表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/24

第23話:最後の試練、そして決断

朝日が差し込む施設の庭。

ひかりは元気に駆け回り、葵はその姿を見つめながら、胸の奥で小さな不安を感じていた。


(ここまで順調に回復してきたけど……最後の試練がある気がする……)


その予感は的中した。

午後、施設に新しいボランティアの子どもたちが訪れ、

犬たちと触れ合う中で、ひかりが突然足を止め、耳を伏せて小さく震えた。


葵はすぐに駆け寄る。

「ひかり、どうしたの? 大丈夫?」


亮もすぐ横に現れ、ひかりを抱き上げる。

「大丈夫、葵。俺がついてる」


奏もそっと近づき、ひかりの頭を撫でながら言う。

「落ち着いて、ひかり。焦らなくていい」


しかし、ひかりの不安は消えず、微かに呼吸が荒くなる。

その姿を見た瞬間、葵の胸に恐怖が走った。


(ひかり……また危険なの……?)



---


獣医師に連絡し、診察を受けると、ひかりは軽い炎症を再び起こしていた。

「少し足を痛めていますが、命に関わるような状態ではありません。

 ただし、完全な安静が必要です」


葵は胸の奥が締め付けられる。

(また……ひかりに痛い思いをさせてしまった……)


亮が葵の肩に手を置き、耳を赤くしながら言った。

「葵……大丈夫。俺が守るから、泣かなくていい」


奏も静かに手を添え、優しい微笑みを浮かべる。

「僕も同じだよ……葵とひかりを絶対守る」


その言葉に、葵の涙がこぼれ落ちる。

(亮も奏も……そしてひかりも……全部、大切……)


ひかりは小さく鼻を鳴らし、安心した様子で葵の膝に寄り添った。



---


夜、施設の宿直室で葵はひかりを抱きながら、決断を迫られる心境だった。


(亮と奏の気持ち、ひかりの命……私はどうするべきなの……)


亮がそっと手を握り、耳を赤くしながら言った。

「葵……ひかりを守るのはもちろん、俺はお前のことも守りたい」


奏も反対側で手を添え、静かに微笑む。

「僕も同じだ……ひかりも、葵も、全力で守る」


三人の強い想いが、葵の胸を押し上げる。

そして、葵は深く息をつき、小さな声でつぶやいた。


「……わかった。私……決める」



---


翌朝、葵はひかりを抱き、亮と奏に向き合った。

「二人とも……ありがとう。あなたたちの気持ちはちゃんと分かってる。

 そして、ひかりを守るために、私も強くなる」


亮は驚きつつも、胸の奥で温かいものを感じる。

「葵……その決意……俺、絶対裏切らない」


奏も穏やかに頷く。

「僕も同じだ。これからも一緒に、ひかりと共に歩もう」


ひかりは膝で小さく鼻を鳴らし、安心した表情を見せる。

その温もりが、葵の胸をぎゅっと満たす。



---


昼、施設の庭で三人とひかりは太陽の光を浴びながら散歩する。

ひかりは元気に駆け回り、時折葵に寄り添い、二人の手の間で遊ぶ。


亮は少し照れくさそうに言う。

「葵……俺たち、これからも一緒にひかりを守ろうな」


奏も静かに微笑む。

「うん、みんなで支え合おう」


葵は胸の奥で温かい感情が込み上げる。

(亮も奏も、ひかりも……私のすべてを守る……)



---


その夜、星が瞬く施設の屋上で、葵はひかりを抱きながら空を見上げる。


(最後の試練を乗り越えた……

 これからも、どんな困難があっても、私たちは一緒……)


亮と奏もそっと隣に座り、手を重ねる。

その瞬間、三人とひかりの絆は揺るぎないものとなった。


涙と笑顔が入り混じる静かな夜、

物語は感動の最高潮へと向かい、読者の胸を強く打つ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ