また婚約破棄ですか、ずるいずるいが口癖の妹に婚約者をとられました。これで三回目でしたが、まあいいんですよ…。今回はね。
「悪い、僕は真実の愛に生きる!」
こんな捨て台詞とともに婚約破棄された人です。
私はなにか私に不足でも?と聞いたら顔が好みではないと一刀両断されました。
王太子殿下の趣味は顔がよい人です。しかし婚約者になる人は顔が好みではないで断れなかったといいました。
いやならいまなぜ婚約破棄? ふう、まあいいんですがね。
私は次の婚約者は妹であると聞いてやはりとため息をつきましたわ。
「お姉さま、ごめんなさーい、今回は私は幸せになりますわぁ」
「はあ、前の婚約者とは?」
「あらあ、御存知では?別れましたわ」
きっぱり言われてしまいましたわ。ずるいわぁ、あんなお顔のよい人と婚約なんてーと言われて前の婚約者はうばわれ、その前はあんな身分の良い方になんてずるーいでしたわ。
「……幸せになれるならそれはそれでいいですわね」
ふふふと私が笑うと、恐れるように身を引いた妹。
私は一目ぼれって現象に真実の愛ってあるのですかねと呟きます。
ある一種の契約ですわ婚約とは、それを真実の愛に生きるからやめておきます~というのは王太子であれば許されるとでも? きちんと私は契約書を作成の時、確認してくださいね。と言いましたわよ。
「……お願いだ、また婚約を……」
「お断りしますわ、ペナルティはあるのがわかっていたことですわ」
「知らなかったんだ!」
契約が結ばれた段階で、どちらかの一方的な申し出で破棄された場合、申し出たほうにペナルティがあります。罰則です。
罰則は契約書にかかれていましたわ。
「私に慰謝料を払うというのは当然、あと妹にも慰謝料を払わせるというのは当然、あと、あなた達の一方的婚約破棄はみなが知るところですから、『信用』も失いましたわね」
私は慰謝料の要求を当然しました。
ああ、おおよそ一年間に王家が使うお金の約50年分です。
こんなこともあろうかとそれくらいの金額を盛り込んでおきました。
妹には国庫の半分ほどの慰謝料を要求しました。
千年たっても払えないでしょうねえ。
しかし絶対に払ってもらいます! と私は契約書をつきつけ笑いました。
二人は別れ、でも慰謝料はなくならず、殿下は廃嫡、妹は下働きに出ています。
父もあきれ果てて縁を切りましたし、でもこれで許してもらえるとおもったら大間違いですわ!
殿下も許せませんし、妹もまだ許せないですわ。
もっと追い込んであげますわ。借金とりを雇い、滞った返済を督促させるなどいろいろやり方はありますわよね。思い知らせてやりますわ。
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