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神の時代の英雄は孫のためなら神すら殺す  作者: 結城輝夜
グリタリア第一学校編
2/13

入学試験

「……勇者様がいらっしゃるのに、私なんかが、主席とは誠に遺憾でありますが……」


 わしは今、新入生代表の挨拶をしている。

 入学試験はかなり力を抜いてやったのじゃが、まさかわしが主席になっているとはな、困ったのー……

 せっかくのアルシアの晴れ舞台を台無しにしてしまった……




____________________


 これは入学試験の日である。



「おい、じじい、お前どうやってちっちゃくなったんだ? 幻影魔法でもなさそうだし」


「今は見ての通りじじいではないぞ、アデル・シーリングだ。ただ、わしの体にを使って時を戻しただけじゃが」


「何だと!? そんなこと出来るのか!」

 

 時空魔法を使える者は昔でも少なかったが、知名度は高かったと思うたがな、知らぬ間に世界は変わってしもうたのかもな。


「あとあのな、話し方がまだじじいなんだが、それはいいのか?」


 少し落ち着いた魔王はわしに質問をしてきた。 


「確かにそうじゃの、体に染み付いているからのついな、あと随分馴れ馴れしいの?」


 冗談のつもりで言ってみたのじゃ。


「いや、それは……」


「魔王ならもっとシャキッとしたらどうなのじゃ、はっはっは」


 魔王がビビっているのは面白いの。


「あとわしのことは知らない設定だからの」


 わしが姿を変えて学校に行くのは、アルシアには秘密だからの。念押ししておく。


 よしでは試験会場に向かうかの。




 わしは試験会場の学校に着き、今は筆記試験を受けている。

 内容は魔法学、歴史についてで特にどうということはなく簡単じゃが、アルシアはどうかの?


 魔法で見てみるが、しっかりできているみたいじゃの。これは決してカンニングしているわけではないぞ、違うぞ、心配しているだけじゃからの。


 わしは合格するが目立ちすぎず、それでいて同じクラスになれるようにしなければならないのじゃ。

 自分で言うのもなんじゃが、昔は中々強いほうだったからの。

 主席はアルシアのものだから、万が一にもわしがなったら大変じゃからな。


 そこで魔法についての自由記述問題では実用的でない超遠距離通信魔法について書いてみた。

 そういうのも昔は遠く離れている場合は思念魔法を使っていたから超遠距離型の通信魔法はなかったから術式と一緒に書いてみたが、魔力効率が思念魔法よりかなり悪く実用的ではないの。

 これぐらいかの。


 次は実技試験じゃ。

 攻撃魔法を魔法の威力を測定できる魔法具の鏡に撃つみたいだ。

 完全に壊してしまうとあれだから少しヒビが入る程度にしようかの。


「ではまずアデル・シーリング君、あの鏡に自分が得意な魔法を撃ち込みなさい」


「はい」


 わしは実技試験で最初の受験者みたいじゃ。 


 じゃあいくぞお。手に3重の魔法陣が浮かび上がる。


「……おい、無詠唱だぞ……」


「……魔法陣が3重なんて聞いたことがないぞ……」


 なんか聞こえるが、詳しく聞こえないな、まあいいかの。


初級火球術式(テル・ファント)


 そして爆炎が放たれ、鏡に直撃する。


 ドドッガガガーーーーーン!!


 部屋には予め、防御魔法を使っていたので部屋には傷一つついていない。

 よかったよかった、うまくいったのお。

 

「えっえ……」


 試験官が口をあけて、突っ立ている。どうしたんじゃろうか?


「これで終わりかの……ですか?」


 危ない危ないついじじい口調になってしもうたわ。


「あっあ……はい……」


 よし! 試験が終わった。アルシアはどうだったじゃろう、上手くいったかの?

 じゃがアルシアなら大丈夫じゃろう!


 そして試験が終わり、わしは予めとっておいたアルシアと同じ宿屋に向かった。

 

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