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異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る~  作者: たまごかけキャンディー
第三の創造~現世動乱編~

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世界の脅威1


 ミゼットがグレイ少年と庭で稽古、もとい先輩聖騎士からの教育を施している中、俺達はガルハート家の屋敷で夕飯をごちそうになっていた。


 紅葉のやつは相変わらずおにぎりを求めて俺に強請るので料理には手つかずだが、せっかく貴族の料理が食べられるという事で、今日はコンビニのシャケおにぎり一個だけにして後から食べてみるつもりらしい。


 どうしてそこまでコンビニのおにぎりに拘るのかは未だ謎だが、きっと日本出身の妖怪の血が騒ぐとか、そんなところだろう。

 まあこれはこいつの個性なので受け入れていく事にする。


 また、出て来た料理はこの領で飼われている家畜か、もしくは魔物の肉で出来たソーセージっぽい何かをメインにした物である。

 ただそのソーセージ一本がとても巨大なので、たぶんこの世界特有の獰猛な魔物の肉なんだろうなと予想。


 以前この屋敷で暮らしていた時にはこういう料理は見かけなかったので、たぶん伝説の先祖であるミゼットが来訪するという事で、急遽屋敷の料理人に作らせた料理なのだろう。

 歓迎ムードというやつだ。


 ただし一緒に食事をしているのは元伯爵であるレーナインさんだけで、現伯爵の姿やその奥方の姿は見えない。

 まだ執務中なのか、それとも今は他の領へ行っているのかはしらないが、ちょっと気になるな。


「それで、ケンジ殿とモミジ嬢と言いましたかな。ご先祖様の選んだ付き添いとなると、それは凄腕の冒険者なのだと存じますが、……恥ずかしながらあなた方のお名前をお聞きした事はありません。差し支えなければ、自己紹介をして頂けませんか?」


 相変わらず腰の低い対応だと思いつつも、そういえばまだ大した自己紹介はしていなかったなと思い思考を巡らす。

 俺がここで創造神プレイヤーだとぶっちゃける事は簡単だが、まだ信用を置ける程付き合いのない彼に本当の事を伝えるのは躊躇われる。


 なぜならこの時代でも教会の権力が強い事は冒険者ギルドで確認できたし、あれ程その場にいる職業が偏っているのであれば、以前と同じように神官系の職業は独占され貴重な存在として扱われている事だろう。


 であるならば、その教会を万が一刺激しかねない神関連の話題はなるべく避けるべきだ。

 神の使徒であるミゼットの名前を出すだけでも、ギリギリといったところだろう。


 まあこっちは百年前の聖騎士証と賢者アーガスの証言があるので根拠を持っているが、俺が神だのなんだのというのには根拠がないからな。

 下手な事は言わない方がいい。


 そこまで考えた俺はとあるストーリーを頭の中で作り出し、語る。


「俺とこっちの紅葉はミゼット・ガルハートと旅の道中で共に修行をした、彼女の弟子とか旅の道連れみたいなものですよ。田舎の大陸で少し腕の立つ冒険者として旅をしていたところ、隣大陸で彼女と知り合い訪れた次第です。なのでこちらの大陸だとまだ無名で世間知らずなので、何分ご容赦を」

「ふむ、そうでしたか……」


 俺の言葉にレーナインさんは頷き、納得したように溜息を吐く。


 正直な話、弟子であるのはミゼットの方なのだが、この地で信仰されている彼女よりも自分が上だなんて言っても反感を買うだけだろう。

 ここは多少強引にでも嘘をついておいた方がいいと判断した。


 それに旅の道中で共に修行をしたのは本当だしね。


「それから、世間知らずついでにこちらからもお聞きしたい事があるのですが大丈夫ですか?」

「ええ、どうぞ。今日は御客人であるあなた方が主役なのです、答えられる事ならば答えましょう」


 俺が聞きたい事は大まかに二つ。


 一つは聖騎士祭の事。

 これはどちらかというとこの世界で起きている脅威の判定がメインで、勇者一行の選別などにこの聖騎士祭が関わっているのはどういう事なのかを知る必要があるため、質問したい事である。


 ただしこれは今すぐに必要な情報でもないため、今この場で無理に聞く必要はない。

 よって、この場では世間話程度で無理のない範囲で知っておけばいいだろう。


 二つ目だが、これはこの地に赴いた目的でもあるガルハート家のその後の事だ。

 ある意味最も重要な質問と言ってもいい。


 元々ミゼットをこの百年後の時代に連れてきてしまった後ろめたさもあるので、あの後にガルハート家が幸せに過ごせていたかどうかの確認は最優先事項であり、ここでしか聞けない事だった。


 だがこれは肝心のミゼットがこの場に居ないと成立しない質問でもあるので、彼女に聞かせるためにもまずは一つ目の質問を繰り出すことにする。


「いくつか質問はありますが、まずこの国で行われている聖騎士祭とはなんなのでしょうか? いえ、大まかには知っているのですが、なぜ今回は勇者一行の選定などという条件が加えられているのか気になりまして……」

「ふむ、この国に来たばかりの貴殿であれば、その疑問は尤もでしょうな。いいでしょう、その件については私の口から説明させていただきます」


 そう一呼吸置いてから彼は真剣な目をして「あなた方を信用して語りますが」という前置きの下、この祭りの真相を語り出した。


 世間話ではなくここまで真剣な話なら、こちらもミゼットが居る時に話した方が良かったかもと思ったが、まあこの件は別に俺の口から又聞きしてもさしたる問題がないため、後で伝えておくことにしよう。




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