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異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る~  作者: たまごかけキャンディー
第三の創造~現世動乱編~

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百年後の世界へ1


 ────翌日。


 ファミレスで双葉とのトラブルはあったものの無事にその日をやり過ごす事ができた。

 幸いあの爆発の後に人が寄り付く事は無かったので追及される事は無かったが、もし誰かに見られていたら色々と問題のある場面だったな。


 地元のニュース番組なんかでもこの事件は取り上げられていて、謎の爆発テロとかなんとか、そんな感じの捉え方で収拾がついたようだ。

 現在犯人を捜索中らしいが、たぶん一生見つかる事はないだろう。


 あの狐火は妖力による力なので、監視カメラとかには映らないし何が起こったか分からないだろうからね。


 そしてもちろん、ハンバーグを台無しにしてしまった事で落ち込んだ紅葉の機嫌を直すため、あの後もう一度別のファミレスへ向かい食事を堪能している。


 その時のこいつの喜びようはとても言葉で表現できるものではなかったが、でも最後には「やっぱりおのこがくれたおにぎりには敵わんかもな~」とか言っていたので、どうやらおにぎり一筋である事は変わらないようだった。


 そんな感じで、今日ももしゃもしゃとツナマヨを朝ごはんにする紅葉を見ている。


 するとふと思い出す事があった。

 言わずもがな、昨日狐妖怪二人の間で繰り広げられていた八葉はちようとかいう妖狐の事だ。


 どうやら今の俺と同じくらいの戦闘力があるらしいし、放っておくにはちょっと気が気でない部分がある。


「で、お前の姉妹ってこれからもまだ襲い掛かってきそうなの?」

「どうじゃろうなぁ~」


 うーむ、と首を傾げて惚けた顔をする末っ子妖怪。

 いや、どうじゃろうなって……。

 それだと俺も困るんだが。


 だがその辺の事は紅葉にもよくわからないらしく、何度質問しても答えを得ることは出来なかった。

 ふむ、これは困ったぞ。


 こちらの場所はあちらにバレているのだろうし、これではおちおち昼寝もできない。

 というか、封印から逃げ出した者の中に八葉、つまりは八尾の妖狐は存在しているのだろうか。


 もしかしたら紅葉にもそれくらいなら分かるかもしれないな。

 聞いてみよう。


「その八葉とかいう奴はもう封印から抜け出しているのか? 気配くらいなら分かるんだろう?」

「む? ……うむ。確かに分かるのじゃけども、八葉姉様の気配は大き過ぎて封印されていてもいなくても、大して感覚が変わらないかもしれん」


 そ、そうか……。

 それなら仕方ないな。

 まあ、という訳で、要するに問題を解決するまではこの世界で警戒し続けなければいけない事が決定した。


 さすがにこのまま命をかけて人妖大決戦に持ち込む気は無いので、そろそろ俺の方でも対策を講じる事にする。

 具体的にはまた異世界へと渡り修行とアイテムクリエーションを堪能するだけだが、それが最も効率よく危機回避できる気がしてならない。


 ちょうどミゼットを取り出すタイミングにも繋がるし、この方針でいこう。

 紅葉だって自己防衛のためにも三尾くらいになっておく必要があるだろうし、修行するに越した事はないな。


 そして朝食を取って満足した紅葉を次元収納し、俺は再び百年後の異世界へと旅立つことになった。

 降り立つ地点は旧王城跡地のような所で、主に10歳時代の俺の銅像と賢者アーガスの銅像が祀られている、そんな場所だ。


 魔王との決戦の後、王城を立て直すために一度場所を移したらしく、この地は人間の神とされる俺が大陸を救うために降臨した場所として、聖地のような扱いになっているらしかった。


 銅像の周りには多くの礼拝者が集まっているが、むしろそのおかげで15歳となった俺が陰からこっそり現れたところで、誰も不審がることは無い。

 問題なく異世界へと降り立つことが出来たようだ。


 この世界の街並みは百年前と比べてだいぶ発展していて、飛行船のような設備も開発された時代なので既に機械類が多少なりとも存在しているようだった。

 具体的には井戸に手押しポンプが取り付けられていたりとか、その程度の差ではあるけどね。


 だが、これはタイムマシンで訪れた百年後に比べて明らかな変化だ。

 前回この時代にタイムマシンで訪れた時は、ここまで文明が発展していることは無かったからな。

 賢者アーガスがこの大国で起きた種族間のいざこざを解決したことで、少しだけ未来が変わったという事なのだろう。


 さっそく裏路地に向かい、二人を取り出す。


「よう、おかえり紅葉、おかえりミゼット」

「んあーい」

「……む! 本当に気づいたら景色が変わってるわね? ここはもう百年後の未来なのかしら?」


 紅葉は相変わらずだが、ミゼットの様子は好奇心が抑えきれないといった様子。

 摩訶不思議な体験をした事で、お転婆時代の魂に火がついてしまったのかもしれない。


 しばらく辺りを見回し、成長した俺や様変わりした景色を確認するミゼット。

 そして何が面白いのか、時折「へぇ~、あんた急にデカくなったわね。その姿もステキよ」とか、「あ、ケンジの銅像がある。何あれ、ちょっと笑えるわね」とか、色んな意味で心を抉る事を言ってくる。


 彼女からすればただ率直な感想を述べているに過ぎないのだろうけど、ちょっと笑えるわねは余計だ。

 俺が頼んで設置した訳じゃないからな、アレ。


「まあ色々変化はあるだろうけど、とりあえず当面は百年後の未来の様子を確認して、同時に修行も並行して行う事に決めた。……ミゼットもついて来るよな?」

「当然よ! 何のためにあなたと一緒に過去の時代を捨てたと思ってるの? ……私はもう一生離れる気は無いから、覚悟してよね」


 分かってはいたが、一応最終確認という事で意思を聞くと、茶目っ気混じりにウインクをしてそう返された。

 よし、ならば方針は決まりだ。


 先ほども述べた通り、まずはこの大国がどうなったのかを確認し、その用事を済ませたタイミングで修行を再開する事にする。

 あのまま日本にいて、九尾の眷属に殺されたらたまったものじゃないしな。




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― 新着の感想 ―
[良い点] え?めっちゃいい女になってるやん…可愛い…
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