12話 神下ろしの子
レイネル王都立魔剣学院に入学して既に2ヶ月が経過していた。
だがその間にも究明機関の情報は集まっていなかった。
それでも僕達は諦めることなく一日一日を大切にしながら過ごしていた。
そして今日、今僕達は学院の教室で2限目の授業を聞いていた。
「それではヴァレルさん、魔力性質について説明出来ますか?」
「はい」
ヴァレルは魔力科のリーレイ・マジック先生
という初老の女性の教師に名前呼ばれ質問される。
実際には今の時間は剣術の時間なのだが今日この時間はは魔力について詳しく学ぶためいつものホームズ先生ではなくマジック先生が授業をしていた。
正直言って魔力科の先生が授業をする時はほとんどない。
何故なら魔力科の先生たちは正確には授業をしに学院に来ているのではなく魔力について研究をするために来ていると言っても過言ではない。
魔力の研究を進めることで新たな魔術器を発明したりすることができるからだ。
だが一年の最初の方では魔力について理解を深めるためこうして実技である剣術の時間を使って授業をしにくるのである。
ヴァレルは席から立ち上がり質問に答え始める。
「魔力性質とはまず私たち人間が外気から魔力を取り込む際自身の身体にあったものへ波長や形質が変化することをいいそれによって使える魔術器が決まります。また魔力性質の大まかな分類は火、爆、水、氷、風、土、雷、無が存在します」
「その通りですよく勉強されていますね、続いて魔力回路と変換効率についても説明出来ますか?」
「はいっ」
先ほどの質問に続いてそのままヴァレルに質問をマジック先生はする。
「魔力回路は人体に張り巡らされている神経の様なもので人間はこれに魔力を通すことで魔力を使用します。また魔力回路には強度というものがあり強度によって魔力戦闘における持久力が変わります。そして変換効率とは魔力を魔力回路以外の魔術器や物に流した時の出力に関係し、変換効率が高ければ高いほど出力が増します。今述べたものは生まれつき備わっているもので先天的なものであり後天的に変えることは実質的に不可能とされています」
パチパチパチ、
マジック先生はヴァレルが質問に答え終えた後、無言で拍手をする。
「素晴らしいですレグスルさん、私は毎年この質問を1人の生徒を当ててしているのですが貴方ほど正確に答えられた人はいません」
ヴァレルは照れた様子で頬を指で少し掻きながら座る。
「すげぇなヴァレル!」
「本当にね!」
ケルスは座り掛けのヴァレルの背中を軽く叩きながら褒める。
ヒマリもケルスと同じように誉めの言葉をかける。
その後もしばらく2限目は続いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2限目が終わり僕達は昼食を取りに学院の食堂へと来ていた。
グゥぅぅー
「あぁー、腹減ったー」
ケルスはとても腹を空かせたように腹を抑えさらには腹を鳴らす。
「すごい音だねそんなに腹が減っているのかい?」
「ああ、今日は剣術の時間が座学になったから頭使って余計に腹が減ったぜ〜」
「いや、普通逆だと思うんだけど」
僕がケルスのあまりに腹を空かせた様子に疑問の言葉を投げかけると普通なら逆のはずの発言にヒマリがツッコミを入れる。
「みんな今日は何を食べる?」
ヴァレルがみんなに何を食べるのか聞く。
「私いつもの!」
「俺も〜」
「僕は今日はカレーにしようかな」
「私はじゃあスープパスタを」
みんな各自それぞれで食券を購入し料理と交換し一つのテーブルに集まる。
「それじゃ!いただきます!」
「ちょっとみんな揃ってからにしなさいよ」
ケルスは他のみんなが手を合わせる前に真っ先に手を合わせて挨拶をして食べたしてしまった。
でも僕達はそんなことよりケルスの食べているチキンカツ丼の量に驚いてそれどころではなかった。
見ているだけでも胸焼けしそうな量・・・大体総重量4kgはあるだろうか、
「なんかいつもより多くない?」
「正直、それが体のどこに消えているのか不思議でしょうがないよ」
ヴァレルが普段よりもさらに多いケルスの食事量に驚きの声を漏らし、僕もそれが一体あの体のどこに消えているのか疑問の声を漏らす。
僕達もしっかり手を合わせて挨拶をし昼食を食べ始める。
「確か、次の3限目の授業は聖教の授業だったよね?」
みんなで楽しく喋りながら僕は隣にいるヴァレルに次の授業が何だったかを聞く。
「うん、そうだよ」
「はあ〜、あの授業眠たくなるから苦手なんだよなぁ〜」
「もし寝たら私が叩き起こしてあげる」
ヴァレルが僕の質問に対してうんと頷いて答えた後、ケルスがめんどくさそうにしながらため息をつく。
それに対してヒマリがニヤニヤしながらもし寝た場合に取る行為を発言する。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
昼食を食べ終えた僕達は教室に戻り3限目の聖教の授業を受けていた。
「皆さん、《神下ろしの子》についてはご存知ですか?」
今この世界には唯一の聖教、真理教があり。
真理教とは唯一神の真理神を信仰している聖教だ。
聖教の先生がクラス中に質問をすると一人、ヴァレルが「はい!」と言いながら手を挙げる。
「じゃあ、貴方、神下ろしの子について話してください」
「はい!神下ろしの子とは常人とは異なる高い魔力量、強固な魔力回路、99%の変換効率を持って生まれてきた者のことを指し聖教の言い方では聖人と言います。神下ろしの子は唯一神、真理神に愛され加護を受けて生まれた者であり、何より神下ろしの子は最も真理人に近しい存在と言われています」
今、ヴァレルが言ったように今この世界には神下ろしの子と呼ばれるそんざいがいる
「はい、その通りです。真理教では聖人は崇拝すべき存在だと謳っています。そういえばこの学校にも一人、聖人がおられますねヒカリ・アレグレスさんが」
そう、あの日、入学試験の日に出会ったアレグレス公爵家の次女のヒカリ・アレグレスは神下ろしの子だ。
まあ知ったのはこの学院に入ってからだが。
その後も4限目があったが真面目に授業を受けて今日は特に放課後用事はなく、あの3人は部活があるため僕達は先に帰路についていた、ちなみにケルスはラグビー部、ヒマリはバレー部、ヴァレルは魔力科学部。
魔力科学部の顧問は因みにリーレイ・マジック先生だ。
そして肝心の僕は・・・帰宅部です。
前世でも僕は帰宅部を極めていた。
帰る場所に全身全霊で、帰宅に己の全てを賭ける。
帰宅部仲間とは競い合い、時にはライバルであり、時にはお互いに高めあい切磋琢磨しあっていた。
まあ、そんな僕の悲しい前世の青春時代は置いて置いておいて。
おっと、目から塩水が・・・




