表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/12

第9話 即刻中止!?

ライブ当日

登校の時点で私は緊張のあまり

喉から心臓が出そうなくらいだった


「芽衣……大丈夫?」


「大丈夫、蓮ちゃんは緊張してないの?」


「今したってしょーがないじゃん!何事も楽しまなきゃ!ね、颯!」


「心配するな、もしお前が失敗しても笑いが起こるだけだ」


「それフォローになってる?」


「いざと言う時は蓮と俺がどうにかする。胸を張ってセンターに立て」


颯が優しく背中をさすってくれて

少しだけ緊張がほぐれた

そうだね、仲間がいるもん

きっときっときっと大丈夫!


大学に入るなり、廊下が少し騒がしいように思えた

なんだろうと3人で行ってみると

廊下の至る所に

『アイドル部!ライブします!13時体育館で!』

と堂々と書かれたポスターが貼られていた

な、なにこれ!?こんなの聞いてないよ!?


「あ、芽衣ちゃん!おはよ!」


後ろから声をかけられ振り返ると

ポスターを山積み持っていた学園長がいた


「が、学園長!?これあなたがやったんですか!?」


「当たり前じゃなーい、我が生徒の目立つ時に私が協力しなくてどうするのよ!」


な、なんて豪快な宣伝……

や、やばい、また緊張で吐きそう


「ライブは私も見に行くから!楽しみにしてるわ♪」


学園長はルンルン気分でスキップしながらどこかへ行ってしまった

か、観客増えるのかな、怖いなぁ……



昼休み、緊張でまともに授業を聞けず

体育館裏のバックステージで息絶え絶えだった

ライトの熱と観客のざわめきが入り混じり

息が詰まりそうなほどの空気が漂っていた。

ざっと見たところ、100人いるかなぁ……

うちの大学は1500人相当だし、体育館ってのもあって

そんなにいる訳では無い……かな?


「うっ……死にそう」


真凜ちゃんが緊張で死にかけてるので

慌てて私はハグをしてあげる

いつもなら怒ってる蓮ちゃんも緊張なのか

「あーしも!」とハグしてくれる


「2人とも……ありがと」


「今回はひとりじゃないよ!共有しよ!」


「……うん」


「よし、最後の衣装チェックいくよー!」


るんちゃんが手に持ったクリップボードを叩く。

私は深呼吸して、亜希さんが作ってくれた朱色のドレスをもう一度見下ろした

リボン、フリル、そして蓮ちゃん提案のスパンコール

光が当たるたび、花びらが舞うみたいに輝いている

なんだか、緊張もあるけど

ワクワクしてきた


「……見ててくださいね、亜希さん」

小さく呟くと、颯がこちらを見た。


「まだ緊張してるか?」


「……うん。でも、それ以上に楽しみ」

「…なら大丈夫だ」




ステージ袖から見える客席は、ほとんどが立ち上がっている

「アイドル部ー!」「芽衣ちゃーん!」の声が飛び交い、心臓の鼓動が早くなる。


「じゃ、行くよ!」

真凜ちゃんの一声で、私たちはステージに飛び出した。



イントロが鳴った瞬間、客席の熱気が爆発する。

「みんなー!盛り上がってくぞー!」蓮ちゃんが両手を広げて観客を煽る。

颯はクールな笑みでターンし、真凜ちゃんは満開の笑顔で手を振る。

私もマイクを握り、リズムに合わせて体を揺らす


(あ、楽しい……!)

歌うたび、観客が跳ね、笑顔が広がっていく。

体育館全体が一つの生き物みたいに呼吸していた。




ー観客席ー


亜希さんは2列目中央、腕を組みながらこちらを見ていた。

その表情は、笑顔だけど、少し硬い気がする

るんちゃんがステージ上から

チラっと視線を送ると、颯も同じ方向を確認した


(……やはり何か隠しているな)




1曲歌い切り、私たちは肩で息をしながら

観客を見渡す

皆喜んでくれたみたいで、歓声をあげて手を振ってくれる


ライブ……成功だ!


そう思ったのもつかの間

体育館のドアが勢いよく開いて

「ちょっと貴方達!中止!今すぐそのライブは中止ですの!!」

と言いながら女子生徒が入ってきた

腕には生徒会長と書かれている腕章をつけている


ちゅ、中止って……?


「良くも生徒会の許可もなく出来ましたね……こんなものは即刻中止!今すぐ解散です!」


「え、ええ!?ちょ、ちょっと待ってよ!」


「待ちません!観客のあなた達も早く授業に向かいなさい!」


生徒会長の言葉で皆動揺を隠しきれない

あぁ、あんなに楽しかったライブが……!

蓮ちゃんも怒って生徒会長に詰寄る


「ちょっとあんた何様よ!あーし達めっちゃいいとこだったんだけど!」


「何様もなにも、あたくしは生徒会長の元宮志保です!貴方達の傍若無人はあまりにも不敬ですの!」


ぼ、傍若無人……

それは私たちじゃなくてるんちゃんじゃ…


というより、生徒会に話してなかったの……?

るんちゃんを見てみると

☆⌒(,,>▽^,,)ゝテヘペロ!と返ってきた

ちょっとプロデューサー!!?


……ていうかちょこちょこ気になってたけど

もしかして、語尾ですのだったりする…?

ちょ、ちょっと面白い子だな


「よって、貴方達アイドル部即刻!退部を命令します!」


……え?

えええぇえぇ!!!!?!?


小話 全肯定ママ2

【真凜視点】


「お願い山崎君」


あたしは今、人見知りで1度も目を合わせられない山崎君に

1つの衣装を手に懇願している

それはもう、ゴスロリに近い真っ黒でド派手な衣装だ


「こんなもの、ちゃんと見た事あるのは初めてだ……何故俺なんだ。芽衣や蓮でもいいだろう」


「山崎君に着てほしいの。あたし、まだ人見知りだし、ましてや男性なんて、もっと無理だから、女装した山崎君で、慣れたい。それなら男性の山崎君でも大丈夫かなって」


「……なるほどな、あまりライブ以外で着たくはないが。」


山崎君はそう言って衣装をずっと見つめて悩んだけど

最後には小さいため息をついて衣装を手に取った


「……1度だけだぞ」


「(ぱあっと明るい笑顔になりながら)ありがとう!」



早速着替えてくれた


「なんだこのベルトは、なぜ太ももにつける必要がある。なんだこの派手なリボン4つは、用途がわからん」


ずっと小言を言ってる

思った以上に可愛い……(パシャ)


「違う要件に使うなら脱ぐぞ」


「あ、ごめん」


人見知りを克服と言っても

山崎君は必要以上に人と接さなかったって言ってた

どうしようかな……と

あたしは少しモジモジしながら、ちょこんと正座して固まる


「……喋らなければ意味が無いが?」


「ご、ごめん、緊張関係なしに、何話せばいいか分からない」


……どうしよう

と頭を悩ませると

めいが部屋に入ってきた

何故か泣いている


「いたぁ颯!助けてママ〜!」


「誰がママだ……どうした、顔がぐしゃぐしゃだぞ。勿体ない」


「うぅ、どうしてもこのターンが出来なくてェ……全然動けなくてェ……」


「やれやれ、どのダンスだ、見せてみろ」


めいはそのまま、山崎君の格好に気付かずに

「この部分の……コォ!して……コォ!が出来なくてェ……」


「違う、その時はもっと軸足を使え」

と色々補足しているのを

あたしは思わず笑いながらその光景を眺めていた


「……何かおかしいか?」


「あ、ううん、やっぱり2人って、仲良いよね」


「もちろん!幼なじみだもん!ねー!」

「……こんなやかましい幼馴染はいらないがな」

「ひっどーい!」


結局、あたしとの頼みはそのまま流れてしまい

二人でめいの指導をすることになった


山崎君、やかましいとか言って……

めいが来た途端、少し顔が明るくなったんだよね

あたしも、心開いて貰えるように頑張らないと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ