう言えばそんな話もあったような。でもレナン様と親族って、王族だっけ?」


「に、なりますかね。オスカーの父は王弟でしたから」

 そう言えばパルス国に行った際、オスカーは発言を控え、化粧を濃い目にしていた。


 素性を明かさないように顔を隠し、声を発さないようにしていたのか。


 滅茶苦茶注目は浴びていたけど。


「パルス国は王位争いが過激な国でしたからね。オスカーの両親も暗殺されています」

 オスカーも亡くなったとされているはずだ。


「それは覚えているわ。でもレナン様とオスカーが親類だなんてすっかり抜け落ちていたの。全く似ていないし」

 雰囲気が違い過ぎて、親族という考えに至らなかったのだ。


「似てますよ。どちらも泣き虫です」

 ここに来た頃のオスカーはよく泣いていた。


 エリックが引き取り、護衛騎士にならせるべく、無茶な鍛錬を重ねさせていた。


 両親を失い、亡命してきたオスカーには他に道もなく、ひたすら頑張っていた。


 いつか仇が討てるようにと目標を立て、強くなっていった。


 途中から派手派手になったけど、あのメイクのおかげでオスカーの事を男と意識しなくて済むので、キュア的には賛成だ。


「そう言われたら似てる、かしら。何か不思議な縁が多いわね」

 レナンとオスカーは従姉妹になるのか。


 そう言えばミューズとロキも叔父姪だし、意外と親類というのが多い。


「公表はこれからもしないだろうけど、二コラもそうよね。マオ様って実の妹何でしょ? 戦に連れて行っていいの?」


「僕と同じで引き止めたって止まりませんよ。あの子もあの子の決意があるし、それにリオン様に相当懐いていますから、置いていこうとしてもついていくでしょう」

 将来の昼寝の為と言っていたが、本心ではリオンの愛情を快く思っているはずだ。


 だが今まで素直に愛情を向けられたことのないマオはまだどこか素直になれていない。


「そっか。でも家族に会えて良かったじゃない。ほらあたしは家族に見捨てられたから」

 キュアは実の家族から見捨てられ、籍も抜かれた。


 小さい頃より女性が好きだったのもあり、男性を好きになれることがなかったのが大きい理由だ。


 男性から向けられる好意の視線に、キュアは嫌悪感しかなかった。


 縁談の話が持ち出され、様々な人に会うがどうしても嫌悪感が拭えず、ついには男性と話すことが出来なくなってしまう。


「私は女性が好きなのです」

 そんな告白が受け入れることなど当然なく、無理矢理婚約者を持たせられる。


 絶対にエスコートなどもされたくない、触れられるのなら死んだ方がマシだと考えた。


 自分がおかしいとは思うが、どう生きたらいいのかもわからなかった。


 その内に失態を犯し、病持ちだと噂され、行き場を失った。


 婚姻も結べない恥晒しな娘などいらないと放逐されたところを、エリックに拾われる。


「噂は聞いている、俺の役に立てるならば身の保証はしよう」


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