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Guys with the Dragon Tattoo   作者: Coppélia
end roll/東風
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Merry Chrismas Mr.XXX

挿絵(By みてみん)


「ん、んんん?」


16時48分発の新宿行きに乗ったのは間違いないのです。


でも、もう窓の外は真っ暗。

最近は終電帰りが続いていたから気が付きませんでした。


空は蒼黒とオレンジが白い光で区切られているところ。

住宅の明かりがぽつぽつ。クリスマスのイルミネーションが綺麗です。


外の景色も気になりますが、後ろの男性2人組の様子もさっきから気になっていたりします。


「いえ、別に。」

「そうか。まあ、お前ならやれると思うんだ。どうかな?」

「っ。先生には部活も、進路でもお世話になったこと、感謝しています。親の説得とか、奨学金とかも。なんでこんなに良くしてくれるのかなんて。」

「いや、俺は先生としても、人生の先輩ってやつにしても当然のことしかしてないよ。決めたのはお前なんだ。よく頑張った。あとは受験、頑張れよ。」


先生と生徒。ド定番なシチュ。うーん。あおはるですなー。彼らのちょっと甘酸っぱい雰囲気に気恥ずかしくなって、デジタル広告に視線を移します。


見上げた先にはジャズコンサートのお知らせ。

『本を読みながら聞く生演奏のジャズ』という新しいことに挑戦する2人組ですか。20年前のイケメンといった感じは嫌いではありません。場所は下北沢。行ってみようかな。


そのまま目線を下げれば、ガラスの中で前の席のお兄さんの後頭部がひとりで楽しそうに揺れています。そっと伺うと、目を瞑っていますが、眼鏡イケオジ確定。目の下のクマとスーツ姿がよれているところもグットポイント。


『新百合ヶ丘~』


ちょうど彼の隣が空いたので座ります。お兄さんは大柄な人のようで、座席をはみ出さないように気を付けて座っています。


「あの、なにか?」

あら、視線に気が付かれてしまいました。


「あ、すいません。楽しそうに見えたので何を聞いているのかなって。」

「ああ、落語です。音声だけでも十分にどんな光景なのかを想像できるので楽しいですよ。」

「そうなんですね。」

「最近、笑えていないと上司に言われまして。いま、笑おうと頑張っているところです。」

「笑うと免疫力アップと言いますよね。」

「ですね。ちょうどこれから上司と会うので報告義務がありまして・・・。」

まじめな顔でおどけたことをいうのでつい笑ってしまいました。

「応援しています。」

「ありがとうございます。いってきます。」


しっかり笑った疲れ果てたイケメンさんに手を振っていたけど、あー!!

私もこの駅で乗り換えです!!あああ。


『ぷしゅー』無情にも、ドアは閉まりました。


慌てて携帯で調べれば、新宿から大江戸線に乗り換えでリカバできそう。良かったー。


『新宿~。終点新宿です。ご乗車いただきありがとうございました。』


久しぶりに新宿駅で降りる。うわ。イルミきれー。おしゃれな「♪~♪~♪」ん?素敵な音色にひかれて少しだけ、寄り道したいかも。

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