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異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る~  作者: たまごかけキャンディー
第二の創造~異世界冒険編~

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プレゼントタイム



 聖騎士の宣誓の後、俺について行く事を決めたミゼットを次元収納して、ようやく百年後の未来へと旅立つ準備が整った。

 最後にアーガスや剣聖、御供の皆さん、そして王様とも挨拶を交わし、彼らと親交を深めた後ついに強制ログアウトの時が迫る。


【お待たせしました。それでは時間転移を実行致します。また、『ストーリーモード・チャプター2』への移行に対し、しばらく世界のメンテナンスに時間がかかります。その間はこの世界へキャラクターを通して訪れる事はできませんので、あらかじめご了承下さい】


 なんだよメンテナンスって、と思わなくもないが、きっと過去が変わった事で未来への軌道修正が必要なのだろう。

 なにせ『創造の破綻』とやらを回避したらしいからな。


 そして一瞬の浮遊感の後、気づくと強制ログアウトにより自宅へと戻って来ていた。


「そうか、帰って来たのか……」


 さっそくアプリを確認すると、ストーリーモードの画面には【ただいまメンテナンス中です】の文字のみ。

 やはりすぐにはプレイできないようだ。


 世界地図の方も使用が禁止されており、他の項目もほとんどが機能停止状態である。

 しかし一つだけ、【ログ】の機能が生きている事を発見した俺は、そのログを追って世界の様子を眺めることにした。


「うわ、アーガスの奴あれから色々やらかしたんだな。世界最高の賢者とかアプリに認定されているぞ」


 【ログ】には賢者アーガスが人間種で初めて瘴気のエラー修正に成功したことや、それを称えて人間種の間では知る人ぞ知る存在になった事が大まかに記載されていた。


 やっぱりすごいな。

 どう考えても、あの賢者はタダ者では無いわ。

 職業補正とか色々抜きにして、人間としての格が圧倒的だ。


 それに、どうやらあいつはあの後、幼馴染と共に幸せな人生を送れたらしい事も分かった。

 これが物語だとするならば、いわゆるハッピーエンドという奴である。

 良かったなアーガス。


 そして【ログ】をどんどん読み進めていき、最後の方まで辿り着く頃に一つのメッセージが画面に現れた。


【チャプター1を終了した優秀な創造神プレイヤーである貴方に、アプリから一つだけプレゼントがあります。プレゼントはいくつか候補がありますが、今回はどれか一つしか選べないので慎重にお選び下さい】


 何々、プレゼントだと?

 メンテナンスが長引く事による詫びみたいな匂いがぷんぷんするぞ。

 まあ、貰えるものならなんでも貰っておくけどな。


 で、具体的にプレゼントとはなんだろうか。


 スマホ画面をタップし続きを促す。

 暫く待っていると、いくつかの候補と共に一覧のような表が出て来た。

 この中から選べという事か、なるほど。



【プレゼント一覧】

一、質問をする権利(一度のみ)。

二、キャラクターへの経験値ボーナス(基本職レベル50ポイント分)。

三、クリエーションモードに依存しない究極武器(不壊属性)。



「うわ、これはまた悩む所を突いて来るなぁ」


 これは選ぶのは難しい。

 プレゼントの二、三、については言わずもがなといったところだが、一、も捨てがたい。


 ぶっちゃけ何でも質問できる権利に関しては、本当に何でも質問できるならどうしても聞きたい事が一つだけあるしな。


 その後、俺は一時間ほど悩みに悩んだ挙句、結局「プレゼント一」を選ぶ事にした。

 たぶんチャプター2、3、とクリアしていくと他の物を選べるんだろうし、こういうのは順番に取っていくのがセオリーなのだろうという、ゲームプレイヤー視点の謎感覚からくるものだ。


 もし万が一これがプレイヤーを陥れるようなゲームだった場合、アプリの特異性から考えて既に取り返しのつかないことになっていても不思議じゃない。

 しかしこのアプリは色々と不親切なところがあるものの、決して俺を嵌めるような事は無かった。


 故に、まず最初にどれを選んでも取り返しがつかないようになる事はないだろうという、そういう判断である。


 そもそもこれはプレゼントだ。

 本来はあっても無くても支障がないからこそのボーナスなのだから、結局のところ邪推はせずに、自分が一番気になったものを選ぶのが最も賢い判断な気がした。


 迷いなく「プレゼント一」をタップする。


【プレゼントの回答を承りました。それではこちらのコメント欄に、一つだけ質問を記載してください。二つ三つと質問が重なっているような内容に対しては、どれか一つがランダムで回答されますのでご注意ください】


「ほいほい。えーと、質問はこうだな……」


 コメント欄にはこう記入した。


【質問:このアプリに選ばれた理由が知りたい】


 ただこの一文のみである。

 俺がもっとも気になっていたのはこれだ。


 そもそもからして、このアプリが他者の手に渡っていたという事は考えにくい。

 もしこんなアプリが他にうじゃうじゃと配布されていたら、世界のパワーバランスを壊す創造神プレイヤーで溢れめちゃくちゃになっていただろう。


 陰陽師や超能力者とか、そんな次元ではない。

 たった半月ほど遊び倒した俺ですらこの成長速度なのだ、もっとレベル上げやゲームが上手いやつらがやれば、それこそ無限に強者が生まれていたに違いないからな。


 だが現実ではそうなっていない。

 これは要するに、このアプリを持つものはごくごく少数か、もしくは俺だけしかいないという事だ。


 するとしばらくして、向こうから連絡が返って来た。


【質問にお答えします。貴方様がこのアプリに選ばれた理由について、以下の理由が挙げられます】


 ふむ、どれどれ。


【具体的な理由としては、地球上の全人類を相手に創造神として様々なシミュレートを重ねた結果、貴方の適正値が最も高かった事。この適正値とは人間としての能力の高さではなく、創造神としての立場に立った時、どれだけ良い結果を導き出せる確率が高いか、という結果論でしかありません】


 いつの間に全人類を相手にシミュレートしたんだ、とは聞かない。

 このアプリの開発者のやることだ、ツッコミを入れるだけ無駄だろう。


 それにしても結果論か。

 まあ、そんな事だろうとは思っていたけどな。

 まず俺は優秀な人間ではない、ただのおっさんだ。


 それがここまでの成果を上げている時点で、たまたま創造神として適性、つまりは噛み合いが良かったという事なのだろう。


【貴方の持ち味は可能性。シミュレートした結果、今の貴方の心は不安定であり、不確定な部分があります。ある程度、他者に流されやすいのもそのせいでしょう】


 余計なお世話ではあるが、言っていることは尤もだ。

 優柔不断なのは認めるし、長いものにも巻かれる事が多いからな。

 だが、それはデメリットなのではなかろうか。

 わざわざ理由にあげる意味が分からない。


【しかし不確定とは何も悪い事ばかりではなく、こちらとしてはその事を実に高く評価しています。本来であればチャプター1をクリアできる人類は0.002%しか存在していなかったにも拘わらず、貴方は見事、犠牲という犠牲を出す事なく状況を切り抜けました。これは決して能力の高さや幸運だけで達成できることではありません。それこそが世界の求めていた、創造神プレイヤーとしての可能性なのです】


 そう語ったアプリは【これにて回答を終了します】の文言を最後に、ぷつりと反応しなくなった。


 ……なるほどね。

 ようするに、お前は選ばれたんだから好きにやれよってことか、納得した。


 理由なんてあってもなくても関係なかったな。

 いやぁ、疑問が解決し、心が晴れやかになった気分だ。


 うし、聞いてよかった!






ありがたい事に、この度【書籍化】が決まりました。

読者の皆さまの応援のおかげです、誠にありがとうございます。


そして、お約束していた2か月の更新を終えました。

異世界創造のすゝめを楽しんで頂けていれば幸いです。


まだまだ物語は続くので、評価や応援等、もし宜しければとても励みになるのでお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] Q.なんで選ばれたん?ʕ•͡દ•ʔ A.そこに可能性があったから...かな?
[一言] 結果…凡夫ですた…。
[一言] なるほどね、だから優柔不断なんだ…納得したからハットグ食ってくるわ! …てなっ!\どっ/
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