その夜、秘密の会合
その夜、グンマの某所では、秘密の会合が開かれていた。
出席者は四人。
「県知事が今日、館林市の茂林寺を参拝した」
一人が報告する。
それに対して、
「早くも神頼みか」
「あの県知事、ホントに大丈夫? 私、不安なんだけど」
「まあまあ、就任してまだ数日です。長い目で見てあげましょうよ」
小さな部屋の中、四人は微笑を浮かべた。
彼らにはそれぞれ異名がある。
グンマのポセイドン。
グンマのリヴァイアサン。
グンマの乙姫。
そして、グンマの浦島太郎七世。
四人そろって、『(グンマ県内)海の四天王』である。
「一人メンバーが入れ替わったが、我々『四天王』のやるべきことは、前回とほとんど同じだ」
ポセイドンが告げると、リヴァイアサン、乙姫が続いた。
「県知事のケツをこっそり叩く!」
「密かに手助けする、とも言う!」
そこで浦島七世が、
「いやあ、前回は本当に、お手伝いありがとうございました」
この男の正体は、先代の県知事である。
「みなさんに協力していただいたのに、『第七次』では海を獲得できなくて、本当にすみません」
「気にしなくていい。前回は運が悪かっただけだ」
そうポセイドンは言うと、
「だが、今回こそは必ず」
四人は明日以降の行動、その役割分担を確認する。
それが終わると、ポセイドンが一枚の設計図を、テーブルの上に広げた。