life,life time is gone
「3年1組のみんなへ
卒業おめでとう!
君たちは今までよくやってきた!
お世辞でもなんでもなく、君たちの頑張りは他の生徒や先生方、地域のみんなにとって励ましになりました。
君たちは私の、最高の生徒たちです。
そして、今日という日には珍しい名残雪の中、君たちはここから旅立ちます。
この降り注ぐ雪のように、私の若き友人たちの前途には、素晴らしいことも、嫌なこともいっぱいあるでしょう。だけど、これだけは忘れないでください。
きっと、明日はいい天気」
梅の花が雪で濡れた日、俺たちは先生に見送られ、次のステージに向かっていった。
◇◇◇
「えー、この講義は出席は問いません。その代わりに2つ、課題があります。その課題をクリアしないと単位はありませんので、よく考えてから履修登録をしてください」
この大学のウリである、現役ニュースキャスターの授業。その履修登録期間に宣言された「課題」。
ひとつ目は「夢」について、レポートを書くこと。ふたつ目は「手紙」を直筆で書くこと。
寝てる時の整理でも、起きている時の願望でもいいから、「誰かに伝えるために」文字にすることを求められた。
「まず、中間レポートの夢は、別に昨日みた夢の話でもいいし、未だ将来の夢は持てない、でもいいです。また、期末レポートの手紙の相手は誰でもいいです」
教室を出て、満開の桜で視界が華やかに染まったベンチから空を見上げる。
俺の夢はもう、終わってしまった。この大学に来たのは、夢の続きじゃない。先生に心配かけたくなかったから頑張っただけだ。
◇◇◇
高校までの教室とは違う、講堂というまるで古代の劇場、その中央に立つニュースキャスターは満席のオーディエンスに囲まれて、あたかも番組セットの中にいるかのように、訥々と話している。
「まず、中間レポートの夢は、別に昨日みた夢の話でもいいし、未だ将来の夢は持てない、でもいいです。また、期末レポートの手紙の相手は誰でもいいです」
そう言って、彼は最初の授業を終えた。
教室を出て、満開の桜で視界が華やかに染まったベンチから、空を見上げる。
俺の夢はもう、終わってしまった。この大学に来たのは、夢の続きじゃない。
先生に心配かけたくなかったから、頑張っただけだ。




