ニワトリがしゃべる
チュン…チュン…
ああ、鳥が鳴き声が聞こえる
チュン…チュン…
…
チュン…チュン…チュン!!チュン!!!
ん?
コケッコケコケッコッコココオオオオオオオ!!!!
「うわわわわわわああああああ!!!」
ゴツッ
「いたっ」
二段ベットだったことを忘れていた
二段ベットの上のベットは誰も使っていないけど
読みかけの開いてある本がたくさん散らばっていた
痛みがひくのを待ちながら私は考えた
今日はいつもと違いすぎる
いつもなら小鳥の鳴き声を聞いて、カーテンの隙間から入る光で目が覚める
のんびりと起きる予定だったんだけど
小鳥…鳥…
「はっ!」
そういえばあきらかに可愛らしい小鳥の鳴き声からかけ離れた鳴き声がした
おかしい…あれは気のせいだったのかな…
「可愛くないなー…」
「コケェ!!!」
ん?
バサッ!!!
「うわあああああ!!!」
「コケッコッココケェ!!!!」
最悪だ
自分のおなかの上でにわとりが暴れている
可愛くないといったのが気にくわなかったのだろうか
ずっと暴れているものだから、こちらが冷静になっていく
しばらく、私は自分の腹の上で暴れるにわとりをただただ見ていた
「ハッ!いけない」
さっきまで暴れていたにわとりが変にいい声でしゃべった
人間の言葉を…話してる…
私が驚いた顔をしているのに気づいたのかソイツは慌てて私にこう言った
「ご、ごきげんよう」
なんと恰好がつかないのだろう
「やっぱり、頭打っておかしくなっちゃったかな私」
独り言のように呟くと、ニワトリの姿をしたソイツは説明してくれた
「いいえ、いいえ、あなたは正常です」
「私はあなたを助けるためにここにきました」
「はあ…」
「あなたはこの日常から抜け出し、”生きる意味”を見つけなければいけません」
「なるほど」
ものすごく簡単な説明に疑問をいだくこともせず納得してしまう
それほど私のただただ同じことを繰り返す毎日には深い意味などなかった
私にとっては大切だが生きる意味なんてものはこの生活にはない
「ご質問ありますか?」
疑問ないはずだったが一つあった
「えーっと、なんでニワトリなの?」