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Guys with the Dragon Tattoo   作者: Coppélia
12月 Merry Christmas Mr. Lawrence
56/64

diary

【小望月夜の夢】


『I have a dream...』


こんな夢を見た。そこにはブラウン管を覗く「僕」を透過して、「世界」が映っていた。


当時の「日記」にはこうあった。


19630830

二、三日前にアメリカで大きなデモがあったと楠瀬が教えてくれた。黒人が白人に向かって「自由」を主張する!本当の「独立宣言」だ!


覗き込んでいるブラウン管の半分は赤とか焦茶色で、残りの中央1/3はペカペカな青色だ。端っこは緑色で額縁みたいに塗られている。


「この時はまだ、みんなで同じテーブルについて、一緒に食事をすることができると思っていたんだ」


振り返ると、僕が見ていたその小さなテレビのそばにあるちゃぶ台の前で、座布団もひかずにスーツ姿の黒人が籠に入った硬そうなライ麦パンに手を伸ばしながら溜息をついている。


「それは」


僕には「彼」が「なぜ」、2030年になってもモテ囃されるかがわかった。


【上弦月夜の夢】


19820904

ぼくはちょっとゾッとした。この人はいったいいくつ人格を持っているんだろうかってコワくなる。


暑い。あの夜のような、うだる暑さで目が覚めた。「それにしても暑いな」。いや、まだ、夢の中にいるようだ。


「そうだな」。振り返ると月明かりの下、いつもよくテレビで見る人がいた。何故なのかはわからない。だけどいつからか、僕はテレビの中に入って、気がついたら「スター」になっていた。


「で、そっちは」。「終わった。そういや、さっき、あんたが寝てる間に鰻重が来たんだが、みんなで食べちまった」。「あ?マジか。呼んでくれよ、俺も食べたかった」。「監督の差し入れだってよ。ああ、あんたの分はお綺麗なイギリス人がおっかなびっくり、箸付けてた」。


大仰に、滑稽な真似をした男は、唇だけ吊り上げた笑いで僕に目配せをした。僕はその視線から逃れるように横を向く。


視線の先、野戦病院の扉には尻尾の長いトカゲが止まっていたが、僕につられた男の好奇の目から逃れるように、ゆっくりと瞬きする時間でトカゲはいなくなった。


「今からホテルでスター様主催のパーティだ。あんたがいないと始まらない」。


いつもテレビで見ているこのコメディアンが、世界的な大スターの音楽家が、なぜか僕を待っているという。


身体を起こしながら、答えた。

「ああ、いま」僕は、誰だろう?


『Again, and again』

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