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CRJNの目覚め

CRJNをついに、キクチが使うかも?

 しばらくすると、目の前が強い光に包まれた。太陽を直視しているようで、キクチはかなり不快感を感じざるを得なかったが、自分の新境地を切り開こうと少し我慢。

 強すぎる光がしばらくの間キクチを苦しめると、ぼんやりだが、インテリジェクト・ヒューマン社のロゴマークが浮かび上がってきた。ひし形をベースにして作られる、線対称な黒と白を基調としたロゴマーク。キクチが昔使っていたスマートフォンもインテリジェクト・ヒューマン社のものだから、だいぶ見慣れている。

 

 そのうちスマートフォン同様、アプリケーションが一面に広がる。「想像力(イマジネーション)が画面を創造(クリエイト)する」なんてCRJNのキャッチフレーズが思い出される。画面の規模は、スマートフォンとは格段に違う。アプリケーションが数百もの数がもともと入っているにも関わらず、一つの画面ですべて表示できるのだ。キクチは慣れない念じながらのポインターの移動に戸惑ったが、うまくインターネットのアイコンにポインターをあわせ、クリックをした。あながちキャッチフレーズの意味が間違ってないと感心する。

 キクチは興奮を抑えつつも、CRJNの操作に成功したことについついガッツポーズをしてしまった。

 アイコンをタップしてから数秒。インターネットに繋がった。読んでいた無料小説のサイト、小説、章と長ったらしい検索の操作をせずとも、自分の頭の中で考え、このサイトのこのページとし、それを念じるだけで簡単に目当てのページまでたどり着ける。

 ようやくキクチはお目当ての小説にたどり着くことが出来た。キクチは息を荒立てながらも一気に小説を読んでいく。文字のサイズ・ページをめくるスピードも自由自在。これを知ってしまえばパソコンなど使い物のならないと思えてしまう。

 キクチがCRJNの機能の高さに感心していたから、あとの二十分は瞬く間に過ぎ去った。ずっとCRJNで小説を読んでいたかったキクチだが、小説は読み切り、店員からパソコンの修理が終わったから来てくださいと呼び出されたので、辞めざるを得なかった。すぐに目を開けると、もう画面が全く脳裏に浮かばない。だいぶ便利なものである。

 それゆえ、キクチは電源をOFFにすることを完全に忘れていた。それよりもパソコンが大事だったからだ。


 キクチは家に着くと、直ったパソコンを早速起動してみることにした。CRJNで小説を読むのも悪くはないが、実際はパソコンの方がしっくりくる。前から読みたかった小説を新たに読み始めたり、くだらないネットニュース等々に時間を浪費する。まるで考える事を失った猿のように。

 我に返ったときにはもう遅かった。パソコンに表示される時計は午後十一時を示している。家に帰ってきたのが6,7時頃で、ネットにどっぷり浸かりやすいキクチにとっては普通の時間。だが、まだ朝の一食しか食べていないものだから、空腹に耐えられなくなり、先日ネット通販で買った某大手メーカーの牛丼を単純作業で詰め込むことに決めた。ネット慣れしている、ネット中毒者に近いキクチでも、わざわざパソコンの修理のために外出したり、慣れないCRJNを使って脳に負担をかけたりすれば、疲れて当然といったところか。

 夕食にもっとお金をつぎ込んでも、仕送りが十分あるために問題はないのだが、(料理をキクチが作れるはずなどない。トウマに頼むに決まっている)食事は量が味より大事と思うキクチにとってわざわざ高い食べ物を買う意味がない。

 いつも通り特盛牛丼(冷凍)をたいらげたキクチは、まだ日付を超えていないのにも関わらず、眠気全開モードに突入。すかさず布団を敷き、布団の中に入る。そして、目をつぶる。すると、いきなりまたあの明るい光が見えてきた。CRJNは自分が眠りたい、という意思を汲み取って、自動に電源をOFFにする機能があるはずだが…

 寝ている間もCRJNが起動されっぱなしだと寝つきが悪くなりそうなので、キクチは電源を落とすように、とCRJNに念じるのだが……

              CRJNの電源が落ちない。

何度か試してみるものの、結果は変わらなかった。さすがに脳裏に延々と画面が表示されていても寝つきが悪くなるだけなので、寝ようとすることを断念するしかなかった。

 そこでパソコンを使おうと思い立ったわけだが…寝つきがさらに悪くなりそうなので断念することにした。

それでしょうがなくCRJNを使おうと決めた。(どちらにせよ寝つきが悪くなるだろう)キクチは早速想像力(イマジネーション)で画面を表示させようと奮闘する。だが、画面が表示されるどころか、インテリジェクト・ヒューマンのロゴマークさえ出てこない。何度試しても変わりはない。電源がついているのに、画面が開けない?そして電源も落とせない?なんのバグだろう。

 一時もほど近くなり、徐々にキクチは焦り始めた。もしかして、眠れないのでは。

  そのとき。

 急にインターネットに接続された。そして、見覚えのないサイトが()()()()()()()()()()()表示される。CRJNがある意味起動できないという問題は解決された。だが。見覚えのないサイトが突然表示されたことに戸惑うしかなかった。

 サイトは黒と赤を基調に作られ、おどろおどろしいもの。書体が恐ろしい。裏サイトにアクセスされたのだろうか、いや、それはない。この時代そんな不具合が起こるはずないのだ。絶対に。【ゲーム禁止法】の発布より前にウイルスは息の根を止めている。では、なぜ。背筋が凍ってきた。キクチの。

 人の怖いもの見たさは恐ろしい。キクチは好機心からそのサイトの中身がどうなっているのか見てしまった。もちろん恐る恐るではあるものの。

    そこにあったものには、目を疑わずにはいられなかった。あり得るはずがない。夢かと思って頬をたたいても事実は変わらない。

なぜ。今。

             【ゲーム現実化計画】







 


ついに本題突入!

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