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第8話 君……可愛いね

2日目

早速私は昨日の特訓の成果を皆に披露した

帰ってから高音で歌える歌を頑張って覚えて

全力で歌って見せた


真凜ちゃんはキラキラした目で拍手してくれて

蓮ちゃんは……泣いてる!?


「蓮ちゃんなんで泣いてるの!?」


「天使の歌声が……セイレーンに……!」


「褒めすぎじゃない!?」


「すごいねめい、見直しちゃった。こんな才能あったなんて」


「えへへ、颯のおかげだよ!」


「芽衣の努力の成果だ。俺はそれを見つけただけにすぎん」


「またまたぁ〜」


「なんか2人もっと仲良くなってね????は????ヤったか????」


「違う」


蓮ちゃんが颯に手を伸ばして

わちゃわちゃと攻防が始まってしまった


「これで安心だね、るん……あれ?何してるの?」


「あー、めんごめんご、ちと衣装の人と電話してたんだ〜」


衣装の人?そっか、るんちゃん作るとかじゃなく発注なんだ

そういえば昨日もしてたな


「小鳥遊亜希って人で…あ、そだ!皆で挨拶しに行こうよ!これからもお世話になるしね」


「お、いいねるんちゃん!ほないこっか!」




衣装の人と言うからには

服屋にでも行くのかな?と思っていたら

来たのは家庭科室

え、ここの生徒が私達の衣装を?


でも、それよりも気になることがある

小鳥遊亜希って名前

それは私と真凜ちゃんが大好きなドラマの女優さんだ


「ねぇ、小鳥遊亜希って、あのドラマの人だったりするのかな」

「まさかねー!」


と真凜ちゃんと話してると

家庭科室の更に奥に服屋と書かれたドアがあった


「将来服屋を営むつもりの人なんだけどね、せっかくだから、うちの衣装で練習しないかって、言ってみたらOK出してくれたんだ」


中に入ってみると

背中を向けて何か服に話しかけてる女性だった

上の服はTシャツだけど丈があってないのか腰辺りが丸見えで

ブラウンの短パンを履いている

正直、服屋にしてはダサすぎるかなぁ……


「ん?やあやあるんちゃん!待ってたよ!」


……ん?なーんか…見たことある人だな……?


「お、もう出来てるじゃん!ありがと亜希ねぇ!」


やっぱり……この人って……!


「「小鳥遊亜希さん!!??」」


私と真凜ちゃんの声が被る

そうだ、私が好きと言ったあのゾンビドラマの

アクションシーンをしてた人だ!

なんでここに!!?


「僕の事を知ってるのかい?そう、小鳥遊亜希(たかなしあき)だ!よろしくね!」


「あの!大ファンです!ゾンビのドラマのアクションシーン大好きで!」


私が興奮して前のめりになると

「ドラマ?」と亜希さんはとぼけた顔をしたあと


「あぁ!あのうるさくスカウトしてきたあのドラマか!もう上映してたんだね」


と言い始めた

上映してたもなにも、あれは三年前くらいのドラマだけど…

……あ、あれ?なんかこの感じ

この人あんまりそういうの興味ないのかな


「あの……なんで、あのドラマだけ、出たんですか?あの演技力、すごく有名になったんですよ」


真凜ちゃんがモゴモゴと聞いてみると

亜希さんは、んーと少し悩んだフリをする

なんか、少し、よそよそしくなったような……

けどすぐに服を取り出して明るい笑顔を浮かべる


「僕はね、服が大大大大好きなんだ。それはもう毎日包まれていたいし、服が汚れるくらいなら自分が汚れる覚悟さ。ほら見てみたまえ!この美しい生地!柔らかい肌質!はぁ〜♡可愛い〜♡」


……な、なんかこの人と言いそうになりかけたところで

「うわぁ、シンプルヤバいやつじゃん」

と蓮ちゃんが呟いて

颯がチョップして静止させる


なるほど、確かに美人さんだから

興味ない状態で1回だけって頼まれたのかな

でもちょっとだけ悲しいな

「なんだかごめんね」と申し訳なさそうに謝ってくれる


「そんなことより、君たち明日ライブなんだろ?曲に合わせた衣装用意したから、着替えてみてくれ!」



言われた通り、ふりっふりの朱色のドレスのような衣装を着る

え、サイズピッタリだし、めっっっっっちゃ可愛い!


「え、芽衣めっちゃ可愛い!」


「蓮ちゃんこそ!すっごく可愛い!」


私の可愛いにダメージを受けて倒れかけた蓮ちゃんを颯が支える

颯はウィッグを被って清楚なドレスを着ていた

やっぱり女装をすると美人な女性にしか見えない


「颯も可愛い!」


「……やはりスカートは慣れんな。どうやったら慣れる?」


「ん?んーあんまり気にしたことないからな」


「はぁ……使えんな」


「ひどい!」


真凜ちゃんもようやく着替え終わったけど色々とズレたまま出てきた


「え、皆着るの上手、あたしよく分からなくて……めい、わかる?」


私はすぐズレた服を直してあげると

「ありがと」と少し微笑んでくれる

可愛い……天使……


「お、るんちゃんの言う通り、サイズピッタリだね!細かい所を見ていくからじっとしててね」


亜希さんが私の服を直そうとして

ピタッと私の顔を見て止まる

ん?どうしたんだろうって見つめ返すと


「君……可愛いね」


とポツリと呟いた

その言葉で「あ゛ぁん!!?」と蓮ちゃんが目を覚ますけど

亜希さんはお構い無しに私の手を取る


「僕のインスピレーションにビビって来たよ!ごめん、もう少し時間をくれるかい!?」


亜希さんはそう言って家庭科室の方に入ると

ものの数分で違う衣装を持ってきた

さっきと似てるけど、リボンやフリルが増えてもっと可愛くなった


「今まで服を作っても着せられる人が余りいなかったからね……こんな宝物を見つけられるなんて、大発見だ!」


「ちょっと待って!あーしにも提案ある!スパンコールドレスみたいに少しキラキラさせるのどーよ!」


「蓮君いいアイディアだね!ありがとう、参考にしてみるよ!」


私の見た目がそんなに理想に近かったのか

大興奮で私と衣装を交互に見て興奮している

その姿を見て、私はある提案を思いついた


「あの、亜希さん」


「ん?なんだい?」


「私達のアイドル部、入ってみる気はないですか?」


「ちょ、芽衣!?急にどったの!?」と蓮ちゃんが心配するけど

亜希さんは表情を変えずに「どうして?」と聞いてくる


「亜希さんの衣装で私達がアイドルとして有名になれば、亜希さんの服の認知度も上がって一石二鳥だと思うんです!亜希さんの見た目も動きもドラマでポテンシャルはありますし、絶対いいと思うんです!」


その言葉に「確かに……」と真凜ちゃんが呟いてるのが聞こえる

「やっぱめーちゃんおもろー」とるんちゃんもケラケラ笑っている


でも亜希さんは何故か驚かずにずっと軽く微笑んだままだった


「君の誘いは嬉しいし、理にはかなってるね。だけど遠慮させていただくよ。今度のライブは見に行くからさ」


そ、そっか、だよね、急すぎたよね

「ごめんなさい、急にさそっちゃって、ライブ楽しみにしててください」


「あぁ、応援してるよ、またおいで」


その後、細かい衣装合わせを終わらせたあと

私たちは服屋を出た

「芽衣、元気だしなよ。ライブに切り替えよ!ね!」

と蓮ちゃんが励ましてくれて

真凜ちゃんもポンと肩に手を置いてくれる


「ごめん!落ち込んでる訳では無いから!明日、頑張ろ!」




おまけ?


家庭科室を出て芽衣達3人が前で話してる中

颯はるんを呼び止めていた


「小鳥遊亜希、どう思う?」


「ん?どうとは、検索っと」


「あの人は芽衣の誘いの時、少し目を細めた。あれはなにか隠していると思わんか」


「お、さすがそーちゃん、私もそう思うってばよ」


「芽衣が勧誘するということは、なにかポテンシャルを感じたんだろう、ここはプロデューサーとして探りを入れた方がいい」


「わお、なにそれスパイみたい!まあ任せてよ、何となく察してっからさ」







その頃亜希は……


「……ごめんね、芽衣君、僕は……これ以上目立つ訳にはいかないんだ」


1人の男性と亜希に似た子供の写った写真を前に、そう呟いていた

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