背後からそっと伸ばされた手に
途中で何度か視点が変わります。
私には前世の記憶がある。
この世界が乙女ゲームに酷似した世界で、自分が悪役令嬢だということも知っている。
私の推しはメインヒーローの王太子テオドールだった。
まず声が推し声優。そして見目の麗しさだけでなく文武両道で正義感にあふれ、男らしさの中に可愛らしさまで兼ね備えている。今までいくつもの乙女ゲームをプレイした私がこれ以上ないほどにハマったキャラだった。
もしもこの世界に転生したらなどと想像し、ネットで美しいカーテシーの仕方や王妃の仕事、数か国語を習得する秘訣を調べたり、破滅を回避するために異世界小説を読み漁るぐらいにはハマった。
ふと自分は何をしているのだろうと頭を抱えることになった黒歴史であるのだが……
私が転生したのはアデライド・ロベール。
ロベール公爵家の長女。そして、あの、王太子テオドール様の婚約者。
学びに無駄なことはないんだなと思った。
とても役に立っている。
例にもれず前世の知識を駆使して注意深く行動した結果、テオドール様との仲は愛称で呼び合うほどとても良好なものとなった。
このゲーム、悪役令嬢は私だけではない。
攻略対象のそれぞれの婚約者がライバルキャラとなり、最終的にヒロインが選んだキャラの婚約者が卒業パーティーで断罪される。
私はすぐに彼女たちと接触を図った。そして婚約者の好きなものや悩んでいることなどをそれとなく伝え、時には直接仲を取り持ったりもした。
その努力が実り、彼女たちも学園に入るまでには婚約者ととても良好な関係を築いていた。
ゲーム通り王立学園に入学しヒロインが出現しても、テオドール様は私を大切にしてくれた。だけど、二学年の後半になると突然彼だけではなくほかの攻略対象者も瞬く間に彼女に夢中になった。
それでもヒロインのミラ様の評判は決して悪くはなかった。
貴族の令息令嬢に平民の彼女が自ら声をかけることはなく、近づくのはいつも男性の方。どんなに相手の男性から望まれても決して名前では呼ばず、二人きりになろうとする男性を諫めていたと聞いた。
しかし、ある時彼女の微かに上がった口角を見て確信した。
彼女も転生者なのだと。そして前世で読んだ小説のような後先考えない単純なヒロインではないと。
私は卒業パーティーでの断罪イベントへの対抗策として冤罪の証明などを集めた。
自分たちにできることは少ないけど、できる事は全てした。
したのだけど……。
どういうつもりなのかしら?
心の中で首を傾げつつ、隣のテオドール様をちらりと見上げた。
卒業パーティーではゲームの通りにテオドール様は婚約者の私ではなくミラ様をエスコートするのだろうと思っていた。なのに、彼は公爵邸に私を迎えに来たのだ。
彼は今も私の隣にいる。反対側の腕にミラ様が絡まっているということもない。
ほかの方が選ばれたのかと思ったが、彼らも各々婚約者をエスコートしている。
彼女達も貴族令嬢らしい笑みを浮かべてはいるが、内心困惑していることだろう。
その時、会場にミラ様が姿を現した。
彼女をエスコートしている人物を見て少しだけ複雑な気持ちになったが、その気持ちを表に出す事はない。
私に気づいたミラ様が可愛らしくほほ笑んだが、その中にほんの少し含まれた嘲笑に私は気づいている。
彼女も私が転生者だと確信しているのだろう。
想像していた断罪イベントが発生しないまま、時間は穏やかに過ぎた。
ふと視線を感じてさりげなくそちらを見るとミラ様がいた。
パートナーの男性は飲み物でも取りに行ったのか、彼女はひとりだった。
私と目が合ったことを確認した彼女は口角を上げるとバルコニーに向かった。
高位のものに自分から声をかけてはいけないという常識を守っているように見せながら、ついて来いという意味なのだろう。
本当に、何から何まで小賢しい。
しかし私としても確認したいことがあったので、テオドール様に断りを入れて彼女の後を追った。
「ロベール様からお声がけいただけるなんて、夢のようです」
「あなたが呼んだのでしょう?」
「なんのことでしょう?」
ミラ様は可愛らしく小首をかしげたが、誤魔化されるつもりはない。
「白々しいことはやめましょう。何かお話したいことがあるのでしょう?」
さらに問うと、圧力に負けたように彼女は肩を竦めた。
「高位貴族は白々しいやり取りをなさるものだと伺いましたけど……別になにも企んでなどおりませんわ。ロベール様も転生者なんでしょ? あっ、私はモブ専で最初からトリスタン狙いなので、断罪イベントはありませんから安心してくださいませ」
いきなり転生者であることを明かす言葉に、開き直りすぎではないかと思ったが、それよりも浮かんだ疑問の方が大きかった。
トリスタン狙いだと言うのならば、なぜほかの攻略対象に近づいたのだろう?
「だって大好きだったゲームの世界ですよ。生でイベント見たいと思われませんか? でも、私に王太子妃や公爵夫人なんてとても務まりませんもの。ですから学生の間だけのお遊びと言いますか、単なる思い出作りですのよ」
言葉遣いを丁寧にすれば良いというものではない。
そんな自分勝手な理由で彼らの尊厳を無視したと言うのだろうか?
婚約者のいる方に近づくこと自体許されたことではないが、一億歩譲って彼女が誰か一人に絞った上で、自らの努力で関係を築いたのならまだしも、彼女は彼らの尊厳を無視した行動を取った。
そう、攻略対象者たちには明らかに魅了のアイテム「虹の粉」が使われていた。
ミラ様に接近するテオドール様に一度だけそっと近づいたことがある。その時の彼は近づいた私が見えておらず、焦点がミラ様にしか合っていなかった。
彼女に対する怒りがこみ上げると同時に、テオドール様の意志ではないということに少し安堵もした。
ただ、たとえアイテムのせいだとしてもほかの女性とのことで口論などになれば、断罪イベントを無事乗り越えられたとしてもお互いに蟠りが残ってしまうだろう。だから、どんなに辛くとも今は距離を取る様にと私以外のライバルキャラである彼女たちに伝えた。
直接婚約者を助けることのできない自身の無力さに苛立ちながら、私たちは耐えたのだ。
それなのに、学生の間だけのお遊びだと。
人を操り人形のようにしておいて、単なる思い出作りだと。
今にも手にした扇子で殴りつけてしまいそうだ。
そんな私の怒りに気づいているのかいないのか、ミラ様は一方的に話し続けた。
トリスタンは攻略対象候補だったのではないかと言われるほど気合の入った作画で一目惚れだった。その彼が目の前に現れた瞬間に前世を思い出した。
ゲームでは話しかけることができなかったが、ここは現実だから学園で彼に会う度に全力でアプローチした。警戒心が強いみたいでなかなか距離が縮まらなかったけど、根気強く話していくうちに彼が暗い過去を背負っていることがわかった。そんな彼に寄り添い続けるとようやく心を開いてくれた。
ほかのキャラに関してはイベントだけ見たかったので、中盤にトリスタンのお店で購入できる「虹の粉」を使った。本当にアイテムを使っただけ。それ以外は何もしていないのに、攻略対象たちが自ら近づいてきた。先ほどまで周りに人がいたはずなのに、気づけば二人きりになっていて、面白いようにイベントが始まった。
ライバルとして現れるはずの彼らの婚約者たちが、アデライドを筆頭に誰も何も言ってこなかったので、前世の小説みたいに誰かが転生者で、断罪を回避するために動き回っているのだろうと思った。
でも、トリスタンが本命だから初めから卒業パーティーのイベントだけは見るつもりがなかった。
それ以外のイベントを全て回収して以降は一切攻略対象には近づいていない。もうアイテムの効果も切れているので、彼らを怒らないであげて欲しい。
全く悪びれた様子もなく語る彼女に、もはや怒りを通り越して呆れてしまった。
その後ほんの少しだけ会話をしたが、トリスタンに呼ばれた彼女は最後に、
「トリスタンも私も平民なので、ロベール様とお会いすることはもうないと思います。どうかお元気で」
そう言ってトリスタンとともにパーティー会場を後にした。
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明らかにライバルキャラの行動がゲームと違うんだもん。絶対に転生者がいるって誰だって思うでしょ。
でも、賭けに出なくて本当に良かった~。
私がモブ専なのもゲームのトリスタンに一目ぼれをしたのも本当のこと。だけど、やっぱり身分制度のあるこの世界では、貴族かそうでないかは下手をすると死活問題となるほど大きい。
だからと言って王太子妃や公爵夫人が自分に務まると思うほど愚かではないつもり。
攻略対象のひとりニコラは子爵家の嫡男。魔法の才があり将来は宮廷魔術師団の総団長になる。見た目もトリスタンの次に好み。だからギリギリまで迷ったのよね。だけどアデライドの行動を見ていると、明らかに転生者のそれだった。
そうなると前世で一度でも転生もの小説を読んだことがある者ならば誰でも警戒するわよね。卒業パーティーでの「ざまぁ」を。
断罪イベント以外は全部体験できたことだし、このくらいで満足しておかないとね。
というわけで、さすがに大きな賭けに出るのはやめた。
トリスタンは店舗を持たず細々と商売を行っているけど、いろんな情報やレアアイテムを入手できるようなやり手だから、きっとそれなりの生活はできると思う。諸国を回って買い付けとか楽しそう。
多分もうアデライドと会うことはないと思うけど、トリスタンの商売を邪魔されても困るので、念のためテオドールは「虹の粉」による魅了であって、彼自身の浮気ではないと正直に話して恩を売っておいた。
コンコン。
扉を叩く音に返事をすると、就寝の準備を済ませたトリスタンが入って来た。
卒業してすぐに私たちは籍を入れた。そして、彼が用意してくれた家に今日から一緒に住むことになった。
「やっとお前を俺だけのものにできるんだな……」
「もう、何言ってるのよ。ずっと好きだったって告白したのは私の方なのよ?」
私が呆れたように言うと「そうだったな」と彼は目を細めた。
「だが、学園では王子様とやけに親密だったみたいだけどな」
今さらそれに触れる?
それどころか虹の粉を手にした時「おっ、これに目をつけるなんてお目が高い! 高嶺の花の王族や高位貴族でさえも魅了する魔法の粉だよ」ってお勧めしてきたほどなのに。
「王子だけじゃないな。公爵令息や侯爵令息や子爵令息。あぁ、それから教師もか」
なんだか様子がおかしいことに気づき、慌てて弁解をしようとした。
「ち、違うの。あれは──」
「いや、いいんだ。結局俺を選んだわけだしな」
そう言いながら微笑んだけど、目が全く笑っていない。
その時、ふとアデライドの最後の言葉が蘇った。
「あのゲーム、追加DLが出るという噂があったのですけど実際はどうなのでしょう?」
私はそんな噂を聞いていなかった。そういえば、攻略対象全員クリアしてすぐに事故にあったんだった。
「あぁ、ほかのシリーズだったかも。色々プレイしたから勘違いしてしまったわ」
彼女はひとり言のように呟いて、自分で頷いていた。
その時トリスタンが呼びに来たのでそのまま彼女とは別れた。が、今になって思う。
なぜ彼女はあんなことを言ったのだろう。
何かを知っていた?
何を?
追加DL?
そういえば、トリスタンが突然心を開いてくれたのは「虹の粉」を使った後だった?
もしかしてトリスタンが追加の攻略対象だったの?
あれだけの人気キャラだ。充分ありうる。
だとしたら自分が選んだエンディングは?
ハッピーエンドか、それとも……
考えに集中していた私は、背後からそっと伸ばされた手に気づかなかった。
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あれ以来、ミラ様の情報が一切入らなくなった。
たまに街で出没するトリスタンの目撃情報は聞くが、彼女については不明のまま。
彼は序盤はチュートリアル、途中から便利な情報やアイテムを提供してくれるお助けキャラだったが、あまりの人気に追加DLで攻略対象に繰り上げされた。
規模は大きくないが幅広いアイテムを扱う個人商店主。というのは表向きの顔で、実は闇の世界の若頭という設定だった。
いつも突然ふらっと現れ、ヒロインにとっての超重要な情報や普通の市井では売られていないレアアイテムを扱う商人など、どう考えても堅気の人間ではないだろう
彼は幼いころに両親と妹を貴族に殺され、裏の世界のトップに拾われたという暗い過去を持っているので、彼を味方に引き入れるなら家族を助けるしかなかったが、私が前世の記憶を思い出した時には既に彼は裏社会で名を上げていたし、たとえ生まれてすぐに思い出せたとしても、その事件が起きた時の私は2歳なのでどちらにしろ無理な話だ。
なぜそこで諦めたのかといえば、ひとえに彼がヤンデレ枠だから。ヤンデレというか、本当に病んでいる。
ハッピーエンドで軟禁状態。
バッドエンドでは嫉妬に狂った彼の手の影がヒロインの背後から伸びてきたところで画面が暗転し、ヒロインの悲鳴だけが聞こえる。そして血が垂れる様を想像させる恐ろし気な赤い文字で「バッドエンド」と表示される。
はっきりとした表現はないが、恐らくヒロインは……
そんな人に近づくなど怖すぎる。
ヒロインと同じ方法で攻略したとしても、性格や外見などあのキャラだからこその言葉に心を打たれ心を開いたのであって、公爵令嬢が同じことを言えば「どうやって調べた?」「何が目的だ?」と警戒されたことだろう。
仮に上手くいったとしても、少しでも接触の加減を間違えばトリスタンルートに入り軟禁状態の未来が待っている。流石にそんな賭けには出られず、彼については静観するしかなかった。
でも、ミラ様が追加DLの存在を知らない可能性は高かった。追加DLでは新たに3人の攻略対象者が追加された。トリスタン以外の2人は学園外で出会うキャラなのだが、彼女が彼らに接触している形跡がなかった。
学園に入りしばらくの間は、彼女はトリスタンに近づき、少しずつ彼とのイベントをこなしているようだった。その時は小説のような逆ハー狙いの質の悪い転生者ではないのかもしれないと少し期待をしたが、「虹の粉」が出る中盤になるとほかの攻略対象に近づき始めた。
トリスタンは攻略にとても時間のかかるキャラだった。それでもハッピーエンドになるには決して「虹の粉」を使ってはいけない。「虹の粉」を使うと好感度が一気に上がるが、嫉妬心が強くなるのでバッドエンド一直線なのだ。
卒業パーティーでトリスタンにエスコートされる彼女を見た時は、彼女が「虹の粉」を使っているのを知っていたのでエンディングを想像して少し同情の気持ちが過った。
だけど、彼女は散々開き直る発言をした挙句、攻略対象者たちの行為はアイテムによるもので彼らの非ではないと、まるで恩を売るかのように言った。
当然恩など一切感じなかったので、追加DLでトリスタンが攻略対象になったことは話さなかった。仮に話したとしても、卒業パーティーでエスコートをされている時点で既にルートは決まっているので、彼女にはどうにもできなかっただろう。
きっと彼女の進んだルートは──
「アデリー、まだ怒っているのだろうか?」
物思いが少し長すぎたようで、テオドール様に不安そうに声をかけられた。
卒業パーティーの当日、私を迎えに来た彼は、待っていた応接室に私が現れるなり90度に腰を曲げて謝罪した。そして「信じて貰えないかもしれないが」と前置きつつ、自分の身に起きたことを正直に話してくれた。
学園生活の途中からずっと酩酊状態だった。そして操られているかのように、ミラ様を見ると体が勝手に動き、思ってもいないことを口にしていたと。
私には前世の記憶があるのでテオドール様の言葉を信じることはできる。実際に酩酊状態のような彼をこの目で見てもいるので。だから怒っているわけではない。いや、ちょっとは怒っている。でも、ゲームの強制力やアイテムなどのせいで彼にはどうしようもなかったのだろうということも理解はできる。
できるけど、やはり面白くはない。
繰り返しになるが、私にとってテオドール様は前世からの推し。私の前世の記憶が蘇ったのも、婚約者として彼と顔を合わせた瞬間だった。
それほどテオドール様は私にとって思い入れの強いお方。そんなテオドール様のスチルを、彼女は生で見たのだ。
私だって見たかったのに!
と、思わずにはいられない。
ちらりと視線を送ると体を縮めたテオドール様が、眉を八の字に下げ上目遣いに見上げていた。
私が小さくため息をつくと、怒られると思ったのか彼がピクリと反応したので思わず苦笑してしまった。
テオドール様は婚約者としてずっと私を大切にしてくれていたし、彼からの愛情も確かに感じていた。
学園に入学してからもアイテムを使われるまでは決して彼からミラ様に近づくことはなかった。
しょうがないですわね。
「怒ってはおりませんよ」
そう言いながら私は背を向けた。
そんな態度をとれば彼が一層不安になるのはわかっているが、この後伝える気持ちを、照れずに言う自信がないので。
咳払いをひとつ。
「……嫉妬しただけです」
「!?」
背後からそっと伸ばされた手に抱きしめられた。
その時のテオドールはゲームのスチルとは比べ物にならないほどの輝く笑顔を見せていたのだが、背を向けていたアデライドには知る由もない。
〜fin〜
最後までお読みいただきありがとうございました。
ちなみにトリスタンは婚約者がいないので断罪イベントは発生しません。
トリスタンの最後のイベントは卒業パーティーでのエスコートをお願いする時に発生します。
「トリスタンに卒業パーティーでエスコートして欲しいの」
「なんで俺?」
「あなたのことが好きなの」
「は?」
「あなたに教えてもらうまで辛い過去があるなんて気づかないぐらい明るくて、いつも私を助けてくれて。そんな強さと優しさに心惹かれたの」
「やれやれ、本当に甘ちゃんだな」
「?」
「俺がお前を応援したのは、婚約者のいる高位貴族のガキどもに平民のお前を焚き付けてめちゃくちゃにしてやろうとしただけだ。大嫌いな貴族への意趣返しにお前を利用したんだよ」
「そっか、それなのに私がトリスタンを好きになったから復讐失敗だね。ごめんね」
「お前……俺の家族を殺した貴族は探し出してすでに復讐済みだから別に失敗してねえよ」
(今なんかサラッと怖いこと言ってなかった?)
「俺のこと怖いか? 逃げるなら今のうちだぜ?」
・逃げる
→・逃げない
「ううん、怖くないし逃げないよ。私はトリスタンのことが好き」
「はー……ほんっとに、お前には敵わねえな」
(それってどういう意味?)
「お前の望むことはなんだって叶えてやるよ」
きらきらトリスタンのスチル
ちなみに「逃げる」を選択しても
→・逃げる
・逃げない
(やっぱりやめておこうかな)
「なんて、今さら逃げられると思うか?」
「うっ、うん、逃げないよ。私はトリスタンのことが好き」
となって逃げられません。
そして卒業パーティーでトリスタンのエスコートで入場するスチルとダンスをするスチルが流れる。
トリスタンルートの場合は卒業パーティーはおまけみたいな扱い。
<ハッピーエンドの場合>
卒業してすぐに結婚して一緒に暮らし始めました。
私はトリスタンの買い付けについて行きたかったのだけど、「危ない」とか「ほかの男にお前を見せたくない」とか言って、家から出してもらえません。
私の望むことはなんだって叶えてやるって言ったのに。
平民なのに護衛なのか見張りなのかわからない人が常に家の前にいます。
でもトリスタンは変わらず私を愛し続けてくれるので、私は幸せです。
〜ハッピーエンド〜




