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創造神の神殿5


 一万年後の未来で瞬殺された事で少し思う所があった。

 ちょっと今の俺、装備貧弱すぎないだろうかというところだ。


 あの巨体に押しつぶされれば多少装備が整っていたところで大差はないが、ああいった規格外の化物を認識したことが切っ掛けで自分の貧弱さを理解する事が出来た。


 レベル上げに関しては今後も行っていくという事で良いが、幸い魔族の拠点で回収した大量の下位竜素材がある事から、装備面での強化を早々に行えることに気が付いた訳である。

 装備が整ってもしばらく一万年後に飛ぶような事は控えるつもりだが、何にせよ強くなって損はないだろう。


 また、ミニ黒子に関しては次元収納に放り込んであったので、即死のタイミングで効果が発動することは無かったようだ。

 次元収納内部でも効果が発動してしまったら、貴重な身代わりアイテムの無駄撃ちになってしまうのでしまっておいたのだが、これはこれで良かった。


 さっそく天使ノーネームに相談し、竜素材で装備が作れるか確認する。


【創造神】

次元収納してある竜素材について、今の錬金術師レベルで装備として加工することは可能か?


【天使:NoName】

沢山素材がありますが、どれも現在のレベルで加工可能です。


 どうやら可能らしい。

 下位とはいえ竜の素材なので、本来はギリギリで不可能な素材とかもあるのだろうけど、神殿のレベルが上がったおかげで融通が利くようになったのかもしれないな。


 B級に昇格したとはいえ特に有名な冒険者という訳でもないのに、あまり装備を豪華にして悪目立ちする事は避けたいが、武器はともかくせめて防具くらいは作るべきだろう。


 武器に関しては『聖剣招来』と『魔力強奪』の無限コンボがあるので、今のところ無理に作る必要はない。

 予備の武器すら必要ないだろう。


 そして俺は大量にある竜の鱗をパソコンで操作し、まずは粉末状にする。

 粉末状になった素材を他の魔物の皮素材に合成させ、一気に強度を引き上げた。

 詳細項目でチェックすると防御力だけでなく、魔法耐性なんかもかなり上がっているらしい。


 ちなみに、この一連の流れは錬金術を極めさえすれば全て自力で行えるのだが、あいにく錬金術師として中級の俺にはクリエーションモードのアシストを受けてやっと創造できるレベルだ。


 もし俺の創造するものに毎回『創造神の加護』なんていうものが付いていなかったら、この加工品を売るだけでお金に困らない生活ができるかもしれないな。

 それくらいの出来である。


 その後は強化した皮素材をフード付きマントの形に仕上げていき、俺の分と紅葉の分として2着の防具を創造した。


「中々の出来だな」

「また珍妙なものを作っておるのう。これは防具かえ?」

「ああ、なかなか上手く出来てるだろ?」

「ふーむ」


 何が不思議なのか、マントを裏返したりたまに引っ張ったりしながら様子を確認する。

 どうしたどうした。


「これなら母様かかさまの攻撃にも耐えられる代物かもしれんなぁ。うむ、良く出来ておる」

「え、九尾の攻撃からも身を守れるのか? そりゃすごいな。お前の母親って土地神だろ?」

母様かかさまの力は儂が一番良く知っておる。その儂が言うのじゃから間違いない。……ま、もう関係のないことじゃけどのー」


 まあ、実の娘である紅葉がそう言うのなら本当なのだろう。

 しかし九尾に通用するとなると、これはまたとんでもない力を秘めた装備を作り上げてしまったものだ。


 いくら防具が凄くたって自分のレベルが低ければどちらにせよ瞬殺だろうけど、とにかく強くなった事には変わりない。

 いやあ、パソコンでパラメーターを操作しながら頑張って作った甲斐があった。

 あれずっと操作してると肩が凝るんだよね。


 一応の結果に満足した俺はクリエーションモードを終了し、次はこの防具の性能を試すべく鍛錬を行うことにした。

 今回のターゲットは前回町で出会った魔族が中心で、チャレンジモードとして賢者アーガスや、ベラル・サーティラ、ダダンなんかを考えている。


 たぶん今のレベルでアーガス級の相手を単騎で相手取るのは不可能だとは思うが、訓練をしておいて損はない。

 さっそく小手調べとしてリプレイモードで魔族を呼び出した俺は、庭で決闘することにした。


 そして結果はというと……。


「ふむ、一対一相手なら魔族が相手でもだいぶ余裕があるな。やはり防具の性能差はデカい」


 試しにワイバーンとも戦闘を行ってみたが、結果は同じ。

 以前よりだいぶ戦いが楽になった。

 なによりこの防具のおかげで爪や牙、尻尾の毒針攻撃に耐性が出来たのがかなり大きい。


 これは使えるな。


「よし、紅葉も一緒に訓練するぞ。レベル上げだ!」

「んぁ? 嫌じゃ」


 即答するなよ……。


「嫌じゃない。今後も生きておにぎりを食べたかったら強くなるしかない」

「む、むぅ……。おにぎりの為なら仕方がないかのう……」


 こうして一応自分の弱さを認識している紅葉は渋々ながらも頷き、俺といっしょにリプレイモードに励むのであった。


 余談だが、一度賢者アーガスと戦ってみたら一分も持たずに殺された。

 さすがに上位職業と戦うためにはまだ修行が足りなかったらしい。


 一応ベラルとダダン相手には途中まではいい勝負が出来ていたので、今度からはこの二人を相手に訓練を再開しようと思う。



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― 新着の感想 ―
[一言] おにぎりに命かけれるんかこの子…
[良い点] ああああああああぁぁぁ♬︎♬︎ 小狐ちゃん♬︎♬︎«٩(*´ ꒳ `*)۶»が尊いほどに♬︎ かわちい♬︎♬︎♬︎♬︎ 具材増量♬︎♬︎«٩(*´ ꒳ `*)۶»♬︎♬︎ 神の食材♬︎…
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