ふたりに灯すあかり
さよならは、わたしたちにとって
いちばん遠い言葉だと
信じていたい
遠慮して席をゆずった
その場所からは少し遠くなったけど
ふたりだけの時間を大切にしたいのは
誰でも、おんなじことだから
工場に灯りがともる頃
どちらかともなく
語った言葉がいくつか
しばらくは会えないでいるふたり
大事なことを伝えたい、ふたり
このまま、何も言わないで、
ゆっくりと時を過ごすふたり
いろんな人の思いがある
そして、
この工場からの灯りと重なって
ふたりの笑顔を映しだしていく
ふたりに灯すあかりを演出するのは
もう少し、あとからかな
今夜は、それぞれのふたりのために
短くはないと願う夜を
期待している
さみしいときは
さみしくしていればいいんだよ
無理に言葉だけで
解決することはないよ
照らし出す灯りは
やさしく見守ってくれるはず