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シェイドシフト〜滅びかけた世界で暗躍する〜  作者: 西基 フリー
第一章
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13話 動き出す歯車

私の名前はヒカリ・アレグレス。


レイネル王国のアレグレス公爵家の次女。


私にはお兄様が2人、お姉様が1人いて、私はその中で一番、年が低いです。


私は特別だ、何故なら私は《神下ろしの子》だから。


高い魔力量、強固な魔力回路、99%の変換効率、全てを持って生まれたと私は言われていました。


しかし、私には戦いに関する才能が全くと言って皆無でした。


まあ努力に努力を重ねた結果、入学試験では2位を取る事はできましたが。


そして、それでもやはり100万人に1人しか生まれない《神下ろしの子》または《聖人》であることには間違いなく私は親に愛をたくさん注がれて育てられました。


でもそのことにお兄様やお姉様は嫉妬し、あまり私とは関わろうとせず、そして親や周りの人には愛されていると言ってもそれは私が《神下ろしの子》だからであり決して私自身を見ているわけではない。


私は全てを持って生まれたと言われていたがそれは嘘だ、私は何も持たず生まれてきたの。


何も持たないが故に私の心は空であり、表の全てが偽り。


私は孤独だった、、、


でも、そんな私に光が見えました。


レイネル王都立魔剣学院に入学試験の日、私は初めて私自身を見てくれる人を見つけた。


私が受験票を飛ばしてしまった時、それを拾ってくれた人、


その人の名前はアゼル・スキアーさん、あの人は私が《神下ろしの子》でもごく普通の反応をし普通に接してくれた。


辺境伯家の人だったのでもしかしたら私が《神下ろしの子》だと知らなかっただけかもしれない。


けど、それでもその接し方が私には非常に温かく空の心が満たされているのを感じた。


時々、彼を学院でも見かけることがあります。


でも彼の周りには友人がいつもいて話しかけるタイミングがなく遠目に眺めていることしかできませんでした。


でも今日、学院に入学しておよそ2ヶ月が経った時ようやく1人でいるのを見かけました。


学院から寮に帰る途中なのか1人で歩いているのを見かけました。


次の瞬間には私は彼の元へと歩を進めていました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まあ、目から塩水が出たことはさておき。


今僕は1人で寮に帰っている途中だ。


ラファエルは学院から直で《究明機関》の調査に向かった。


何より今回は実家から休暇をとってミカエル、ウリエル、アリエルが加勢に来てくれることになっている。


僕はそこに加わらないのかと思うかもしれないが、正直言って情報収集や調査に関しては《七極光》に全て任せているので僕は特にすることは無い。


日々の鍛錬を怠らず、日々力を蓄えることしかできないのだ。


また研究による新しい技の開発をするくらいだ。


そんなふうに1人寂しく歩いていると背後から女性と思われる人に声をかけられる。


「待ってください、アゼルさん!」


僕は後ろを振り返る。


するとそこにはヒカリ・アレグレスが立っていた。


やはりその顔は髪の色こそ違えど僕の前世の恋人である天音の顔に酷似していた。


「君は確か、、そうだヒカリじゃないか。入学試験以来だね、急にどうしたんだい?」

「貴方はやっぱり変わった人ですね、」


ヒカリは笑顔を浮かべながら僅かに首を傾げる。


「久しぶりにかおをあわせるあいてにそれは少し失礼じゃないか?」

「そうですねすいません、今日は貴方と少し同じがしたくって」

「話?」

「はい!」


ヒカリは手を胸に当て少し俯きながらその理由を話し始める。


「私が《神下ろしの子》って事はご存知ですか?」

「ああ、って言ってもそれを知ったのは最近だが」

「ふふっ、やはりご存じではありませんでしたか、」


ヒカリは軽く握った手を口に当て笑う。


その仕草はまさに貴族の令嬢らしいというに相応しいものだった。


「ご存知の通り私は《神下ろしの子》で他の人とは違い特別な存在と言われています。そんな中私は普通に接してもらったことなく、入学試験のときの貴方の対応がとても暖かく感じたのです。今日は偶然1人で歩いてらっしゃったのを見かけたので、もう一度あなたとお話がしたいと思い声をかけさせてもらいました」

「そういうことか・・・、構わないよ僕にとって別に何かマイナスがあるわけではないからね」

「本当ですか!やった、やったー」


僕の答えにヒカリは、はしゃいでとても嬉しそうにする。


そして僕は思う、(ああ、やっぱり似てるな、)と。


ヒカリの仕草も天音に似ていた。


僕の表情が自然と緩む。


「おっと、すいませんはしゃいでしまいました」

「いいよ別に、それより何処で話す?」

「じゃあ、歩きながらでいいですか?一度立ち話というものもしてみたかったのです」

「わかった」


予想外の答えに少し驚いたが僕は彼女の要望を受け入れ寮に着くまでの間少し話をすることになった。


話の内容はこれと言って変わったものではなく、普通の世間話だ。


あれこれと少し笑い合いながら話しているとあっという間にヒカリの寮の門の前に着いてしまった。


流石公爵令嬢の寮でまあまあ豪華な一軒家が建っていた。


寮は学院に近い方から上級貴族から下級貴族の寮と続いているので割と早くついてしまうのは仕方がないところだ。


「今日は楽しかったですありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとう僕も楽しかったよじゃあね」

「ちょっと待ってください!」


僕が帰ろうとするとヒカリが僕の制服の裾を掴んで"待って"と言ってきた。


「なんだい?」

「あのー、よろしければまた今度お話をする機会を下さいませんか?」


彼女が言ってきたのはそんな事だった。


それならいくらでも相手になってあげる事はできる。


「いいよ、じゃあ次はいつぐらいにする?」

「それでは二週間後の休みの午後からでいいですか?」

「その日は、、うん大丈夫だ予定はないよ」

「それでは二週間後の休みでまたお会いしましょう」


それで僕達は手を振ってさよならを伝え合い、それぞれの寮へと帰るのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


現在ヒカリは、アゼルと別れて自分の寮へと帰っている途中だった。


「はぁー、今日はアゼルさんとお話ができて楽しかったなー」


ヒカリはあくまでも普通にお喋りができたことに非常に優越感に浸っていた。


寮への扉の寸前まで着いたヒカリは中へ入ろうとドアノブを握った時、


「ヒカリ・アレグレスだな」


突然、ヒカリは背後から声をかけられる。


振り返るとそこには黒いローブにフードを被った黒ずくめの男が3人立っていた。


「そうですが、私に何か用ですか?」


ヒカリは警戒をしながら男たちに質問を投げかける。


「お前を攫いに来た、大人しくすれば手荒な真似をしないでやる」


男はそう告げ終えると一瞬でヒカリの懐へと潜り込む。


「っ!?」


ヒカリはそれに対応できず男はヒカリの首元に手刀を当て気を失わせた。


「まず、計画の第一段階クリアだ」


その男がヒカリを抱え、男達はそのままそこからヒカリを連れ去ってしまった。

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