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神の時代の英雄は孫のためなら神すら殺す  作者: 結城輝夜
グリタリア第一学校編
4/13

学校紹介

 ブックマークありがとうございます! 

 毎日投稿は出来ませんが出来るだけ頑張って投稿します!

 困った……おしまいじゃあ……


「大丈夫? 気分が悪いの?」


 しゃがんで心配そうに、わしの顔を覗き込んできたのはアルシアじゃ。


「うん、大丈夫だよ」


 いや全然大丈夫じゃないがな。

 しかし、起きてしまったことは仕方ない、流石に魔法で結果を捻じ曲げるのはあれじゃしな。



____________________


 その後入学式が始まり、無事に終わった。

 制服や教材は、合格者発表の日に受け取ったので皆制服を着ている。


 そして今、ホームルームに案内されたところである。

 教室は3クラスある内のAクラスで、入学試験の結果が良い者から順にA、B、C分けられているみたいじゃ。

 わしのクラスにはアルシアそして魔王もいる。

 魔王は不合格にならぬか、心配だったものの受かったみたいじゃな。

 席は1番後ろで右からアルシア、魔王、わしという風に座っておる。

 アルシアの隣の席を取られ、機嫌を悪くしていると担任らしき狼の半獣族の男がが入ってきた。


「座れ! 座っていたみたいだな、俺はキグダムだ! お前らの担任になる、1年間よろしくな!」


「「「よろしくお願いします」」」


 何人かの声が重なるが、まだ小さい声だった。


「シャキッとしろ! お前らは今日から、この学校の生徒だ! 誇りを持つんだ!」


 勇者と魔王を前にしていい度胸じゃな、まあ半獣にはそういう人が多いが、その中でも度胸がありそうじゃの。じゃが、その方が良い。なぜなら

 アルシアに教えるのじゃから、おじおじせずしっかりしておかぬとな。

 それにしてもさっきからこの教師わしと目を合わせてくれぬ気がするのじゃが、気のせいかの?


「では最初に自己紹介しようか! 名前と得意な魔法もしくは得意な魔法の系統とかを言っていってくれ! まずはお前からだ!」


 そういって、1番前の席の生徒の肩を叩かれた。


 そうして自己紹介が進んでいき、アルシアの番となった。

 アルシアはまず、席を立ち周りの生徒にペコリと礼をしてから自己紹介を始めた。


「えっとアルシア・フレアです! 得意な魔法は光属性のもの全般です! よっよろしくお願いします!」


 最後にニコッと笑って深く礼をして座った。緊張したみたいじゃな。


「……アルシアさんって勇者なんだよな……」


「……可愛い……」


「……いや天使だわ……」


「……やっぱりかなり強いんだよな……」


「……いや、もっと規格外のやつがいるぜ……」


「……あの主席だったやつだよ、入学試験10000点だぞ……」


「……あれってマジなの、みてないわ……」


 周りが色々ざわついている。

 やはり、アルシア主席作戦の失敗はかなりの痛手だったの……


「静かに! よし次の人!」


 魔王はめんどくさそうに立ち上がる。

 するとクラスは一気に静まり返った。


「ガルダルム・ガルド、魔王だ。得意魔法は炎系だ、以上だ」


 魔王はまた席につく。


「……魔王ってほんと大丈夫なの?……」


「……アルシア様がいるから大丈夫だろ……」


 アルシアはもう周りから尊敬されているなんて流石じゃな。

 次はわしじゃな。アルシアが頑張れという視線を送ってきたのでありがとうと返して立ち上がった。


「アデル・シーリングです」


 魔王の反応を見ると時空魔法はおかしいらしいから得意魔法はもっと別のにしなければの。


「得意魔法は、自然魔法です」


 自然魔法は天気を変えたり、嵐を起こしたり地震を起こすなどが出来る魔法の総称だ。


「……いや、流石に……」


「……神じゃないんだから、流石に……」


「……でも本当なら……」


 再度教室がざわざわし出したのをキグダムの声が遮った。


「よし! じゃあ! 学校についてある程度説明していくぞ! 外に出るからついてこい!」


 そしてわしたちは教室からでて、授業で使う教室の場所などの説明を受けていた。

 

「ガルダルム君、よろしく!」


「ああ」


 魔王がよからぬことをしでかさぬよう、見張っておかねば。


 ジーーー。


「あっえっと、そのアルシアは……」


 いきなり呼び捨てじゃと!?

 8歳児の姿のわしは全力で魔王を睨み付けた。


「えっと、アルシアさんはえっと……どっどこの出身ですか?」


「アリアの大陸の街から離れた自然豊かなところにある村に住んでいたよ、あと敬語はやめてもらえるかな? 同級生だし」


「あっはい!」


 わしが睨み付けているせいかまだ敬語じゃな、流石に可哀そうかのお。睨むのはやめておくかの。


「そういやアデル君は話さないけど、どうしたの?」


「いや全然普通だよ、勇者様」


「そうならよかったよ! あと勇者様って少し恥ずかしいかな……」


 アルシアは顔を少し赤く染めてそう言った。

 魔王がアルシアに見とれているな、あとで絞めておくかの。


「うん! 分かった! じゃあお姉ちゃんって呼ぶね」


「えっ」


 アルシアがまた顔を赤らめてそっぽを向いた。

 どうしたのかのお? もしかして嫌じゃったのか!


「だめか……な……?」


 恐る恐る確認する。


「いや、だっ駄目じゃないよ! 全然、うん」


 少し動揺しているようじゃが、大丈夫ならよいかの。


 そして教室などの説明が終わり、わしたちはまたホームルームに戻ってきた。


「お姉ちゃんか……フフ」


 席につきアルシアが何かを言ったみたいじゃが、うまく聞き取れなかったのお。でも嬉しそうだからよしとするかのお!


「みんないるな? よしでは次に今後も日程について説明していく!」


 声が大きいのお、前の席だとうるさそうじゃから席替えがあるならアルシアが後ろになるように細工をしなくてはならぬな……どの魔法を使おうかのお……

 そう考えていると説明が始まった。


「まずこれは入学式の後にプリントを配布したから分かっていると思うが、明日から1年生は合宿が2泊3日であるからな、明日はこの教室に入ってこずにさっき説明した体育館の前に集合だ! …………」


 それから色々説明があったが、自由参加の研究会の説明がある日などの説明があったが合宿以上に大事なことは特になかったの。


 すると教師の鋭い目線がわしの横に突き刺さったので横を見てみると魔王が寝ておった。

 悪い奴だなぁ、さっきのアルシアのこともあるし強めに一発いれておくかの!


 筋力強化術式(グルト)を右手の中指にかける。込める魔力によって魔法はかなり威力が変わるから、死なない程度に抑える。この前の入学試験では初級魔法の初級火球術式(テル・ファント)を使ったが、ある程度込めたからそこそこの威力が出たのじゃ。

 そして左手でこやつの髪を掴み顔を上げて渾身の額粉砕術式(デコ・ピン)を打ち込む。


 パッーーーン!!


 魔王の鮮血が飛び散る。

 ちょっとやり過ぎたかのお。魔王のくせに軟弱じゃな。


回復術式(シシェル)


 魔王の傷を治してやった。

 やけに静かじゃな?


 前のキグダムとかいう教師を見た。


「うっわぁぁあああ!!!」


 腰を抜かしたみたいじゃな。


「どうかしましたか?」


「「「「は?」」」」


 初めに教師に返した挨拶より大きい全員の声が教室に響いた。


「……おい、あれはヤバイって……」


「……魔王にアデルとかいうやつとか後ろの席は魔境だな……」


「……いや地獄だな……」


「……この席から後ろはあの世だな……」


 凄く言われている中、アルシアは俺に話しかけてきた。


「いや、えっとアデル君は悪くないと思うよ!」


 わしを励ましてくれているみたいじゃ、相変わらずアルシアは優しい。


「悪いのは寝てたガルダルム君だから」

 

 まあ実際そうじゃがな。


 学校初日に、教室は地獄と化したのであった。

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