最終話 信じる
突然の柚花の言葉に教室内は騒然とした。
柚花は涙していた。
なにがなんだか、自分でも解らなかった。
千君が好きなのにそんな自分の気持ちすら解らなくなっていた。
中でも1番驚いたのは千だ。
千は立ち上がって柚花をみた。
「なに…なんで。花は俺のい…うとなんだよ。みんな…そうやって俺から離れていくんだ。花も母さんも。…柚花さんも。」
千の目には涙が溢れた。
花は俯いた。そして千を見て柚花を見た。
「千。ゴメン。千はまだあの時のこと…。柚花さんっていってたわね。千を、お願いします。私じゃ、どう知ることも出来ないから。」
柚花は自分に頭を下げる花を見た。
「どう言う意味ですか?なんで…千君の中に私はいないのに。」
柚花は自分が何をすればいいのかも花がなにを望んでいるかも解らなかった。
「千が泣いてるのは誰は為?あなたのためでしょう?…ちょうど5年前、私は一度声を失った。そのトキに母親は千を攻めた。仲のよかった家族が壊れた。また、私のせいで千の大切なものを失うのは嫌なの。自分かってかもしれない。でも…。お願い。」
柚花は自分の浅はかな行動に後悔した。
千君はちゃんと自分をスキでいてくれたのに…。
私は信じてあげることすら出来なかった。
柚花は千を抱きしめた。
「ごめん。ごめんなさい。私、千君のことちゃんと好きだから。離れたり、しない、から。」
千君は優しいから、きっと花さんのこともいっぱい悩んだ上で私と付き合ってたんだと思う。
私が彼のために出来るコト。
それは信じて、傍にいること。
『もう、迷わない。』 白石 柚花




