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異世界を歩こう  作者: Haruneko
7/8

採取してみよう

 疲れて早寝したので目覚めも早い、時計がないから分からないけど一つの鐘前であろう、身支度を整えて1階の食堂へ向かうと丁度1つの鐘が鳴った。

 「おはようございます。」

 挨拶しながら食堂に入ると、これから勤務か夜勤明けの警備兵が食事をしている。

「キトリさん早いですね。」声かけつつキトリのテーブルへ向かう。

「ハルさんこそ、昨夜は良く眠れましたか?」

「疲れてたからか、即寝ましたよ。体の方ももう痛みも無くて昨日より楽なんでですよ。」

 これは本当だ、10歳と若返り?いや幼くなったのか回復力も早い、異世界効果なのかもしれないけど驚きの一つだ。キトリと同じというか、朝なのでメニューは皆一緒らしい、タロウイモを使った硬めの粥風のと野菜の煮物にライネ水だ。夜勤明けの人もいるので胃に優しいメニューになってるらしい、物足りない人用に肉付なのかな?

「じゃ、今日はこれから、城壁内で採取作業です。城壁内では魔物や魔獣が出ない筈なので菅、害獣と言ってイノシシなどが出たら追い払うか討伐なんで、その装備で大丈夫ですか?」

「ええ、バックの中に劍と盾が入ってたので、それを装備すればと何故入ってたかは、すいません分からないのです。」

「まだ記憶が戻らないのですね。一応、害獣には対応します。万が一のため装備して戦う心づもりでいてください。城壁内では、そう起こらないのですが念のためです。」

 異世界なのかな?、どうも人間の命は軽い訳では無いが、治安や魔物、魔獣、害獣と危険が多く常に危険に晒されてる状態の様だ。10歳の幼女であれ何かあれば自己責任なのか厳しいな。

「では、行きましょうか?」

「はい!」声だけは元気よく答えて出発だ!


「これがヒーリング草、そのまんまのヒーリングポーション作成に必要な素材なんです。」

「ふむ、薄紅色の可愛い花。採取するのが悪いみたい。」

 砦から歩くこと1時間、畑が続きその先に草原が見え、ここがヒーリング草の採取ポイントらしい。早速見つけたヒーリング草の採取方法をレクチャー。根も素材なので根を傷めつけない様に採取するのがポイント、10本で1セットなので黙々と採取を続ける。

「あ、これブルスター、ラッキーですよ!ヒーリング草より珍しいから高く売れます。マナポーションの素材なんですよ。これもついでに採取しましょう。方法は同じだから根まで上手に採取してください。」

「は〜い!キトリさん詳しいですね。さすがです!」

 本当、年はそう変わらないだろうに、すごいなと感心してしまう。

「父の仕事の手伝いで、子供の頃から採取をしてましたから自然にですね。冒険者に登録したての子達は、ギルドの図書館で調べて行きます。私も初見のは調べてきますし・・・」

 なるほど、何事も事前準備ね。生存率も上がるのだから心しておこう。

 

グゥ〜キュルルル


 腹の音だ。確かに3の鐘が遠くで聞こえてだいぶ経つ、昼食も忘れノリノリで採取してたらしい。

「そろそろ、お昼にしましょうか?お弁当を作って貰いましたから。」

 バスケットに入った丸パンに肉を挟んだ物を黙々と食べる。

この街の食事は、思ったより美味しいけど若干薄味なのが物足りない感じ、梅干しおにぎりが食べたいのう。今の所、米も梅らしき実も見かけてないので食べられると思えないけど、薄味が改善されるだけでも嬉しいな。

「ご馳走さまでした、ライネ水も助かりました。」

「天気が良いのは助かったけど、水分補給を忘れると倒れるから、水筒を1つ渡しておきますね。最初に渡すべきでした。失敗、失敗。」

「十分良くしてもらってるので、そんな恐縮しないで下さい。どこの人間かもしれないのに、とても親切にしてもらえて、宿泊施設の紹介まで普通では考えられません。」

 キトリと居られるのも今日までの様なので、昨日から疑問に思ってた事を聞いてみた。どうみても、行き倒れの人間にここまで親切にするのか疑問なのだ。

「ああ、そう思いますか、確かに治療が無料だったり疑問ですよね?ここスマルトの街は、辺境の地にあり有事の際は自力で対処しないとならないんです。だから、女子供、引退した老人でも場合によっては前線で戦う場合があるので、街に居着いてもらえる住人は貴重なんです。もし、スマルトを気に入り定住して貰えたら、冒険者であれ商人であれ大歓迎なんです。特に成人前の15歳未満のうちの取り込みに力を入れてるんですよ。」

「なるほど、スマルト付近で行き倒れて幸運だったんですね。」

「ん、ハルさんは、たまたま行きあったギルドマスターに助けられたからね。もし違ってたらとも・・・」

 ええええええ、ギリギリだったのか!この国は、奴隷制は無いみたいだけど、非力な幼女の行く末なんていいわけない。いつの世もというか、異世界でも善人ばかりじゃないということで・・・・

「あ、冒険者ギルドで子供が登録してたのに、絡まれなかったのも、そういった事情からなのかな?」

「だよ、領主の未成年の優遇処置は城主の政策だから、違反すれば処罰されるね。まぁ、成人したらリベンジされたりするかもだから、トラブル回避は大切かも。」

「まじか、成人は15歳でしょ?あと5年のうちに力をつけられるか不安だ。」

 考えてみれば、5年以内に日本に帰れないのだろうか、ここが地球ならばだけど、どうみても異世界だよなぁ。認められないから地球と思いたいけど、ステータスが存在する自体、異世界なんだろうなぁ。

「ハルさん、落ち着いてるから大丈夫ですよ!今朝も冒険用に装備も整えてましたし合格です!もし心配なら、パーティーでクエストをこなす手もあるから。あと、この採取でもレベルが低いうちは経験値が入るから、しばらくは採取で生活と経験値稼ぎがいいかも。」

「採取だけで経験値はいるの?てか、経験値?」

 まじにゲームみたい、でも何かあれば命に関わりるのだろう、地道に安全第1で頑張るしか無いかな。知り合ったキトリと離れるのも寂しいな、ポニーテールの可愛い子なのだ。50年近く生きてて、この可愛い癒しがもう手放したく無いのだ!なんとか、明日以降も行動を共に出来ないかな。

「キトリさんに、パーティー依頼してもいいのかな?」

「・・・父の手伝いがあるので厳しいかもです。」

 妙な間が、あったな事情が何かあるのか、めちゃ残念。

「時間合えば、ギルドに連絡入れておきますね。私が11歳でハルさんと1つ違いだから、実は一緒に行きたいところなんです!」

「なにぃ!1つ違い、キトリさん私よりかなり背が高いですよね?もっと年上かと・・・」

 いや、身長だけじゃ無い胸的な何かもかなり違う。負けてる・・

どうせ若返るなら前と違う体型になっても良く無い?子供の頃の、私の体型のままで身長も140cmくらいツルペタのガリガリでズボン履いて短髪なら男の子にしか見えない。色々残念すぎる。

「うん、ハルさん10歳に見えなくて、歳を聞いたときは驚いたし、人族じゃなくてノームかドワーフかなって疑ったんですよ。ん〜、これ位にして、採取の続き行きますか!4つの鐘が鳴ったら帰りましょう。」

「了解です!」

 

 冒険者ギルド内である。

この間より遅い時間なせいか受付と買取も混雑してる。

「こんにちはニアバルさん、採取完了しました。」

「おう、早速頑張ってるな。買取はわかるよな。」

「ええ、奥に行きます。」


 奥の買取カウンターへ移動する。

「常時クエストの採取の買取お願いします。」

「はい、ギルドタグ出してね。ハルスティーヌさんね。俺はクルトだよろしくな!採取した物はカウンターに出してくれ。随分頑張ったな。」

 ギルドカードを提出し物を出してっと、二人分なのでかなりの量だ。キトリは砦からの依頼で、採取した物は私へ渡す契約になってたらしい過保護すぎないかと思ったけど、政策なのだと思うことにして甘えることにした。

「はい、ギルドカード返すね。報酬がこちら中銀貨8枚だった。貰いすぎと思うでしょう?丁度、ヒーリング草とブルースターの大量発注が入ったから普段より高めの買取なんだよ。」

「助かります!!」

「ハルさん良かったね。今日の宿へ行きますか。」

 中銀貨8枚、多分日本円で8000円位なのかな、宿泊費1週間分に足りないけど助かった。

明日以降もこのクエストで稼げるかも。


「「こんばんは。」」

「おや、早速来たね。今日からかい?」

「今日から、よろしくお願いします。とりあえず2泊分支払います。」

「前払いで2泊中銀貨3枚だね。晩飯は食べるかい?」

「お願いします。」

「じゃ、これが釣りだよ。部屋は2階だ案内するよ。」

「キトリさん、ありがとうございました。レスターさんにもよろしく伝えてください。」

「私も同世代の子と話せて楽しかった。パーティー組めるようになれば一緒に行きたいから声かけて!」


 キトリと別れメルの案内で部屋へ。

「ここが女子風呂、その向かい側が食堂の入り口。」

 階段を上がり

「ここが、あんたの部屋だ。鍵がこれだ。大丈夫かい?」

「ええ、場所はわかりました。あしたの昼に食べる弁当を頼みたいのですけど・・・」

「銀貨5枚だね。あとで食堂で支払いな。」

「わかりました。メルさん、これから長くお世話になるので、ハルと呼び捨ててお願いします。」

「ハルだね。わかったよ。」


「ハァ〜、やっと一息つけた。」

 部屋は、10畳程の広さで勿論土禁じゃない、ベットにクローゼット、テーブルと椅子各1に、洗面所の様なものが奥にありその先がトイレか、一応バストイレ別な作りなのか?

 まず風呂だ!荷物は、アイテムボックスに入れてしまえば心配なしだし、風呂へレッツラゴー!

変なテンションで風呂へ向かう。幸い誰も居ない様で、脱衣室には誰も居ないし、風呂場の方も人の気配はしない。

ポイポイと脱いで風呂じゃ風呂とドアを開けた先は、木の桶と石で囲われた浴槽だった。二人入って足を伸ばせる大きさで随分贅沢な作りになっる。これも領主の政策なのだろうか?

 湯を沸かしは、魔物や魔獣の落とす魔石利用なので、公害なしのクリーンエネルギーだ。サクッと体を洗い、風呂に浸かる。採取で汗を書いたから、お湯で汗を流すだけでも気持ちがいい。何日ぶりだろう。

 実は、タオルがないので、下着をタオルがわりだったりして。明日の午前中は、日用品の買い物かな、クラスについては10歳で取得できるらしけど、ステータス見るとレベル制限で取得未と書いてあるんだよね。流石に10歳でレベル1の人が居ないから10歳で取れると言ったのかな、これも要確認だった。クラス選択してないのに、ステータス隠蔽解除で見るとスキルは全属性で初期魔法レベル1ってるのも疑問。確かクラスごとにスキル取得だった様な気がする。まぁーゲームではだ、ここはゲームによく似ている世界だけど、腹も減るし怪我をしたら痛いし熱も出す。その辺りの違いは要検証なのかな、長風呂は危険なので考えを切り上げて食事をして寝よう。

 こうして明日からは、キトリと離れてソロでの冒険が始まるのであった。

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