異世界召喚
初投稿です。
感想や修正すべきところを教えて貰えると助かります。
気付けば彼らはそこにいた。
足下には幾何学的な模様で描かれた魔法陣が光っている。
彼らの周りには黒いローブを被り杖を掲げた人物達と一目みればすぐに高貴な人物とわかる高級なドレスを纏った女性がいた。
彼らの見た目は様々だが一貫して見たことがなく有り得ないほど質がいい高級そうな同じ服をきており、平たく東の方の国を感じさせる顔をしていた。
彼らの表情は驚愕と一部はどこか歓喜のような表情を浮かべている。
「どこだ…ここ。俺たちは教室にいて…」
彼らの一人が何か呟いている。何故こうなったかわからないといった感じだ。しかし思い当たる事があったのかすぐに歓喜の表情に変わった。
何故このような状況になったのか。それは時を少し遡る。
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ここはまず彼らの中の一人の視点からみればわかりやすいだろう。
その中で一際平凡そうな顔の黒髪で少し背が低くおとなしそうなこの子の説明をするとしよう。
彼の名前は佐藤太郎。平凡そうな顔にごくごく平凡な名前の特徴がないのが特徴の高校生だ。
太郎は結構その自身の平凡さを気にしているがその平凡さが特徴なのに気づいていない。
太郎はいつものように朝を起き、母親が急いで作った朝食を食べながらご飯代の300円を渡される。
そして妹と一緒に同じ高校に登校し、その途中幼なじみの女の子と合流して軽い雑談をする。
そして授業という名の拘束時間をダラダラと耳に聞くだけで流し、昼休みになって購買にパンを買いにいき、妹と幼なじみと一緒にご飯を食べる。その途中腐れ縁の運動部の友達ともあった為一緒に食べ休み時間が終わるまで雑談をする。
そしてまた放課後まで授業を聞き流すのだ。
ここまで聞けばどこの主人公だ、と思いたくなるだろう。まぁ当たり前のように妹と幼なじみの女の子は可愛いし、運動部の友達もイケメンだ。平凡な顔なのは太郎だけである。
しかも妹も幼なじみの女の子も太郎を好いている気質がある。まだ恋には至っていないといったところか。
まぁこんなよくある平凡で幸せな日々はある事件によって壊される。
それは放課後の事。授業が終わり帰る準備をしている時に突然起こった。
「なっなんだぁ!」
クラスの誰かが叫ぶ。
よくみれば太郎達の下に赤い魔法陣のような物が輝きを放っている。当然見たことはない。
「みんな!今すぐそこから離れて!」
先生の異常事態に対応するような声が聞こえる。その声を聞いて即座に行動を起こそうとするがもう遅い。
魔法陣が物凄い閃光を放つと太郎達は教室からいなくなっていた。
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太郎達が目を覚ますとまず目の前に見えたのは中世の城の地下のような場所だった。辺りは石レンガを敷き詰められ床には赤い絨毯のようなものを敷いてある。
そこで自分たちが誰かに囲まれている事と、先程教室に出ていた魔法陣が自分たちの下の台座に刻まれている事がわかった。
太郎は同様しながらこう呟いた。
「どこだ…ここ。俺たちは教室にいて…」
そこを俺たちといった理由は心の底ではこれがどんな現象かわかっているからか。普通なら自分だけを指す筈だ。
そして気づく。これは異世界召喚だと。
「これはどういう事だ?」
そんな時だ、太郎に見慣れない声が聞こえたのは。
見るとそこには太郎達と同じように魔法陣の上にのり、なにか考え事をしている黒髪の男がいた。
ようやく英雄さんがやってきました。
次は英雄さん視点です