第23話:最後の試練、そして決断
朝日が差し込む施設の庭。
ひかりは元気に駆け回り、葵はその姿を見つめながら、胸の奥で小さな不安を感じていた。
(ここまで順調に回復してきたけど……最後の試練がある気がする……)
その予感は的中した。
午後、施設に新しいボランティアの子どもたちが訪れ、
犬たちと触れ合う中で、ひかりが突然足を止め、耳を伏せて小さく震えた。
葵はすぐに駆け寄る。
「ひかり、どうしたの? 大丈夫?」
亮もすぐ横に現れ、ひかりを抱き上げる。
「大丈夫、葵。俺がついてる」
奏もそっと近づき、ひかりの頭を撫でながら言う。
「落ち着いて、ひかり。焦らなくていい」
しかし、ひかりの不安は消えず、微かに呼吸が荒くなる。
その姿を見た瞬間、葵の胸に恐怖が走った。
(ひかり……また危険なの……?)
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獣医師に連絡し、診察を受けると、ひかりは軽い炎症を再び起こしていた。
「少し足を痛めていますが、命に関わるような状態ではありません。
ただし、完全な安静が必要です」
葵は胸の奥が締め付けられる。
(また……ひかりに痛い思いをさせてしまった……)
亮が葵の肩に手を置き、耳を赤くしながら言った。
「葵……大丈夫。俺が守るから、泣かなくていい」
奏も静かに手を添え、優しい微笑みを浮かべる。
「僕も同じだよ……葵とひかりを絶対守る」
その言葉に、葵の涙がこぼれ落ちる。
(亮も奏も……そしてひかりも……全部、大切……)
ひかりは小さく鼻を鳴らし、安心した様子で葵の膝に寄り添った。
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夜、施設の宿直室で葵はひかりを抱きながら、決断を迫られる心境だった。
(亮と奏の気持ち、ひかりの命……私はどうするべきなの……)
亮がそっと手を握り、耳を赤くしながら言った。
「葵……ひかりを守るのはもちろん、俺はお前のことも守りたい」
奏も反対側で手を添え、静かに微笑む。
「僕も同じだ……ひかりも、葵も、全力で守る」
三人の強い想いが、葵の胸を押し上げる。
そして、葵は深く息をつき、小さな声でつぶやいた。
「……わかった。私……決める」
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翌朝、葵はひかりを抱き、亮と奏に向き合った。
「二人とも……ありがとう。あなたたちの気持ちはちゃんと分かってる。
そして、ひかりを守るために、私も強くなる」
亮は驚きつつも、胸の奥で温かいものを感じる。
「葵……その決意……俺、絶対裏切らない」
奏も穏やかに頷く。
「僕も同じだ。これからも一緒に、ひかりと共に歩もう」
ひかりは膝で小さく鼻を鳴らし、安心した表情を見せる。
その温もりが、葵の胸をぎゅっと満たす。
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昼、施設の庭で三人とひかりは太陽の光を浴びながら散歩する。
ひかりは元気に駆け回り、時折葵に寄り添い、二人の手の間で遊ぶ。
亮は少し照れくさそうに言う。
「葵……俺たち、これからも一緒にひかりを守ろうな」
奏も静かに微笑む。
「うん、みんなで支え合おう」
葵は胸の奥で温かい感情が込み上げる。
(亮も奏も、ひかりも……私のすべてを守る……)
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その夜、星が瞬く施設の屋上で、葵はひかりを抱きながら空を見上げる。
(最後の試練を乗り越えた……
これからも、どんな困難があっても、私たちは一緒……)
亮と奏もそっと隣に座り、手を重ねる。
その瞬間、三人とひかりの絆は揺るぎないものとなった。
涙と笑顔が入り混じる静かな夜、
物語は感動の最高潮へと向かい、読者の胸を強く打つ。




