表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る~  作者: たまごかけキャンディー
第三の創造~現世動乱編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/230

ガルハート領へ2


 現在ミゼットと紅葉を連れてリプレイモードへと招待し、戦闘訓練もとい、腕試しを行っている。

 あれから色々と神殿内部の案内をしたのだが、ミゼットはどれも物珍しそうにしながらも大抵は流していた。


 パソコン画面に映る天使ノーネームを見た時も「そういう魔法具なのね」と受け入れていたので、恐らく彼女の中では現象や事象の概念などは二の次三の次で、自分にどういうメリットがあるかの方が大事なのだろう。


 そんな中、唯一興味を示したのがリプレイモードである。

 未来にしかいけないタイムマシンや、自分には操作の出来ないクリエーションモードなんかには目もくれなかったというのに、強敵と戦えると謳われているこの施設だけには異様な興味を示した。


 ちなみにこれは主にレベル上げが目的の施設なのだが、ミゼットはどちらかというと強敵そのものと戦う事に意義を見出していそうである。

 なんというかこう、「自分より強いやつに会いに行く」といった感性だろうか。


 俺には良く分からないけどね。


「ぷはぁ~! なんなのよあの剣術! まさか共闘していた剣聖や賢者がここまで強かったとは思わなかったわ!」

「きゅう……」


 ミゼットの戦績は剣聖と賢者の両方と戦い、現在0勝2敗。

 やはりいくら複合職を俺より鍛え上げているとはいえ、それ一本では上位職を極め続けた彼らに正面から勝利することは出来なかったようだ。


 まあこれは仕方がない。

 年齢もさることながら、職業補正的に絶対の壁があるからな。

 もし今の状態で彼らに対抗するならば、やはりそれ相応のアイテムか仲間が必要だろう。


 そして次に、変な鳴き声と共に俺の膝の上でのびている紅葉だが、こいつは先ほどからこの鍛錬に付き合わされて絶賛消耗中だ。


 いくら三尾になったとはいえ、さすがに上位職との戦いについていけるはずがないのだが、「何事も経験よ、努力して鍛錬すればおにぎりはもっと美味しくなるわ」という、ミゼットの戯言ざれごとに騙され訓練に参加した結果こうなった。

 憐れである。


 紅葉はすぐに人を信用してしまう癖というか、善性があるので、町に出歩くときは悪い人に騙されないように言い含めておく必要があるかもしれない。

 日本とかだと周りには自分を虐げる人間ばかりだったので警戒していたが、どうにもこっちの異世界人相手だと、色々と気が緩むようだ。


「ほら、そろそろ休憩するぞ~」


 次元収納から夕食を取り出し、リプレイモードでの訓練を終えて疲れている二人に差し入れをする。

 するとミゼットはまだまだ元気といった様子で夕食にかじりつき、紅葉は目をぐるぐる回しながら精神的な疲れを癒そうとおにぎりをなんとか口に含む。


 ミゼットはともかく、こりゃ紅葉はそろそろ寝かさないとダメだな。

 おにぎりを見てさえこれとは、完全にダウンしているようだ。


「だらしがないわね~。そんなんじゃ一流の戦士にはなれないわよ?」

「いや、紅葉は別に一流の戦士を目指してないぞ」

「あら、そうなの?」


 まるで今気づきましたと言わんばかりの対応だが、そういえばどういう経緯でこの妖怪が俺にくっついてきているのか話していなかったな。

 おや、もしかしたらこの一連の流れは俺の責任かもしれない可能性が出て来たぞ。


 …………。

 …………。

 …………うん、後でしっかり話しておこう。


「お、おにぎりが美味しいのじゃぁ……。心に沁みるのじゃぁ……」

「そうでしょ? 運動の後のご飯は格別なのよ」

「うむ」

「だからまた後で修行しましょうね!」

「う、うむ?」


 おいおいおい止めてあげろよぉ……。

 無尽蔵の体力を誇るミゼットとは別の生き物だからこいつ。

 自分より強い奴に会いに行くどころか、自分より強い奴から逃げていくタイプの生命体だから。


 紅葉もミゼットの発言を心で拒否してしまっているのか、どういう意味なのか頭が理解していないようだ。

 もう一度言うが、やはり憐れだ……。


 確かに旅を続ける以上少しは鍛えておいて損はないが、過剰にやる必要はないだろう。

 本人が戦いを望めば別だけども。


 だがどう説得したものか……。


「わ、儂はちょっと、そろそろゴロゴロしたり、ダラダラしたいような……?」

「そうなの?」

「うむ」

「そっか。なら仕方ないわね」

「うむ、仕方ないのじゃ」


 それで納得するんかい!

 もしこれで納得しなかった時のために助け船を出そうと身構えていたのに、めちゃくちゃすんなり受け入れてしまった。


 いや別に、これはこれでいいんだけどね。

 ミゼットだって相手に嫌がらせをしたくて修行に誘った訳じゃないし、というか元々相手のためを思って発破をかけていただけなので、悪気は全くない。


 紅葉がそろそろ休憩したいというのなら、修行をするのもしないのも本人の自由という事なのだろう。

 きっとまた、気分が乗った時にでもやればいいと思っているに違いない。


 そしてひとしきり休憩を取り、今度は俺と二人で修行を再開したミゼットと賢者アーガス戦を繰り広げた後、チャプターを移行してからいつの間にか神殿に備え付けられていたシャワー部屋や寝室を利用して、その日は就寝となった。


 なんというかこう、シャワーに関してはこの水どこに流れて行ってるんだと思わずにいられないのだが、元々この変な空間が変なのは今に始まった事ではないので、今更気にしない事にした。


 余談だが、剣聖や賢者アーガスには一応勝てた。

 二対一というのは大きいが、それでも昔の事を考えるとすごい成長だ。

 やはりそのくらいの差を埋め切れるくらいには、複合職を二つ手に入れた事で強くなっていたらしい。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ