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プロジェクト開始

もう少ししたら本編スタート!

意識を失ったキクチはどこに行ったのだろうか

「な、なんだ」

 キクチは意識を取り戻した。まぶたを開けようと試みるも、なぜか全く開かないのだ。意識はあるのでキクチは今までの記憶を辿ってみた。藤村ゲーム店に向かい、壁にカードをかざして—―そこからの記憶がない。

 GGKに参加できたということなのだろうか。最後に【全身認識アプリ】を起動するとあったので、とりあえずCRJNを起動する。どんな状況に置かれているのかもわからないくせに、のんきにネット小説でも読もうとしたのだ。 【全身認識アプリ】に何が起こったのかも気になるキクチだが、気分的にネット小説だ。となったためにインターネットを立ち上げる。

 それは悪い思い付きだった。ネットを立ち上げた瞬間、キクチの脳内から警告音が流れ出したのだ。画面が警告表示で埋め尽くされた。

「痛い痛い痛い痛い」

ーCRJNの【強制睡眠モード】を稼働しました


また意識を失った。


やっと起き上がれそうだ。まぶたが軽く上がり、床が藤村ゲーム店と同じで安心した。体を足の方に曲げ、ゆっくりと立ち上がる。だが、そうはいかない。

「お、重い」

妙に左腕が重い。それが何かを見て状況を把握した。ここが藤村ゲーム店でないと。

左腕に妙な時計型の機械がついている。画面がキクチの持っていた大型のスマートフォンの1.5倍はあるだろう。サイズはぴったりで計算されつくされているのではと疑ってしまう。もちろんキクチがつけた覚えはさらさらない。

 それと同時に周りが見えた。壁が開いたが、隣に建物がないのでゆく先は外しかないはず。だがここは体育館くらいの広さはゆうにあり、人が数百と倒れているのだ。これがGGK,【ゲーム現実化計画】の参加者だろうか。

 前も後ろもよくわからないキクチの背中側から声が聞こえた。

「キクチ、どこだ、キクチ」

「タカタ!大丈夫か」

「お前こそ大丈夫かって。お前、CRJNの【強制睡眠モード】が稼働しなかったか」

「タカタもだったんだな」

「あと、左腕についているあの機械、あれはいったいなんだ?」

タカタのものもキクチ同様腕のサイズぴったりにつくられ、ベルトは黒く画面の周りは銀色だった。

「よくわからない。画面はタップしてみた?」

「やってみるか」

おそるおそるタカタは画面に右腕に近づける。触っても何か起きるわけでもなさそうだったので、キクチも画面をタップしてみた。

――ポン!

何もないはずがなかった。時計型機械は妙な高い音を出した。

それから数秒。まだ倒れていたキクチとタカタ以外の数百人が一気に目を覚ました。彼らもなぜここにいるのかわからないようで、ゆっくりと立ち上がるや否や知り合い同士で不安を分かち合い始めた。

「え、何々、怖い」    「ここ、どこ」  「あーーーー」  「どうしたらいい……」

これが【不正解】の企画参加者だとしても、このようなシチュエーションになるとは思うはずがない。まさに青天の霹靂といったところだろうか。

 キクチは誰よりも早く目覚めることが出来たが、不安は募るばかりだった。

「【不正解】はいつになったら出てくるんだ」

「焦るなよ、タカタ。気持ちはわかるけど」

そのとき、この部屋の中心部の天井からきらきらきらと音を立てながら女が下りてきた。天井をぶち抜いてである。黒髪で眼鏡をかけ、いかにもキャリアウーマンを思わせる。

女は降り立ってくると機械的なBGMが流れてすぐ、口を開いた。

「ようこそいらっしゃいました、プロジェクト【ゲーム現実化計画】の参加者の皆さん。私は【不正解】の特別秘書にあたるもの、及び皆さんをお導きする使命を託されたナビゲーター、【アメルバ】と申します。【ゲーム現実化計画】の達成のみを目的とする従順なNPCとお覚え頂けると幸いであります」

従順なNPC。これは【不正解】が作ったプログラムなのだろうか。キクチはその線で考える。だとすれば【不正解】はとっても自意識過剰なのだ、だっせーと思い、少しにキクチはにやけた。【アメルバ】はどうみてもキクチのタイプで、美しさからにやけてしまうというのあった。

「皆さんには【不正解】様がおっしゃっていたように、八月からの一か月間、この未完成なゲームを完成させてもらいたいと考えています。まだ七月にもなっていませんが、伝えなくてはならない事があるので、このような形で皆さんを集めたのです」

【不正解】ではない謎のNPCの発言に周りのうるささはさらに増してきた。疑問が晴れない中、ある男はアメルバに問うた。

「アメルバさんよ、一体何をするっていうんだい。具体的に言わないと伝わらないよ」

「さっき述べた通り、この未完成、いわば型だけのこのゲームに命を吹き込むのです。皆さんがこのゲームを開発し、プレイすることで、それは成し遂げられます」

「この部屋をってことかい、アメルバさん」

「いいえ、これは壮大なゲームの一つのパーツにすぎません。これはビルディングNO.0000、センターオブビギニング。ようはゲームでいう【始まりの村】にあたる次第でしょう。これがただの一パーツだということは、皆さんの手元をみればわかりますよ」

そういうとアメルバは横にしていた右腕を胸の前の置き、カチっと指を鳴らした。

その刹那、片方の腕につけられていた時計型機械は一斉に起動し、CRJNの起動時の画面にも似たシンプルな純白の画像が画面に映し出された。

「これこそがCRJNを最大限に生かせるWATCH CRJN(時計型CRJN)WRJN(ウォリジン)。スマートフォンでは同期はできるがどちらかしか使えない不便な道具だった。それを改善し、同期と同時使用を可能とした進化系。これでこのゲームは随分やりやすくなる。ゲームでいうメニュー画面の役割をするのです」

画面」には六分割されたメニューが表示された。


















































これからもよろしくお願いします。

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