商店街散策
アラフィフの朝は早い上に、この世界でテレビやネットなど娯楽が無いから、そもそも早寝になる。必然的に朝は早くなるのだろう1の鐘の前に起きてしまった。
「んー。」っと伸びをして起きる。
昨日、干した洗濯物は、まだ生乾きだな。便利魔法で乾かせるといいのだけど、なにせ未だ魔法は使えない。使えない理由は、方法がわからないし試すにしても街の中心地では危険だからだ。とりあえず訓練所に行き魔法のできるクラスの取得かな、買い物もあるし結構忙しい。
「おはようございます。メルさん。」
「早いね。食事はセルフだからね。弁当はこれだよ。」
「ありがとうございます。」
「まったく、珍しく礼儀正しい冒険者だね。見習って欲しいよ。ねぇ、ショウ。」
「な、何だよ。急に俺に降るなよ。俺だって礼儀正しいだろう!ったく。」
急に振られた少年が、私の方を睨みつけプイッと行ってしまう。
「メルさん、やめて下さい。トラブルはゴメンです。」
「いや、悪い悪い、ついね。礼儀正しい子なんで、うちの旦那にも話してたんだよ。昨夜あっただろう?」
「はい、モリスさん?ですよね?」
「旦那と感心してたのさ、まぁ、荒くれ者も多いから、領主様のお陰でトラブルは少ないけど、困ったことがあれば声かけてくれ、ここに居る間は、私らの子供と思ってるからね。」
「心遣いありがとうございます。早速なんですが、生活用品の店は、どの辺りにあります?色々買い足したいので午前中回るつもりなんです。」
「おー、そうかね。街の中心に大きな建物があるだろう、まぁ、ここも中心に近いけど、その東側が商業区域になってるから一通りの物がそろえられるから。ちなみに、ギルドから西側が訓練所があるからね。そちらも回るんだろう?気をつけて行ってきな。早い店は2つの鐘前に開いてるよ。ショウに案内を頼もうと思ったけど、ムクれちゃったからねぇ。」
「ゆっくり見て回りたいので一人でいきますよ。」
「そうかい、気をつけて行ってきな。」
「行ってきます!」
弁当の小さなバスケットを受け取り、食事を取りにカウンターへ向かう。パンの大皿と、肉野菜の煮物、スープ、野菜サラダから好きな量を取り分けで良いらしい。米飯に納豆、卵かけ御飯が恋しい、部屋にキッチン無いから作れないけど店を回れば見つかるかもしれないので期待だ!
それにしても誰かに「行ってきます。」と言うのも久しぶりだ、かなり新鮮!。
冒険者ギルドから東へ向かい、商業地区と思われる場所に到着、道沿いに商店が並び目移りする。
2の鐘前なのに、異世界の朝は早いらしく開店してる店も多く、露店や朝市も始まっている。屋台では、朝食用だろうかタロウイモの粥とスープを販売してる。美味そうな匂い、朝食は寮で食べて昼は屋台も有だよな、隣は串焼きか、朝から串焼きは無理だな、でも需要があるんだろう。物色しつつ目当ての店を探す。
中心から歩くこと数分、それらしき店舗発見、看板に「雑貨屋マシュー」と書かれてる。まんまで分かりやすくてありがたい。早速中に入ってみる。店舗内は以外と広く、棚にバスケット、食器、ブランケット様のもの、店主のいる場所の背面の棚には、ポーションらしき瓶も並んでる。なるほど、専門店に寄るほどではないが、足りない品物を購入できる感じ?開いてて良かった的な?
「いらっしゃい!、何か探しものかい?」
「水筒と、体を拭く布を探してます。ちょっと金銭的に厳しいので・・・」
「おう、嬢ちゃん、駆け出しだろう? 水筒ならこの、皮袋が安価で使いやすい1日分位入り銀貨1枚、樽だと中銀貨3枚だから皮袋を勧めるぜ、体を拭く布はタオルのことだろう?これはサービスして1枚銀貨3枚だね。」
タオル銀貨5枚のところサービスしてくれるらしい、何枚か欲しかったからありがたい。
「じゃ、皮袋2つと、タオル3枚ください。」
商品を受け取り中銀貨2枚わたし、お釣りをもらう。
「水は、裏に井戸があるから入れていきな。水袋の使い方は、わかるか?ライネ水が必要なら、皮袋1袋分で銀貨1枚だ。この樽の量なら中銀貨1枚だ」
「お兄さん何から何まで、ありがとうございます。使い方は大丈夫です。ライネ水は贅沢なんで井戸に行きますね。」
「ん、マシューだ。」やっぱり、マシューの雑貨店なだけ店主名だったらしい。
「ハルスティーヌです。」
挨拶もそこそこに井戸に向かい、皮袋に水を入れる。だいたい2リットルくらいかな?アイテムボックスに入れておけば大丈夫だろう。
もう少し散策したいところだけど、残金が心もとないので常時依頼の採取クエストに向かう。