指輪と誤解
『まさか、グルルか?』
『そうです! あの、あとこれ解いてもらえませんか? 痛いです……』
わしはそう言われて魔法を解除した。わしは昔、一匹のドラゴンを育てたことがある、それがこのグルルじゃ、昔は猫くらいの大きさじゃったがかなり大きくなったの。
『どうやってこっちに来たか覚えているか?』
『いえ、気が付いたらここに』
すると近くにトンッと人が地面に降り立った音がして人が近づいてきた、アルシアじゃ。
「大丈夫? アデル君!」
「うん! 大丈夫だよ!」
『えっお姉さんがいたんですか!』
『いや違うぞ、わけあってな』
すると、アルシアがグルルを警戒しながら話しかけてきた。
「このドラゴンもう大丈夫なの?」
「うん、僕は人なんか食べないよ、なんか誰かに操られてたみたいでこのアダ……」
『ちょっと待つのじゃ! 今はアデル・シーリングで別人ってことにしてくれぬか!』
わしがアダムだとアルシアにばれたら終わりじゃからな。
ドラゴン種でも人語を話せるものがいる、それは特に階級が高いほど話せる個体が多い。ちなみにグルルにはわしが教えたのじゃがな。
「アダムっていう人族に育てられたんだ」
「えっそれってアダム・ウォールって人?」
驚いた表情でアルシアはグルルに確認する。
「そうだよ」
「おじいちゃんに育ててもらったんだ、そんな話聞いたことないよ」
そういや話してなかったか。
『おじいちゃん? お姉ちゃん? どういうことですか?』
グルルは困惑したようにわしに竜語で耳打ちしてきた。
『後で説明する、それよりこの後お前をどうするかじゃよ』
このままじゃと目立ち過ぎる。なんといっても成体のドラゴンで座っていても高さが8メートルで真っ黒な黒いゴツゴツの鱗に覆われているのでいやでも目立ってしまう。
『元の世界に返してくれないんですか!?』
『返せないんじゃ』
若かった昔なら世界を超えさせるくらいならできたかもしれぬがあの時、大部分の力が失われてしまったからな。
『じゃあ、魔法具とかに入れるのはどうですかね? 魔力供給も出来ますし』
確かにそうじゃな! そうすればグルルの言った通り魔力供給も出来るし、いつでも呼び出すことが出来るからな。収納魔法を施して、魔法具にするが素体を何にするかじゃな。
杖では大きすぎるし……そうじゃ!
「錬金術魔法」
錬金術魔法でわしが作ったのは、リングの中央に緑色の1センチほどの宝石が施された指輪を作った。ちなみに錬金術は魔法とかなり密接な関係にあり、わしが生まれるよりずっと前に錬金術から魔法が生まれたといわれている。
『まさか、グルルか?』
『そうです! あの、あとこれ解いてもらえませんか? 痛いです……』
わしはそう言われて魔法を解除した。わしは昔、一匹のドラゴンを育てたことがある、それがこのグルルじゃ、昔は猫くらいの大きさじゃったがかなり大きくなったの。
『どうやってこっちに来たか覚えているか?』
『いえ、気が付いたらここに』
すると近くにトンッと人が地面に降り立った音がして人が近づいてきた、アルシアじゃ。
「大丈夫? アデル君!」
「うん! 大丈夫だよ!」
『えっお姉さんがいたんですか!』
『いや違うぞ、わけあってな』
すると、アルシアがグルルを警戒しながら話しかけてきた。
「このドラゴンもう大丈夫なの?」
「うん、僕は人なんか食べないよ、なんか誰かに操られてたみたいでこのアダ……」
『ちょっと待つのじゃ! 今はアデル・シーリングで別人ってことにしてくれぬか!』
わしがアダムだとアルシアにばれたら終わりじゃからな。
ドラゴン種でも人語を話せるものがいる、それは特に階級が高いほど話せる個体が多い。ちなみにグルルにはわしが教えたのじゃがな。
「アダムっていう人族に育てられたんだ」
「えっそれってアダム・ウォールって人?」
驚いた表情でアルシアはグルルに確認する。
「そうだよ」
「おじいちゃんに育ててもらったんだ、そんな話聞いたことないよ」
そういや話してなかったか。
『おじいちゃん? お姉ちゃん? どういうことですか?』
グルルは困惑したようにわしに竜語で耳打ちしてきた。
『後で説明する、それよりこの後お前をどうするかじゃよ』
このままじゃと目立ち過ぎる。なんといっても成体のドラゴンで座っていても高さが8メートルで真っ黒な黒いゴツゴツの鱗に覆われているのでいやでも目立ってしまう。
『元の世界に返してくれないんですか!?』
『返せないんじゃ』
若かった昔なら世界を超えさせるくらいならできたかもしれぬがあの時、大部分の力が失われてしまったからな。
『じゃあ、魔法具とかに入れるのはどうですかね? 魔力供給も出来ますし』
確かにそうじゃな! そうすればグルルの言った通り魔力供給も出来るし、いつでも呼び出すことが出来るからな。収納魔法を施して、魔法具にするが素体を何にするかじゃな。
杖では大きすぎるし……そうじゃ!
「錬金術魔法」
錬金術魔法でわしが作ったのはリングの中央に1センチくらいの緑の宝石が装飾として施された指輪だった。
実は錬金術と魔法は大きくかかわっているのだ。わしが生まれるよりずっと前は魔法がまだ出来ておらず、錬金術しか存在していなくその錬金術を元に魔法が出来ていったといわれているのじゃ。またそんな大昔に魔法が出来たので魔法には当時使われていた古代文字が使われているのだ。
また錬金術魔法はそこで魔法で錬金術を代用したものじゃ。
「魔法付与術式」
作った指輪に収納魔法と魔力結合を施した。収納魔法は文字通り指輪にグルルが入れるようにするためで、魔力結合は魔力を送れるようにとグルルが言っていたようにするために対象と対象の魔力を繋げるようにするもので、今回はわしとグルルが入る指輪とを繋げる。魔力を繋げば、離れていても思念魔法などを用いてコンタクトをとったり、いつでも魔力をお互いに受け渡しができるようになるのじゃ。
「綺麗な指輪……」
アルシアが指輪に見入っている、年頃の女の子じゃし、興味があるのかもな。
そして今から指輪をアルシアにはめる。何故なら身に着けていたら、もしアルシアが危険な状況に陥ってわしがそこにいない場合グルルを出すことが出来る。グルルは少し頼りないところはあるが、それでも最上級のドラゴンでかなりの戦力となるし、指輪を辿りアルシアの場所がいつでも把握できるようになるしの。
「お姉ちゃん、ちょっと左手を出して」
「私にくれるの?」
「うん、もちろんだよ!」
「ありがとう」
そう言って差し出してきた左手の薬指に指輪をはめた。左手の薬指にはめたのはわしが若かった頃は大事な人の安全を祈るという意味があったからじゃ。
「え……とアデル君にはまっまだ、はやっはやいよ……」
アルシアがほほを赤く染めてそっぽを向いた。早いとはどういうことじゃろう?
すると、
ガサガサッと草むらから物音がしたので、魔力を探ると魔王とシアだった。
「魔王にシアどうしたの?」
話しかけると二人とものそのそと出てきて、
「おっお前何してるんだよ!」
「えっ! お二人そういう関係だったんですか!?」
二人してわしに詰め寄ってきた。
一体どういうことじゃ……?
じじいとアルシアたちでジェネレーションギャップが……