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落第勇者の旅立ち

「王子さま、王子さま、起きてください。」

「なんだよ・・・、まだ6時じゃないか。寝かせてよ~。」

「王様が呼んでおります。」

「・・・あのクソオヤ・・・、父上がなんだって?」

「用事はわたくしもわかりません。はやくいってください。」

「・・・あと10分。」

「それは困りますよ~。怒られるのわたくしなのですから。」

「爺、おまえがこっそりたべてるおやつ、ほしくないのか?」

「うっ・・・、お、王子、知っていたのですか?」

「へん、知られたくなければ、おれを寝かすんだな。」

「お、お、脅しはやめてくださいよ~。王の命令に逆らったらわたくし、クビですよ。」

「・・・おまえ、いらなくね?」

「・・・はっ!?」

爺のどこかの線が切れた。

「わしだってな、わしだってな、こんな安時給なところではたらきたくねぇんだよ!!

給仕長なのに、時給800円ってどういうことだよ!松屋のほうが高いじゃねぇか!

あと契約30年もあるし・・・、やめたくてもあの、あほな王はやめさせてくんねぇんだよ!!

だいたい、おまえも生まれてまだ10年だろうが!!実社会ではな、年寄りは敬うんだぞ!!

この城のあり様はなんじゃ!!このまえ近所の奥さんにこの城ではたらいていることをはなしたら

「あっ・・・、そうですか・・・。お仕事たいへんですね」っといわれたときのあの残念そうな顔・・・、完璧わしニートだと思われたじゃねぇか!!!

名が知られてない城なんてきいたことねぇよ。そもそもこの城、存在する価値があるのか!?」

王子ペンは確かに、と納得し頷く。

「あぁ、なんてわしはかわいそうなんだ。わしの天使はどこに・・・。」

王子ペンは(だったら王の命令に逆らえよ。)と思った。

「わかったよ。いま起きたから。ちゃんと行くから。」

「ありがとうございます。王子だけがわしの天使さまです!!!」

すっかりさっきの本音をわすれた爺。

この城のなかでまともなのは自分しかいない。ペンは物心ついたときからそう思うようになった。

(だいたいなんでおれの名前・・・ペン!?)

クソオヤジはこの名前をおもいつくのに数カ月かかったそうだ。

とある有名私立中・高等学校へいったときに

「ペンは剣よりもつよし」

この言葉に衝撃をうけ、名付けたそうだ。ペンは自分の名前を人に知られたくなかった。


王座にいくと父親であるクソオヤジと、母親である王妃(この人も変)が椅子にすわり、

ペンを待っていた。

「遅いではないか。わが息子ペンよ。」

「クソ・・・、父上、なにか用ですか。」

「うむ、あわてるでな~い。ペンよ、も・ち・つ・け!ブはっはっはっは。」

ペンはイラッとした。

「あなた、とうとうあのことを・・・。」

「うむ、ペンはもう年が10。来るべき時期がきたのだ。」

「あぁ、かなしいわ。あのかわいいペンが・・・いってしまうのですね。

あぁ、わたしの天使はいったいどこにいるの?」

「お前の天使はわしだけだよ。」

ペンは部屋に戻りたかった。

「息子ペンよ、お前はこれから旅へ出かけなさい。そこで出会うたくさんの仲間をつれて、

大魔王オクトパスをやっつけるのだ!!」

突然のクソオヤジの言葉にペンは驚きをかくせなかった。

「なんで、おれが行かなくちゃならないの?」

「ばかもの!!おまえが行かないで誰がいくというのだ。われらの民は大魔王オクトパスによって

毎日恐怖にさらされてるのだぞ。民あってこその国だ。わしはこの老体ゆえ退治できん。

この国の未来はわしのような年寄りじゃなく、お前たち若い者が担っていくのだ。

そんな弱気だと誰もお前を王だと認めんぞ。王の素質を民に証明してみろ、ペンよ。」

クソオヤジは(わし、いいこというな~)と自分に酔いしれていた。

ペンも(このクソオヤジが・・・)と、認めたくないがクソオヤジを見なおした。

「あなた、違うでしょ、本当の目的をいわなくちゃ。」

「う、うむ。」

「???」

「実はの、ペンよ・・・わし・・・

あのオクトパスに・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

借金をしてるんじゃ!!」

・・・あたりがシーンとなった。しばらく沈黙がつづいた。

「どうしてもカジノをやりたくてな。あのオクトパスに600兆ほど借りたんだ。

結果はすべてパー。そのことをあやつにはなしたら裁判に訴えるとかいいだしたのだ。」

ペンは帰ろうとした。

「ま、待ってくれ、ペンよ。このままだと民は苦しむのだぞ。重い税をかけられ、

生活できぬ者がでてくるぞ。頼む、ペンよ。」

(いっそこのクソを片づけたほうがいいんじゃないか)とペンは思った。

「そういうことだ、ペンよ。お前は勇者だ。その証、勇者のあかしをお前に与えよう。」

あきらかに、まえにやめていった兵士の紋章だった。

「父上、勝手に決めんなよ!!おれはそんなくだらないことで・・・」

「あれ~、そんなこといって、い・い・の・か・な・?

お前が必死になって集めてたあのアイドルグループのグッズ、すてちゃおうかな?」

(て、てめ~)とペンは殴りたかったが、できなかった。


翌日、ペンは旅立つことになった。見送りはだれもいない。当然といえば当然だ。

クソオヤジから受け取った手紙を読んだ。

「我が息子ペンよ、オッハー。気分はどうだ?

いよいよお前の冒険がはじまるのう。まぁ、たのしんでこい。ヤッホーい。

ここからまっすぐ北へすすむと「魔女の森」という魔女たちが競い合っている森にたどりつく。

そこで、情報を収集したり、仲間となるものをみつけてこい。

それとかわいい娘がいたらわしに紹介しろ。まぁ、なにが待ってるのかわからんが、

お前の冒険をしてこい。いつでも帰ってきていいぞ。ただし分かっておるな。

帰ってきた場合あのアイドルグ・・・」

ペンは破り捨てた。跡形もなく破り捨てた。

「はぁぁ、」

ペンはため息をしながら、仕方なくまっすぐ北へすすんでいった。

これから何がおきることやら。

この物語はくだらなさをたくさんいれています。

しかしストーリーは読者のみなさんの期待を裏切らないよう努力します。

このお話は前々から、幼いころからずっと書きたいと思ってました。

文章をかくのが苦手な私に物語は書けるのか、

確かに表現力とかはまったく見られないと思います。

しかし下手でもなにかを伝えることができる。

読者のみなさんになにかを感じ取っていただければ幸いです。

マンガ家の手塚治虫はすごい人だとおもいます。

私のなまえ「ブッタ」も手塚治虫の「ブッタ」からとりました。

手塚治虫の作品は読み終わるとこころのなかになにかがのこる、

そういう名作ばかりです。

私もそのようなこころにのこる作品をかいてみたいのです。

おもしろかった、感動した、などなんでもいいのです。

ただ読者のみなさんの、こころの隙間をうめてみたいのです。

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