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再会、そして向かう

久しぶりです。

 キクチの意識が戻ってきた。(あ、どこかに移ってい……)

「移ってなくないですか。何ひとつ変化がない…」

一面に広がる芝生と、日差しが全く変わっていない。

「え、かなり長い間移動したかと。約一日ほど」

「そんなばかな。見える景色は変わって、いた」

延々続いているように見えたこの草原の端に近づいたらしく、森が見えた。

「その中を見てください。誰かいるでしょう」

少し、いやかなり遠いが、見えると念じ、その人物を特定しようとすると。

「ミヤシタ?」

「キクチ君?」

お互いを発見したようである。



アメルバにミヤシタらしき人物がいるところまで運んでもらった。いわば瞬間移動だ。実際、ふつうに時間はかかっているが、感覚的には一瞬というもの。とキクチは脳内に流れるアメルバの声で知った。

「本当にミヤシタ先輩ですか、インテリジェクトヒューマン社江の島支部の」

「そうよ、キクチ君」

「本当なんですね。でも、なんでミヤシタ先輩までここにいるんですか」

「私もこのプロジェクト参加のために、キクチ君が辞めてから、かなり長めの有給休暇をとったの。少し上司にかわいいところみせたら、オッケーもらっちゃって」

「僕は仕事辞めましたけど、ミヤシタ先輩、すごいですね」

もちろん心の中では棒読みである。キクチは有休がそんな簡単に取れるそんなはずがないと思っていたからだ。

「ありがとう。じゃあ、プロジェクトの最中は一緒に動く?」

「いいんですか、こんな頼りない僕と」

「知っている人がいたほうが安心じゃない。これから何が起こるか分からないしね」

ーその通り。これからのプロジェクトは、甘いとはいえませんよー

「「!!」」

ふたりの脳内で、同時にアメルバの声がした。

「アメルバさん、なんで画面から話さないんですか」

ーいくらコピーともいえでも、同じ存在が二人いては変でしょう。とりあえずひとりの存在として融合しているんですー

「ちょっと何言ってるかわかんないけど、なるほど」

「どっちなの、キクチ君。分かってるんだかいないんだか」

ーふたりとも。これからはモンスターと戦うんです。のんきにいるのもほどほどに。これからモンスターへの攻撃手段のレクリエーションを行います。まずは瞑想してみてください。息を整えて、精神をリラックスさせて。それをCRJNにも強く念じてみてー

キクチは瞑想した。呼吸を整え、ゾーンに入っていく。そこまでは普通の瞑想だ。そこにCRJNにもイメージさせると。

「なんなの、アメルバ。この変な感じ」

先に反応したのはミヤシタからだった。キクチは構わず瞑想を続けた。すると、変な感覚となった。体にエネルギーが取り込まれている気がする。脳、顔、体、腕、手。エネルギーが行き渡る。手から指へ。指へは特に強いエネルギーが感じられる。

「これが、瞑想」

ーわかってくれたみたいですね。では、次に技を放ってみましょうか。ふたりの距離をとって、ぶつからないようにー

ふたりは離れた。背を向けあっている状態である。

ーそこから、イメージしてください。先ほど浴びた風。体で感じ取った風を。それが、みなぎるエネルギーに向かって吸い込まれるような感覚に陥ります。そのエネルギー、【気】は、風となり円を作る。相手を裂く円です。それが出した両手の前に集まる。風は巻き、徐々に威力は強くなる。それを思いのままに放つのですー


イメージは思ったより簡単であった。キクチはアメルバの言葉からCRJNによってイメージを固めたことで、あっという間に空気でできた円が完成した。

「円、か」

はじめの脳内映像とイメージが重なった。たしかあのときの女は。

「初期気術、【円】」

そういって、手から【気】を送り出すイメージを固め、発射した。これは予想通りと言おうか。空気は渦巻き、先にあった木を一本、切り倒した。同様にミヤシタも木を切り倒した。

「すごいね、キクチ君」

「そうですね」

ーふたりともすごさを実感したようですね。では、早速モンスターと戦闘してみましょうかー

そういうと、それぞれの前方に、背の低い人型のものが出現した。体は黄緑色というのがいいかもしれない。

ーゴブリンです。どのように倒すかはあなたたち次第です。すぐに動くので気をつけてー

もうゴブリンとの距離は10メートルもない。

「こういう世界なら…」

キクチは体の前に両手を伸ばした。その手と手の間に火の球ができていった。

「ファイヤーーー」

できた球は近づくゴブリンに直撃。一瞬で灰となった。

さて、ミヤシタはというと

「初期気術、え、えん?」

さきほど教わった技の通りにミヤシタはゴブリンに放った。

ゴブリンの体は引き裂かれた。だが、血が出ることはなく、引き裂かれてすぐ、光となって消えていった。

ーおふたりともできたようですね。これからの一か月、うまく過ごせそうですね。唐突に始まったレクリエーションもここで終了です。まだ教えるべきことはありますが、きょう8月1日もは、もう終わりますし

ね。おふたりの幸運を祈りますー

ゴブリンを倒した二人の意識からアメルバの声が消えた。

「何だったんだろうか」

「これから確実に必要になる知識みたいよ」

「そうか」

「…ってキクチ君、さっきの技は何?まだあの【円】って技しか教わってないのに火の技を使って」

「いや、教わった技はイメージさえしっかりしていたら簡単にできたから、こういう魔法っぽいものもいけそうかと。しかもアメルバが【どのように倒すかはあなたたち次第です】っていっていたから。だめだった?」

キクチのなかでは普通にできることなのにと思ってたものだから、そこまで驚くことかと呆れていた。

「まあキクチ君、これはきっとすごいことだよ。自信もっていいと思うけど」

キクチが首を振って返事した。

「それはさておき、もうきょうという日が終わるとアメルバさんいっていたような」

「この世界ってどうやって寝るんだろ………」

ー11時になりました。CRJN の強制睡眠モードを起動しますー

アメルバの声より無機質なCRJNの音声で、ふたりは突如として倒れた。




そこから6回目の朝となる8月7日が来た。

ラノベっぽいバトルシーンを早い段階でもっとあげたいですね

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