表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/230

進化する生物たち2

本日1話目

今日の残りを1時間ごとに投稿致します。


 【神託】の機能も気になるが、とりあえず先ほどから気になっていた最終進化の方に着目してみる。

 【生物進化】には、やはり新たな情報が記載されていた。


【龍神】

龍の神であり、創造神の加護を強く受けた亜神。

全ての生物の中で、個体としては最強の力を持っている。


 ふむふむ、どうやらこの惑星における神様っぽいやつらしい。

 創造神の加護を受けたと表現されているので、本物の神様というわけではないらしいが、それでも亜神と表記されている以上特別な力を使えるんだろう。


 だが、いまのところ人間関係の記載が見当たらないので、もしやこの惑星における人間の祖先なのかもとは思ったが違うようだ。


 今後に期待である。


 次に【神託】について調べてみる。


【神託】

強いマナを持った加護のある生物に対し、メッセージを送れる。


「……え、それだけ? というかメッセージとは?」


 よく見ると、神託の欄にはメモ帳のような機能が搭載されていた。

 つまりこれでスマホのキーボードを操作し、メッセージを送れと?


 なんだそりゃ。

 もしかしてこのゲームにはAIとかが搭載されているのか?

 いや、仮にAIだったとして、それでどうしろというんだ。


 とりあえず物は試しということで、神託に書き込みをしてメッセージを送ってみる。


「そうだな……。とりあえず『もしもし、聞こえていますか』っと。……送信!」


 神託、もといメッセージを龍神宛てに送ると、画面の中の龍神がビクッと震えた。

 辺りを見回し、キョロキョロしている。


「おお、反応があった。しかしやけにリアルな反応だな、面白い。反応が気になるし、もっと遊んでみるか」


 調子に乗った俺は、メッセージで『これからこの世界をよろしく』とか、『いつか人間って生物を作ろうと思ってるんだよね、たぶん竜よりもだいぶ弱いから、勝手に絶滅させないように』とか色々書き込んでみた。


 その度に龍神はうんうんと頷き、クソ真面目な顔をして何事かを周りの龍たちに伝えていく。

 これゲームだし、たぶん言っていることは微塵も伝わっていないだろうが、それでも反応があるのは面白い。


 この機能を考えた制作会社はやり手だな、見てるだけでかなりの満足感。

 神託を伝えられた龍神やその眷属たちの行動もグッドだ、皆して清聴している。


 そんな感じで龍たちの集会はつつがなく終わり、またそれぞれの住処へと戻っていった。

 お祭りは解散ということらしい。


「さて、とりあえずイベントもクリアしたみたいだから、またスキップするか」


 原始の世界をただ見ていても同じことの繰り返しなので、迷わずスキップする。


【スキップを開始します、しばらくお待ちください。──次のイベントまで残り10分】


「10分か、今度は短いな」


 今度は次のイベントまでそれほど時間もないので、風呂には入らずとりあえずカップ麺を作り食事を先に行う。


 お湯を沸かしカップ麺を作りながらもスマホを眺めているが、なかなかどうして、龍神を誕生させて以降様々な生物が次々と誕生していく。


 スキップはかなりの倍速なのでログを追うことでしか状況を把握できないが、とりあえず海の生命が陸上に上がり、次第に哺乳類となり子孫を繁栄させ、猿に近い原始人のような者まで誕生させたことまでは分かった。


 ついに人類の誕生も間近である。

 その上、それ以外にもヤケにデカい海の生物や虫、また高位古代竜たちの遠い子孫である竜や、竜からさらに劣化したと思われるワイバーンのような生物まで色々誕生した。


 いよいよファンタジーしてきたな。

 そしてカップ麺を食べ終えたあたりでちょうどスキップが終了し、念願のメッセージが現れた。


【猿人類がヒト族に分岐進化を果たそうとしています! マナを与えますか?】


「キ、キタァアアアアアア!!」


 ついに人類!

 まる1日かけただけに期待は大きい!


 明日は土日なので急な休日出勤が無い限り、一日中遊べるし、創造意欲がこれ以上ないほどに高まっている。


 意気揚々と【生命進化】の項目を確認すると、そこにはファンタジーで御馴染みの様々な種族が立ち並んでいた。


【ヒト族】

標準的な人間タイプの生命体。

マナの影響は薄く力も無いが、弱さ故に繁殖力と知恵に最も優れている。


【エルフ族】

植物と親和性の高い、人間タイプの生命体。

ヒト族の中では高いマナの影響を受けているが、力は人間タイプの中ではかなり弱い。

繁殖力は低い。


【獣人族】

動物的な特徴を持った、人間タイプの生命体。

ヒト族よりもさらにマナの影響が薄い。

しかし力は人間タイプの中で強く、繁殖力も高い。


【ドワーフ族】

鉱物に親和性の高い、人間タイプの生命体。

人間タイプの中ではマナの影響は標準的で、力も強い。

繁殖力は標準的。


 この他にも様々な種族が一気に創造可能になり、よりどりみどりだ。

 誕生させるのには種族に応じた環境とマナが必要なようだが、幸いこの世界は自然豊かで資源としての【マナ】も残り豊富だ。


 というか、龍神が生まれてからなぜか新たにマナが製造され続け、僅かだが【マナ】の資源が増えている。

 人間種を全て創造しても痛くもかゆくもないぐらいだ。


 最終進化形はどれも強いマナを持っていると表記されているので、恐らくだが、世界樹や龍神を生んだことでマナの製造が捗っているのだろう。


 これは進化がたぎるな。

 人間側の最終形態にはどんなのがいるのかも気になる。


 俺は今後の惑星創造に期待を膨らませながらも、目につく限りのヒト族を創造していくことにした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ