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シェイドシフト〜滅びかけた世界で暗躍する〜  作者: 西基 フリー
第一章
15/19

14話《日陰乃使徒》始動!

ヒカリと話をした次の日。


僕は今日も今日とて学院の授業を受けていた。


今は数学の授業の、時間だが僕にとっては退屈で、窓の外を眺めていた。


「アゼルさん、その様に外を眺めておられるのならこの問題は持ちもん解けますよね?前に来て解いてもらえませんか?」


授業に集中していないことが先生にバレ、面倒なことになってしまった。


何やら隣からくすくすと笑い声が聞こえるが僕は腰が重たそうに席から立ち上がり、黒板の前まで行きチョークを持って解き始める。


(ふむ)


今解かされているのは二次関数の問題だ。


僕にとっては簡単な問題なため簡単に答えはわかるがここはあえて途中で計算ミスをわざとしてあまり目立たないようにする。


「アゼルさん、貴方はいつもちゃんと解く過程はあっているのですが、ケアレスミスが多いですね。ここ、計算ミスをしていますよ」

「あっ」


あくまでも自然に僕はやってしまった感を出しながら反応をする。


「アゼルさんはあと一歩、詰めが甘いところが見られます。普段から意識して直す努力をしてください」

「はい」


僕は自分の席に戻り座ると教室の扉がコンコンコンとノックされ数学の先生が「どうされましたと」扉を開けるとそこには憲兵団の紋章の着いた制服を着た男が2人いた。


「授業中すいません私たちは憲兵団の者です」

「憲兵の方が一体なんの誤用でしょうか?」


どうやら珍しいことに憲兵団の団員がこの学園のこの教室に来た様だ。


「申し訳ないのですがアゼル・スキアー君にお話をお聞きしたいのですが」


僕は一瞬耳を疑う。


今、憲兵の人が僕の名前を呼んだ様な気がしたんだが?


「アゼル・スキアーさん、来てください」


どうやら僕の耳は正しかった様だ。


数学の先生が僕を呼んだ。


僕は席から立ち上がり憲兵の人たちがいるところまで行く。


その様子を周りは驚愕しながら「あいつなにかしたのか?」、「一体何をしたの?」など非常に心外なことを言い合っている。


「君がアゼル・スキアー君だね?」

「はい、そうですが?」

「少し君に聞きたいことがあってね。ここじゃなんだから場所を移そう。先生、アゼル君を少し借りても良いですか?」

「はい、構いませんが、」


そうして僕は教室を出て憲兵の人たちについていく。


そして学院の階段の踊り場で話をすることになった。


「君に聞きたいことというのはね昨日、君はアレグレス公爵家の次女のヒカリ・アレグレスと寮に帰る途中一緒にいたよね」

「はい、ちょっとお話をしようと頼まれまして」

「実はねそのヒカリさんが拐われたんだ」

「えっ、どういうことですか!?」


僕は驚愕する。


昨日は確かに寮に帰るまでは一緒だったヒカリが攫われた?


僕は驚いた口ぶりで憲兵の人たちにどういうことかと聞くと。


「落ち着いて欲しい、別に君を疑っているわけではないんだ。目撃情報からも君に犯人の可能性はゼロだからね。ただ昨日一日何をしていたのかを話して欲しいんだ」

「分かりました」


そして僕は憲兵の人たちに昨日一日中何処で何をしていたのかを一部始終話した。


「それならやはり拐われたのは門から寮の扉までの間か、、、分かった君に聞きたい事は以上だ。授業中だったよねすまないねもう戻っても良いよ」

「分かりました、少しでもお力添えできたのなら幸いです。それでは失礼します」

「待ってアゼル君!、君は確か副団長の弟さんだよね?」


教室に戻ろうとしたところ憲兵の1人に呼び止められ兄さんの弟かどうかを聞かれた。


「あ、はいそうですが」


別にそうだと言っても問題はないのでそうだと答えておく?


「私は副団長のことをかなり尊敬していてね、いつもお世話になっているんだ。本当なら今日話を聞きに来るのは弟ということで副団長が来ると仰っていたんだが、なんせ副団長で事件のことで立て込んでいてね。代わりに私が来たんだ」

「そうだったのですか」

「それに、君はKクラスの様だが私は副団長から君は秘めた才能を持っていると聞いているよ。たまに休暇で実家に帰った時に妹と一緒に剣の鍛錬をしているのを見て根拠はないけどそう思ったらしいよ。まあ気を落とさずにまっすぐ頑張ったら良いさ」


僕は一瞬ギクっとする。


まさか兄さんが見抜いているとは今後はもう少し手を抜こうと思ったのであった。


「おっとそろそろ行かなくては。またねアゼル君!」

「こちらこそ、また会いましょう!」


そして僕は元いた教室へと戻るのだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今現在、学院は終わり放課後である。


あの後、教室に戻り休み時間になるとクラスのみんなから質問攻めにあって苦労した。


まあ、そんな事は置いておいて今はヒカリが拐われた事だ。


今王都では人攫いが増えておりこのタイミングでの《神下ろしの子》が拐われるのはいささか不自然である。


もしかしたら《究明機関(アサーテイン)》の仕業による者による犯行の可能性がある。


僕は今、寮に待機しており、ラファエル達に調べてもらっている。


現在夕方6時、もう空は暗くなり始めている頃。


今から2時間ほど前に行ったのでそろそろだと思うが。


ガラガラ


突然僕の部屋の窓が開く。


窓の方を見るとそこにいたのは《魔力血(マナブルート)》で作った外套を着て、フードを被り仮面をつけて正体を隠した人物。


仮面を外し正体をあらわにしたそいつはラファエルだった。


「いやここ結構高いと思うんだけど?」

「貴方のしごきについていった私たちにできないとでも?」

「確かにそうだね、でここに来たって事は掴んだのかい?」


しばらくラファエルはしばらく沈黙したが話し始める。


「ようやくよ、ようやくあいつらの尻尾を掴んだわ」

「そうか、奴らは今どこにいる?」

「今奴らは王都中に散らばっているはまるで何かを始めるかの様に、そしてヒカリ・アレグレスは今、王都の北の古い建物にいるわ」

「わかった、よしミカエル達にも伝えろ。今夜、決行すると。今こそ世界に我ら《日陰乃使徒(シェイドネス)》の存在を知らしめるぞ」

「分かったわ!」


ラファエルは窓から飛び降り言ってしまった。


さあ、千年停滞していた、闇の物語が動き出す。

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