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ストーリーモード1

本日4話目


 新機能であるストーリーモードへと意識を向けた俺は、さっそくキャラクターを作成してみることにした。


「何々? まずは職業を選ぶのか……。そして当然初期レベルは1、と……」


 考えてみれば当然のことだが、いくら創造神という設定であるプレイヤーであっても、ストーリーモードではレベル1からのスタートのようだ。


 まあ、最初から創造神レベル999、とかだとゲームバランス崩壊するしな。

 そりゃそうだ。

 それだとストーリーもクソもない。


 ちなみに選択できる職業に勇者などの上位職業は含まれておらず、選択しようとしても【エラー! 既に所持している個体がいます!】と出るため、恐らくこの勇者や聖女の上位職業は世界に個数限定でしか出現しないレア職業なのだろう。


 勇者を所持している惑星のキャラが死んだらどうなるか分からないが、たぶんしばらくして他のキャラに職業勇者が行き渡るんだろうな。

 そんな気がする。


 というわけで俺が初期状態で選べるのは一般職の【剣士】とか、【魔法使い】とか、そこらへんだ。

 ただ運営のサービスなのかどうかは分からないが、キャラ作成画面の説明に【創造神の分身であるあなたのキャラクターは、職業を最大3つまで保有できます】とメッセージが残されているので、たぶんかなり優遇されているのだろう。

 そこらへんはちゃんと有象無象の一般人ではなく、創造神としての優位性を保てるようになっているらしい。


 とはいえ、何度も言うが最初はレベル1だ。

 職業が多くても最初から調子に乗っていればすぐにゲームオーバーになってしまうだろう。


 俺は脳内で何度も最適な組み合わせをシミュレートした結果、近接職、遠距離職、便利職をバランスよく組み合わせる事にした。


 メッセージには職業の入れ替えは【マナ】を支払えば自由だが、入れ替えるとその部分の職業が当然レベル1からスタートになるようなので、できれば最初に使いづらい職業を選ぶのは避けたい。

 複数の職業を体験することで複合職というレア職業を選択可能となってるので、ピーキーな職は操作に慣れてからにしようと思う。


 で、まず近接職だが、これは普通に戦士でいくことにした。

 理由は職業選択画面で出現する能力パラメーターが安定しているからだ。

 魔法系の能力は壊滅的だが、その他物理面での平均値が剣士や闘士といった近接職よりも、総合すると高い。


 恐らく戦士は特定の戦闘技術に特化していない分、剣の扱いに特化した剣士などに比べて強みがなく、その代わり他よりも肉体能力が高く設定されているのだろう。

 即採用だ。


 次に選んだのは、神官。

 とりあえず回復手段が無いと始まらないと思ったのが一つと、威力は乏しいが魔法による遠距離攻撃も可能なのが一つ。

 魔法使いのように多彩な攻撃魔法は扱えないようだが、解説には成長すれば光属性の攻撃魔法を習得できるとある。


 育てておいて損はないだろう。


 最後に3つ目、選んだのは錬金術師だ。

 魔力というパラメーターを消費し素材があれば道具を創造できるほか、基本スキルに鑑定が搭載されていた。

 やっぱり相手のレベルとか、危険度とか、そういう知識って冒険では必須だと思うんだよね。


 というわけで、俺が選んだのは以上3つの職業だ。

 さっそく作成したキャラクターを確認し、決定する。


 すると今度は年齢設定の項目が出現した。


「えー、何々。5歳から50歳まで選択可能なのか。キャラクター作成後の年齢の変更には【マナ】による奇跡が必要と……」


 なんでもありだな、創造神の奇跡。

 職業だけでなく年齢設定まで自由自在かよ。


 まあ仮にも世界創造の神が作る分身だし、それくらいできてもおかしくはないが。


 とりあえず物は試しということで、【マナ】を微量に消費する以外デメリットというデメリットも無さそうだし、飽きたら変更すればいいと思い10歳から始めることにした。


 少年冒険者の誕生だ。


 俺は年齢を確定し、次に進む。

 どうやらこの確認が最後だったようで、メッセージには新たな文面が出現した。


【イベントクリア! おめでとうございます、あなたのキャラクターが創造されました。基本機能を全て解放し操作しました。チュートリアルイベントを終了します。以後、時間経過は緩やかになります。ストーリーモードをお楽しみ下さい】


 お、やっとイベントが終了したぞ。

 どうやらここまでがチュートリアルだったようだ。

 それに時間経過が緩やかになるとは言っているが、スキップ機能は相変わらず健在なので、時間加速させようと思えばいつでもできるらしい。


 ただ、あまり時間を加速させてレベルを上げないまま次のイベントを体験するのは詰む予感しかしないので、とりあえずまずはレベル上げを優先して行うことにしよう。


 俺はキャラクター作成画面からいつもの惑星画面に戻り、世界を俯瞰した。

 時間が緩やかになる前、キャラクター作成時に長時間悩み何時間もかけて操作していたため、だいぶ世界の情勢も変わっていると思い一旦戻ったのだが、やはり放置時間が長かったためか、ついに俺の惑星は立派な国家や文明を創造していたようだ。


 まだ国家間の技術格差や文明の格差が激しく安定はしていないが、おおよそ中世前後の世界観になったと思われる。


 魔大陸の方は相変わらず健在で、何度か勇者が現れては魔王や魔族と戦いを繰り広げているとログにはあった。

 中々遊び甲斐がありそうな世界だ。

 俺はそんな自分で作った世界を楽し気に眺めながら、それじゃあさっそく冒険するかと思い【ストーリーモード】を選択する。


 だが選択した瞬間、俺の意識は遠のいていき────。

 ────気づくと俺は、スマホを片手に見知らぬ森の中で倒れていた。


「いや、意味わからん」


 誰か、状況を説明してくれ。




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