11話 匂いの正体
ビルが横に立ち並ぶ学院から寮までの帰り道で突然鼻をつく甘いいい匂いがしてきた。
「何か甘いいい匂いがしないか?」
「そういえばそうね」
僕は匂いの正体を探るため辺りを見回す。
するとちょうど曲がり角のところにアイスクリームの店があった。
「匂いの正体はあれか」
僕はふとラファエルの方を向く。
するとラファエルが口は開いていないが少し涎を垂らして物干しそうにしていた。
「食べたいのか?っていうか涎垂れてるぞ」
「!」
僕が声をかけるとようやく自分が涎を垂らしていることに気がついたのかラファエルは慌てて裾で涎をふく。
「しょうがないな、僕が買ってきてやるよ」
仕方がないと言う仕草をしながら僕はアイスクリーム屋の列に並び順番を待ち、自分の番が来たらオーソドックスなバニラのアイスクリームをカップで2つ注文する。
代金を支払った僕はラファエルのところまで行きアイスクリームを手渡す。
「ほら」
「ありがとう」
少しだけ頬を赤らめてラファエルはアイスクリームを受け取る。
そして早速一口アイスクリームを頬張る。
「甘い、」
表情が緩みラファエルは美味しそうに次々にパクパクとアイスクリームを食べていく。
僕も一口いただく。
すると最初に口に冷たいのが広がり落ち着いてくるとバニラの風味が花を抜け、甘さが口いっぱいに広がった。
「上手いな」
「うん」
そうやって僕達がアイスクリームを味わっていると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あれ?、アゼルじゃねーか!」
「本当だ」
「なんだよーお前達もこの店に来るんだったら先に言えよな」
道行く人々の間からケルス達が現れ僕達に話しかけてくる。
「なんだー2人もこの新しくできたアイスクリーム屋さんに来たんだね、予定ってこの事だったのねそれなら行くとこ言っておけばよかったー」
ヒマリが腰に手を当てて上半身を少し前に突き出しあちゃーと言う表情をしながらそう呟く。
「せっかくだからさ、みんなで一緒に食べようよ」
ヴァレルがみんなに向かってそう言う。
「そうしようぜ」
「そうねそうしましょう」
「僕が買ってくるけど2人とも何味がいい?」
ケルスもヒマリもそれに賛成しヴァレルが2人に対してアイスクリームの食べたい味の種類を聞く。
すると2人とも手をあげて自分の食べたい味をヴァレルに伝える。
「俺、チョコレートで!」
「私は、ストロベリー!」
「わかった、じゃあちょっと言ってくるね。
後お代は後で返してね」
ヴァレルは少し小走りでアイスクリーム屋に向かう。
しばらく待つとヴァレルはケルス達が注文した味をちゃんと買ってきて2人はヴァレルにちゃんとお代を返す。
「ありがとなヴァレル」
「ありがとうヴァレル」
「いいよいいよ」
その日は日が暮れるまでみんなでアイスクリームを食べながら楽しくおしゃべりをして過ごした。
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此処は王都の何処かにある小さなボロい建物の地下室の中。
「計画は着実に進んでいるのか?」
「大丈夫だアレグレス家の次女、ヒカリ・アレグレス誘拐計画はなんの問題もなく進んでいる」
地下室の中には数人の黒いローブ姿の男達がいて地下室の中心にある丸い形状をしたテーブルを囲むように男達は座っており、ある計画について話し合っている
「そうか・・・もう少しだな我々は今回こそこの世の真理へと辿り着く方法を見つけあのお方へ捧げる。それと他にも王都で誘拐したもの達のはどうだった?」
「残念ですがどれもダメでした。やはり神下ろしの子であるヒカリ・アレグレスが必要のようです」
「そうか、」
1人、その中では一番偉そうな男がヒカリ・アレグレスの写真にナイフを突き刺す。
「今度こそ解明してやる。そのためには神下ろしの子であるヒカリ・アレグレスの魔力性質の情報と魔力回路が必要だ、、待っていろヒカリ・アレグレス、ふっ、はっはっは」




