謎のおじいさん ピピン
わけもわからないまま旅立つことになったペン
彼になにが待ち受けているのか
今までの登場人物
ペン:主人公。国の王子。勇者として魔王退治する。
王:ペンの父親。残念な国王。
王妃:ペンの母親。すこし変わった王妃。
爺:城の給仕長(誰もいないため)。不満をもっている。
ペンは北へ北へと歩いていたが、いっこうに森など見えてこなかった。
「へぇ~、疲れた。全然森なんて見えてこないよ。」
日が暮れてきた。あたりがだんだんと暗くなっていく。もちろんペンは野宿をしたことがなかった。
「今日はここで・・・野宿になるのかな。」
すると奥の岩場のほうに人影がみえる。ペンはちかくまでいってみた。
奇妙なことに白髪をはやした、髭の長い老人が、岩にペンキで落書きをしていた。
「・・・おじいさん、なにしてんの?」
「むむっ。」
謎のおじいさんは振り向いた。
「何って・・・、見てわかるだろう。絵をかいとるのだよ。はっはっは。」
ペンはこれ以上ちかづいてはいけないように思った。
「・・・なぜ?」
「なぜって、わしはペンキ屋だからのう。」
答えになっていない。
「おまえさんこそ、こんなところでなにしておる?もう暗いぞ、ぼく。
ひとりで帰れるのか、ぼく~。」
ペンはイラッとした。
「子供扱いすんなよ。おれは一国の王子だぞ!!」
「ほぅ、そうだったのか。これは失礼した。で、どこの?」
「フィナンドファーレ王国。」
「フィナンドファーレ王国じゃと!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・知らんな~。」
ペンは(やっぱり)と思った。
「王国のものがなぜこんなところにいる?」
「旅をしてるんだ。」
「旅?」
「そう、理由は・・・、いえないけど大魔王オクトパスをやっつけるんだ。」
「大魔王オクトパス?・・・あぁ、カイ・ダラスのことか。」
「カイ・ダラス?」
「おそらく腕が8本あるから・・・オクトパスって呼ぶのだろう。」
謎のおじいさんは笑いをこらえていた。
「もうあたりが暗い。わしの家にいってはなしをきかせてもらう。」
「家ってどこにあるの?」
「ふふふ、なにをいうとる、真横にあるではないか。」
ペンは横を見た。ちいさなボロくさい小屋がたっていた。
(こんなところにこんな小屋があったけな?)
ペンたちは小屋へ入った。暖房が効いていて暖かかった。
「椅子に腰を掛けたまえ。お茶をもってこよう。」
ペンは部屋のあたりをみまわすとたくさんの落書き、木彫りもの、そして本がおいてあることに気がついた。
「おまえさんは・・・、いや、まず名前じゃ。わしはピピン。おまえさんは?」
「・・・ペン。」
「ぺ、ペン!?」
ピピンは必死に笑いをこらえた。ペンはずっとにらみつづけた。
「い、いい名じゃないか、ペン。ところでおまえさんはどこに向かってるのか?」
「魔女の森。」
「魔女の森!?、ぶわはっはっはっは!!!おまえさん、どんだけ方向オンチなんじゃ。
魔女の森はここからずっと南西だよ。はっはっは!!」
ペンは王に殺意を抱いた。
「まぁ、今日はここで休んで行きなさい。」
「・・・すいません。」
「なに、謝る必要はない。こうして出逢ったのもめぐりあわせ。ゆっくりするといい。」
「ピピン、ペンキ屋なんでしょ、なんで岩に絵かいてたの?」
「なぁに、岩たちに表情をつけてあげているだけさ・・・。」
「・・・ピピン、仕事がはいってこないんでしょう。」
「はっはっは!!!心配せんでいい。仕事がなくともいきていける。
そんなことより・・・おまえさん、家へ帰った方がいいぞ。おまえさんはまだ若すぎるし、
ダラスの恐ろしさを知っておらん。」
「ダラス?、・・・オクトパスのことね。」
「そう、あやつはもともと優秀な賢者だった。それなのに・・・。」
「それなのに?」
ペンは聞き返した。
「いや、なんでもない。気にするな。とにかくおまえさんは若すぎる。
あとからでもいい、10年後くらいになればまた旅すればいい。」
「そりゃ、おれだっていきたくないさ。でも今帰ると・・・。」
「死に行くのと生きる、どっちがいい?」
「そりゃ、生きる方が・・・。」
「なら帰るんだ。明日わしが送っていこう。もう寝なさい。つかれてるだろう?」
「・・・うん。」
ペンはあれを捨てられるのを覚悟した。
「寝室はとなりの部屋だからそこで休みたまえ。」
「・・・わかった。おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
ペンは寝室へ入って行った。
「ペンか、おもしろいやつじゃのう、むかしにあいつにそっくりだ・・・。」
すると引き出しのほうからなにか光っていた。小屋の中にものすごい風がはいってきた。
部屋の書物などが風で舞い上がっている。
「どうしたというのだ。」
ピピンははっとした。(たしかあの中は・・・)
ピピンは引き出しを開けうす白く光る珠をもちあげた。
「なぜ、これが・・・・・・ま、まさか!?」
ピピンは何かを理解したようだった。
「まさか、ペンが・・・」
翌朝ペンが起きてきた。ピピンはすでに起きていた。
「おはよう、ピピン。」
「おはよう、ペン。」
ピピンは待っていたようだった。
「おれ・・・帰るんだね。」
「・・・実はのぅ・・・。」
「???」
「ペン、おまえはいかなくてはならない。すすまなくてはならないようだ。」
「・・・どういうこと?」
「ひきつづき旅をしたまえ、おのずからわかることもあるだろう。」
「昨日、いくなって・・・。」
「ペン、いいか、人には使命があるんだ。わしだって誰だってある。
おまえさんは旅をする使命がある。」
「・・・なぜピピンが知ってるの?」
「・・・それはまだ言えん。」
「・・・わかった。帰らなくていいんだね。」
「そうだ。せっかくだからわしもついていこう。」
「えぇ!!!ピピンも!?」
背景父上様
さっそくおれに仲間ができました。名はピピン。ペンキ屋です。
旅するなとかしろとかわけがわかりません。
でもあのオクトパスについてなにか知っていそうです。
なんとなく心強いです。
旅はまだまだですが、必ず帰ってきます。
お元気で。
ちなみに魔女の森への道まちがえてましたよ。
ペンより
ペンの旅はまだまだつづく。
一日に二度投稿しました。
今回はくだらない要素がすくないです。
これからもまだまだつづくので
よろしく