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異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る~  作者: たまごかけキャンディー
第三の創造~現世動乱編~

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帰還2


 まだ深夜の時間帯に事情を話しに行ったミゼットが速攻で帰って来た。

 レーナインさんも行き成り1ヶ月ほど屋敷を空けるという説明に困惑したかと思ったが、どうやらミゼットにも深い事情があると察して何も言わず見送ってくれたらしい。


 いや、実際は深い事情があるどころか俺の都合に付き合わせているだけなのだが、まあここは言わぬが仏という奴だろう。


 もちろんグレイ少年は少しがっかりしていたみたいだけど、ミゼットが帰ってきたらみっちり鍛えてやると宣言すると、一転してやる気を出したらしい。

 これは将来に期待が持てるな。

 少年のやる気が凄まじい。


 また、レーナインさんからは帰ってきたらすぐにでも聖騎士祭について伝えたい事があると言われているので、たぶん勇者一行の選抜云々に関してミゼットを宛がうつもりなんだろうと推測する。

 今は留守にしている現伯爵もその辺に関わって来るのだろう。


 なにせ聖騎士祭の主催者は現伯爵だ。

 今は王都などで勇者一行の選抜に関係する調整を行っていてもおかしくない。


 そしてあらかたの報告を受けた俺は次元収納にミゼットと紅葉を収納し、自宅へと帰還した。

 相変わらず俺の部屋は狭いが、まあここで取り出しても問題はないだろう。


 さっそく現実世界でミゼットと紅葉をアプリから取り出す。


「……ここは!? あら、おじさんになったケンジが居るわ! その姿もけっこうステキじゃない、渋いわよ。……という事は、ここが例の異世界ね! ふふん、なんだかワクワクしてきたわね」

「おう、ここが俺の故郷だ。まあ色々と勝手が違うと思うから、何か分からない事があったら俺に知らせてくれ」


 日本に召喚されたミゼットは一瞬驚くが、さっそく元の器のデカさを発揮して受け入れた。

 というかさっそく「これは何かしら? ツルツルね」とか言いながらテレビの画面をペタペタ触っている。


 リモコンを使って驚かせてやろう。


「…………!? いきなりツルツルに人間が映ったわ! さては神殿にいたノーネームの仲間ね? 私の目は誤魔化せないわよ!」

「いや、全然違うぞ。というか抜剣はよせ、ここで敵襲はないから」

「あら?」


 行き成り電源が付いた事で驚き抜剣しかけるが、寸前のところで創造神の神殿にいたパソコン画面のノーネームの亜種だと理解──尚、その理解は正しくない──する。

 ただ天使ノーネームがアニメのキャラクターのような映像だったのに対し、テレビ画面に映る人間は実写なのでかなり戸惑っているようだ。


 いや、ビックリさせるつもりではあったけど、さすがにここまで挙動不審になるとは思っていなかった。

 こりゃ先に色々と説明が必要かな。


「うむ。まだこの現代の日ノ本に不慣れなお主に、この儂自らが知識を授けてやろうではないか」

「宜しくお願いするわ!」


 と、偉そうに紅葉が語るが、こいつはまだテレビのつけ方と電子レンジのスイッチしか使い方を知らない。

 たぶん授業は5分で卒業するだろう。


 とはいえ和気あいあいと楽し気にコミュニケーションを取っているところに水を差す気はないので、放っておく。

 自分でも答えられない事があれば、きっと俺に頼って来ることだろう。


 尚、こちらの世界では午前0時を回るか回らないかといった具合の時間帯だったので、せっかくだから風呂を沸かしつつ食料品を買い足しに行く事にした。

 近所のコンビニで夕飯でも補充してくるとしよう。


 次元収納内部は時間が進まないので、いくら買い込んでも腐る事はない。

 必死にテレビと電子レンジの使い方を学んでいるミゼットに食料品を買って来る事を告げ、外出する。


「うーん。それにしても、しばらく見ないうちにだいぶ妖怪の気配が濃くなったなぁ」


 一般人には見えない浮幽霊や悪霊、ちょっとした妖怪が以前よりもハッキリと感知できる。

 以前より多く感知できるのは魔力知覚のスキルを得たからかもしれないが、それにしても異常な数だ。


 ほとんどは悪さをしないでただ彷徨っている自我のないものばかりだが、たまに意図的に人に憑りつき害を成そうとしている者もいる。

 まあそういうのは見つけ次第、極力軽めの『光弾』と『魔力強奪』で瞬殺しているけどね。


 最近はレベルが上がった影響か、光弾の調整もかなり精密にできるようになってきた。

 もうスキルを使用しても、一瞬チカっと火花が散ったようにしか見えないレベルである。


 これなら騒ぎになる事もないだろう。

 光はライターの火よりも小さいからな。


 そうしてコンビニまでの道のりを多少遠回りしながら、裏路地にいる妖怪なんかを掃除しつつも彷徨っていると、前方から会社員の男性が血相を変えて走って来るのが見えた。

 一体どうしたのだろうか。


「お、おいアンタも早く逃げろ! 拳銃を持ったヤバイ奴がこの先で暴れまわっているぞ!」

「ふむ……」

「聞いているのか!? と、とにかく俺はもう行くからな! 死んでも恨むなよ!」


 ちょっと酒臭い会社員の男性はそのまま走り去っていき、時々足を絡ませて転びながらも逃げて行った。

 明らかに酔っているような雰囲気だったし、幻覚でも見たんじゃなかろうか。

 さすがにこの日本で、いきなり拳銃を持って暴れるやつなんざそうそう居ないだろう。


 とはいえそれが真実であった場合、かなり大変な事になる。

 9割方あの男性の勘違いだろうと思いつつも、俺ならば多少の銃弾は脅威にならないだろうと思いこの先を行くことにした。


 まあ現代人とは明らかなレベル差があるからな、鉛玉が当たってもBB弾が当たった程度の痛みしか感じないだろう。

 そもそも回復魔法があるから死なないし、ワイバーンの牙やアーガスの魔法に比べたらなんてことはない。

 相変わらずアプリの力はチートだ。


 そしてしばらく警戒しながらも、都内特有のゴミが散らかった裏路地を進んでいると、怪しげな男の姿が見えて来た。

 手には宗教的な装飾が施されている拳銃を持ち、銃口からは煙を放ちながら煙草を吸っている。


 おいおいマジかよ、本当に居たよ。



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