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1話 魔法が使えないのなら、拳で殴ればいいじゃない

今回は短めです。ごめんなさい....

 ってなわけで異世界に転生&転生した俺は、早速命の危機に瀕しているのだった。

  

  「ウゴァァァァァァ!!!!」


 雄たけびを上げ、木々をなぎ倒しながら迫る3メートル級のゴリラ。

 わーすごい。大木が簡単にへし折られてるー。あんなのに攻撃されたら俺一撃でペースト状だね。

 ていうか胸がいちいち揺れるせいで走りずらいっ! 


  「誰か助けてぇ!! 死ぬぅ!! マジで死んじゃうぅぅぅ!!」


 そんな情けない声をあげながら走っていると突然、一人の少女が俺の横を駆け抜けた。

 次の瞬間激しい金属音が鳴り響く。恐る恐る振り返ると、そこには大剣を構えた蒼髪の少女がゴリラと対峙していた。 


  「何をボーっとしてるの!? 早く逃げなさい!!」


 そう叫ぶ彼女は勇敢にも立ち向かっていた。激しく大剣を振るい目にもとまらぬ速さで攻撃を仕掛ける彼女であったが、その攻撃はゴリラの体毛によってことごとく弾かれていた。


 え、あの剣が弾かれるってどんだけ毛固いんだよ。さっきの金属音ってそういうこと? 金属並みの体毛ってことじゃん、怖っ。


 そんなことを考えつつ、俺は再び走りだした。彼女一人に任せるのは男として申し訳ないと思ったが、まぁ強そうな装備してたし大丈夫でしょう。俺がいても足手まといだしな、と言い聞かせて。

 







 ◇








 暫くして息が切れ、近くの木陰で休んでいた俺は先ほどの行動を反省していた。

 いくら必死だったからとはいえ、やっぱり女の子を一人で置き去りにするのはどうなのよ、と。

 さすがに負けるなんてことは、いやいや彼女強そうな装備してたしそれはないよね、と助けてくれた少女の安否を心配していた。

  

 すると、次の瞬間――

 

 蒼髪の少女が俺の目の前に勢いよく吹き飛ばされてきた。

 その少女は紛れもなく、先ほど俺を助けてくれた少女だった。

  

 突然の出来事に、何が起きているのか瞬時に理解することはできなかった。

  

 我に返り急いで彼女に駆け寄ると、意識はあるものの全身傷だらけで足の骨が折れていた。


  「おい大丈夫か!? マジかよあいつ....」


  「まだこんなところにいたの? 私のことはいいから逃げなさい!!」


 弱弱しい声で彼女は言う。いやいやさすがにこんな状態の少女を置いていくわけにはいかない。

 彼女に回復の魔法を唱えていると、ズシンズシンと音を立て一匹の獣が迫っていた。

 

  「まあ状況から察するに、そういうことだよなぁ」

 

 背後から迫るゴリラ型モンスターには傷ひとつ付いておらず、ピンピンしていた。

 つまりはこんな強そうな彼女が倒せなかったクソゴリラを今から俺が相手にしないといけないのか、ヤバイ怖すぎてチビりそう。


  「何してるのよ、ここは私に任せて早く行って!! あなた死ぬわよ!?」

 

  「そんな傷で何言ってんだ。元はと言えば俺のせいでこんなことになってんだから。回復かけた

  し歩くぐらいできるだろ? まあ俺が責任を持って時間は稼ぐさ」


  「あなた、死ぬわよ?」


  「だろうな」


 これは俺が招いた種、しかも助けに来てくれた少女に重傷を負わせてしまった。覚悟決めるしかないよなぁ。

 とは言うものの魔法使えないし、結局拳で殴るしかないのか....

 杖持ってるのに、魔導士なのに近接戦とか何の冗談なんだか。


  「とりあえず肉体強化MAXでかけとけば10秒くらい持つでしょ。うん、多分....」

 

 自身の体にMAXでバフをかけた瞬間立ち眩みに襲われた。多分これがMP切れというやつなのだろう。何回バフかかったのか体感じゃわからんな。


 覚悟を決め俺はゴリラと対峙した。


  「おいこのクソゴリラ、今からは俺が相手だ!! てめぇ生きて帰れると思うなよ!?」


 そう挑発した当の本人は立っているのもやっとだというくらい足が震えてます。だってめっちゃ怖いんだもん。


 挑発されて起こったのか、ゴリラ型モンスターは叫び声をあげ勢いよく拳を振りかざしてきた。


 あ、死ぬ。そう思いながらも一か八か、俺も拳を突き出した。


 二つの拳が交わった瞬間俺の腕は簡単にひしゃげ、そのまま吹き飛ばされぐちゃぐちゃに――


 そう考えていたのだが、現実はそうではなかった。

 実際は二つの拳が交わった瞬間、俺の拳はゴリラの拳にめり込んでいき、そのままの勢いで腕もろともそいつの上半身を吹き飛ばした。ズウゥゥゥゥゥゥンと音を立て、下半身のみがその場に横たわった。


 そんな現状を俺は自分の拳と死体を交互に見ながら唖然としていた。誰か説明をお願いします。


  「嘘、ありえない.... Aクラスモンスターを一撃で? あなた一体....」


 そう驚愕する少女の声が聞こえた。

 

 うん、わかるわかる。信じられないよね。大丈夫、当の本人が一番びっくりしちゃって声も出てないから。

 バフ強くない? この世界の人たちはみんなバフかけて暴力で全部解決してるの? なにそれ超怖いんですけど。バイオレンスな世界に転生しちゃった?

 

 そんなことを思っていたら突然、俺の意識は遠くなっていった。

 嗚呼そうだ、MP使い切ったんだったわ。

 抵抗虚しくその場に倒れこみ、意識を失った。







 





 


 

 

 


 




日が開いてしまいまして申し訳ありません。

書いては消してを繰り替えしていたら数日経過してました....

なかなか納得できる文章が書けず悶絶してました。

第2話は明日もしくは明後日には公開したいと考えているので何卒よろしくお願い致します。

厚かましいかもしれませんが、一言感想など頂けたら嬉しいなぁ....と

それでは次回もよろしくお願いします。


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