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シェイドシフト〜滅びかけた世界で暗躍する〜  作者: 西基 フリー
第一章
8/19

8話 合格発表

宿に帰ってきた僕達は夕食を食べてそのまますぐに寝た。


そして翌日。


今日はレイネル王都立魔剣学院の合格発表のある日だ。


僕達は速やかに朝食をとり、身だしなみを整えて学院に向かった。


学院に着いた僕らは合格発表の掲示板の前まで来ていた。


既に掲示板の前は大勢の人が集まっておりここらではあまりよく見えない。


なので僕は魔力を使って視力を上げた。


どうやっているのかというと魔力を操作して目の水晶体を強制的に縮めている。


魔力で人体をいじるには高度な魔力操作が必要だが修行を重ねてきた僕達ならば容易い。


そして肝心の入学試験の結果だが点数が高い者から順にランキング付けられている。


そこで一位だった者はその地点で学年の首席になるのだが、


目立ちたくない僕達がそんな注目を浴びるような順位なわけなく、


僕は500人いる合格者の中で249位、


ラファエルは250位だった。


まあ全科目全て平均点を狙っていたので当然の結果ではあるのだが。


「クラスはKかまあそうだろうな」


クラスも試験の結果が反映され成績が高い順に割り振られていく。


一クラス25人だから単純計算でそうなるので納得だ。


そして掲示板の一位にはルーカス・エメラルドの名前、


そしてその次の二位にはヒカリ・アレグレスの名が載っていた。


「流石、公爵令嬢様ですね」


一位のルーカス・エメラルドはヒカリ・アレグレスと同じ公爵家だ。


エメラルド家は代々優秀な騎士を輩出しており、


一方でアレグレス家は代々優秀な憲兵を輩出している。


エメラルド家とアレグレス家はライバル関係でありずっと争っているのだが今回はエメラルド家が入学試験では勝ったようだ。


まあ正直僕達には全くと言っていいほど関係がないのでスルーして僕達は指定されている教室へと足を運んだ。


教室に着いた僕達は扉を開ける。


教室は前の方に黒板が有り、その後ろに横に長い机が規則正しく並んでいた。


もう既に同じクラスの大半の生徒が席についていて僕達が最後のようだった。


「えーっと僕達の席は」

「おーい、あんた達の席はここだよ!」


後ろの方の席から一人の男子生徒が立ち上がりこちらに手を振っている。


よく見るとその隣の席が二人分並んで空いていた。


僕達は空いている席に向かう。


そして席に着くとさっき手を振ってくれた男子生徒が話しかけてきた。


「俺はケルス・ブラウン、子爵家だ!よろしくな!そしてこっちは、」

「俺の名前はヴァレル・レグスル、男爵家だよ、よろしく」

「私はヒマリ・サンライズ!伯爵家よ、よろしくね」


まず一番初めに自己紹介をしてきた男子生徒はガタイが良くよく鍛えていることが分かる身体を持っていた。


その次は眼鏡をかけていて知的な感じがした。


最後は明るい感じの溢れる活発そうな女子生徒だった。


この3人はとても仲が良さそうだった。


「僕はアゼル・スキアーよろしく、こっちは従者のルアンだ」

「ルアンですよろしくお願いします」

「3人は友達なのかい?」


自己紹介を終えた僕は3人にそう問いかける。


「そうだぜ!俺達は幼馴染で昔からずっと一緒なんだ」

「へぇ、そうなんだ」


ケルスはヴァレルとヒマリの肩を組み仲が良さそうにしながら大きな声で返事をしてきた。


そしてヴァレルが僕達に問いかけてきた。


「君達は他に友達はいないのかい?」

「いや僕は実家が辺境で昔からあまり他の貴族と関わりがなかったから実はあまり友達はいないんだ」

「そうなのか、なんかごめん」

「別に気にしてないよ」


ヴァレルが申し訳なさそうに謝ってきたがこればかりは仕方がない。


「っていうか、スキアー家って言えば憲兵団の副団長がたしかアルス・スキアーだったような、それに五年生の主席にアテネ・スキアーっていう先輩がいたような」


ヒマリが腕を組みそう呟いて疑問そうに考え込んでいた。


それについて僕は正直に答える。


「あっ、それ僕の兄さんと姉さんだね」

「てことは、アゼルは辺境伯か?!」

「まあそうだよ」

「まじかよ失礼な態度を取っちまった」


他の二人も何か申し訳なさそうにしている。


「ここは学院だよ実力が全てで身分は関係ないよ」

「アゼルがそう言うなら、って言うかアゼルの兄は憲兵団の副団長、姉は学年主席なのになんでアゼルはこんなクラスに、っでぇ!」


ケルスが話していると突然ヒマリがケルスの頭にゲンコツを一発お見舞いした。


「アンタ何失礼なことを聞いているの!」

「だって気になるじゃねえか」

「アンタって奴は、ごめんなさいこいつたまに失礼な時があって、」


ヒマリはケルスの頭を掴み無理やり頭を下げさせ謝ってくる。


「別にいいよ、本当のことだし、僕は剣術も座学もどちらも平均レベルで兄と姉程じゃないからね」

「アゼル、、」


そんなやりとりをしていると教室の扉が勢いよく開いた。

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