第2話 なんだその呆けた顔は
入学式の部活のオリエンテーションに突如として現れたアイドル
一目惚れした私は、その2人がどこにいるのか検討がつかず
結局放課後になってしまっていた
机で項垂れていると、既に身支度を済ませた颯が隣に座る
「休み時間になるとすぐにどこかへ行くが、何か探してるのか?」
「オリエンテーションの最後にアイドルいたじゃん?あってみたくてェ…」
「あぁ、問題を起こした扱いだろうから、職員室か学園長室じゃないか?」
「職員室はいってみたけど、学園長室はまだかも!行ってみる!」
「まあ待て、お前一人で行って取り合って貰えるか分からない。俺も行こう」
「分かった!ありがと!」
私たち2人が出ていこうとすると
蓮ちゃんが慌てて止めに入る
「ちょい待ち!どこ行くのさ!」
「アイドルのとこ!蓮ちゃんも来る?」
「いや、あーしはバスケ部に入る予定だから顔出さなきゃなんだけど……行っちゃうの?」
蓮ちゃんの目は少し寂しそうだったけど
私は「うん!じゃあまた帰りね!」と言って
教室を出た
「あーしの……あーしの芽衣がぁ……」
「お前のではないだろ」
「颯!なんかあったらただじゃおかないから!キッッッチリ見とけよ!」
「言われなくても分かっている」
学園長室に着いた
ノックしてみると軽快な声の「どうぞ〜」が返ってくる
中に入ってみると、ソファで弾みながら遊んでるるんちゃんと名乗ってた子と
居眠りしてるアイドルの子がいた
学園長は、割と若い女性だ、50代いってないのでは…
「あら、来て早々失礼なこと考えてそうね」
思考読まれてる!?!?
「ほらるんちゃん、多分あなたに用事よ」
「おあ?私?へいなんでい!」
て、ていうかこの状況なに…?と思いつつ
「さっきのライブかっこよかったです!」と言うと
「でそでそ〜!」と誇らしげにドヤ顔する
すると居眠りしてた子も起きてくれた
「ふぁ………なに?」
「ほれ、りんりんのファンだぜぃ」
りんりんと呼ばれた子は目を丸くしながらこちらを見ると
すぐにるんちゃんの背中に隠れた
「あんま見ないで……恥ずかしいから」
え…………可愛い……
あんなにアイドルの時はかっこよかったのに……?
最強か……?
「ちょいりんりーん、そーいうの治そってゆったじゃんかぁ〜」
「無理なもんは無理、あたしそういうの苦手だし。やっぱあたしアイドル辞める」
「まーーーたこの子そんなこと言って〜!じゃあるんちゃんとは絶交だかんね!」
「え、それはダメ」
この2人、友人関係なんだ
状況に少しついていけないでいると
学園長が割り込んできた
「ごめんねー蛯沢真凜ちゃんは人見知りな所を治そうってことでアイドルやってるのよ。るんちゃんはプロデューサーね」
「1回だけって言ったのに、やっぱ今後もやろうとか言い出して……せんせたちには怒られるし……」
声ちっちゃめにモゴモゴと真凜ちゃんが話してくれる
そんな事情あったんだ、でも1回きりなんてもったいない!
「私も続けるべきだとおもいます!あんなにかっこよくてキレいいダンスで!睨みつけるような眼光に時折見せる八重歯!完璧なアイドルでした!」
「そ、そう……?でもアイドルの時だけで普段あぁじゃないっていうか…まぁ……ありがと」
ちょっと笑顔になった。可愛い……
すると急にるんちゃんは私に迫ってきた
「あんた見る目あるね、名前は?」
「へ?榊原芽衣ですけど」
「ちょーどいーや!あんたもアイドルなってみてよ!」
……( ᐙ )???
「なんだその呆けた顔は」と颯のツッコミで顔がようやく戻る
「私が?アイドルに?」
「そうそう!よく見たら顔はいいし、りんりんの友達兼アイドル、ゆくゆくはるんちゃんの元でプロアイドル!どうよ!」
私はかっこよかったというのを伝える為だけに来たんだけど
まさかの展開に言葉を失ってしまう
なんでもやってきて、全てのことが中途半端だった
そんな私でも輝けるのかな
真凜ちゃんも
「ちょっとるん、勝手に決めないでよ」と
後ろでるんちゃんの服を強く引っ張る
えっと……どうしよう……と思ってると
颯が「いいんじゃないか?」と言い始め
自分でもびっくりするぐらいの速度で振り返る
「芽衣は顔もいいし、カラオケの点数もいい。人当たりもいいしファンサもこなすだろう。少し人を巻き込む事が多いが、悪いことは起きない。試す価値はあると思うぞ」
え、何この人、急に饒舌になるじゃん
てか、そんな風におもってたの!?意外…
なんか……やってみようかなって気になってしまった
「私なんかで務まるなら……アイドル部入ってみたい!」
「よし!大歓迎!!よろしくね!ほら、りんりんも」
「……よろしく」
かくして、ひょんなことから
私のアイドルライフは幕を開けたのだ
「いいじゃない、いいじゃない!私は大歓迎よ!」
学園長は笑顔で拍手してくれる
……そういえば結局
2人とも学園長室で何してたんだろ……
「そういえば、学園長はこの活動許してくれるんですか?」
「え?おもしろ…じゃなかった、可能性を広げるって意味では大歓迎。私は協力してあげるわよ」
「さっすが学園長〜頼りになるぅ〜!」
なんか今面白そうだからって理由が見え隠れした気もするけど
学園長が味方になってくれるなんて頼もしい!
この活動で、私にしか出来ないこと見つけられるかな
プロフィール
蛯沢 真鈴
「あんま見ないでくんない?……恥ずいから」
髪 ブルーブラックで肩にかかる程度 身長 162センチ
全ての成績がオール5の優等生
しかし本人は適当にやってる天才型クール系娘
一人を好むが、るんのせいでその日常も崩れる
人見知りで意外と流されやすく、頼まれ事を無理やりすると
ちゃんとこなしてくれるので、優しい…とは思う
るんちゃんとは中学からの仲で
普段はるんちゃんの後ろにくっついている




