其の十六
伴蔵と山本志丈、江戸にて金無垢の開運如来を探して土手を掘っております。
「あ! あったよ! 伴蔵さん!! 本当にあったよ!」
「あたりめえだろ」
「すごいよー金無垢だよ! これ、5百、いや、千はくだらないよ! すごいよーこれ本当に山分け!?」
「おお。山分けだよ。男の約束でい。山分けしようや。
……あの世で、な」
伴蔵は志丈の首に合口を振り下ろしました。
……
ぎゃ!!……という声が風に……かき消されませんでした。
「御用だ!!」 「御用だ!!」
そこには大勢の同心が待ち受けていたのでありました。
今で言うところの、指紋調査も科警研もプロファイリング捜査もない時代ですが、
『犯人は必ず同じ場所に戻ってくる』と言うのは昔からそうだったのかもしれません。
しまった……!!
逃げた逃げた逃げた、勝手知ったる裏口を右、左、右、右、左に伴蔵は逃げ回りました。
後ばかり気にして走っていたからでございましょう。
つい、前を歩いていた男性とぶつかってしまいました。
「どこに目をつけておる!」
すると伴蔵は怯えたそぶりで男に哀願します。
「命を狙われてる!助けてくれ!」
「そういうことなら助太刀いたす。相手はどこだ?」
男が尋ねると……
「御用だ!!」 「御用、御用!!!!!」
ワアーっと大勢の人間に囲まれるのでありました。
……さて!ここで中間試験2でございます!!
伴蔵がぶつかったこの男、皆様……ご存じのはずでございますが、誰でしょうか……?
わからないなら今一度、頭からお読みになってくださいませ。 低頭。