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Guys with the Dragon Tattoo   作者: Coppélia
8月 1919
39/64

死者の義憤

挿絵(By みてみん)

◯ホテル・スイートルーム・リビング (夜)

 相棒がテレビを観ている


借りたスイートルームのリビングで『why?Japanese people?』と、アメリカ人が日本人相手にコメディをしている番組を観て、アメリカ人である相棒(29)は、ソファで腹を抱えて爆笑している。


俺(29)フランス人、爆笑している相棒に「風呂、入ったら?」

相棒「(ソファの背もたれから仰け反り、俺を見ながら)ああ、もう少し待ってくれ。これ、面白すぎ。本当、日本来て思った」

俺「(テーブルに肩肘ついて呆れたように)確かに意味不明だよ。なんだ、あの人?日中はプロダクトマネージャー、夜はカフェの店員って」

相棒「あの眠ってる人、面白いよね。港区のでっかいビルでアプリの稼働実験とかさ、とても先進的な取り組みを見せて貰ったあとに、夜の待ち合わせに新宿のカフェ指定してきて、店員で登場とか忍者だよね」

俺「日本にもう忍者はいないだろ。いるならスパイだ。まあ、あの人は確かに怪し過ぎるけど」

相棒「でも、あの人、気がついたらいる感じしない?俺たちの工場も、あの最小限で拡張性高いアプリがスパイみたいに活躍するんだ。プロダクトマネージャー or カフェ店員, and Ninja!」

2人「why?Japanese people?」

2人で目を合わせて、爆笑する。


俺「風呂入って飯にしようぜ?」

相棒「そうだな。今日のご飯当番はそっちだけど、何かな?」

俺「(じゃーん)特製ポトフとチーズ、バタールのサンドはバインミー仕様だ!」

相棒「それは美味しそう!早く入ってこよう!いつもありがとう!」

俺「いいって。早く入ってこい。温めておく」


◯同、相棒と食事している


相棒「(バインミーを頬張りながら)これ、うますぎ!鯖の塩焼きに野菜たっぷりでレモンの酸味となんだろ?」

俺「(ポトフを食べながら)んん?ああ、ジャパニーズビネガー?赤酢だな。日本酒の粕から作るビネガーだ」

相棒「へー。モルトビネガーとかバルサミコみたいな?」

俺「そんな感じだな(水を飲む)」

相棒「んー。美味しい。あ、はい(水をカップに注ぐ)」

俺、注がれる水を注視する

   ×  ×  ×

(フラッシュ)相棒の親父、金持ち。俺の親父、貧乏。

今から20年前、相棒の親父のクルマに猫が入り込んでしまったのを、俺の親父が猫を取り出した。


相棒の親父おやっさんは感謝して、俺の親父を家に招待した。そして、息子である相棒に会わせた。


相棒は親父に懐いた。俺の家は貧しかったが、相棒が来るからとおやっさんは親父に便宜を図った。親父はおやっさんの部下になり、俺はメシが食えて大学も出れた。そして今は相棒が作った化粧品メーカで副社長をしている。


今回もおやっさんから相棒のお目付け役を頼まれたから来た。1月の旅で5000ドルのギャラが入る格差社会。どこまでも相棒を超えられない。 

  ×  ×  ×

食事の手が止まる、俺

心配そうになる、相棒

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