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 用意されたソフトクリームを食べ終えた後、樹は美怜が用意した家に入る。


「・・・なにもないね」


 家に入って思ったことは、その一言だった。


 まるで引っ越し先を探して訪れた時のような部屋だ。


 家具家電が一切存在していない。


『家を所望しましたので、それ以外用意しておりません』


 ソフトクリームが欲しいと願っただけなのに、色々付属品を付けた数分前の事は何だったのだろうか?


 まあ、ここで突っ込んでも素知らぬ顔で無視されるだろうから何も言わないけど


「・・・・ならまた願えばいいの?」


『肯定 もしくは美怜に任せて頂ければご用意致します』


 なら任せようかと考えたが、先程ホラー物の机を思い出し、絶対碌な家具を揃えないことが目に見えたいたので拒否することにした。


『・・・・・・・』


 そして、俺の考えを読み取れる美怜からどこか不機嫌そうな気配が感じられる。


 なんでホラー的な物を否定すると不機嫌になるのか意味がわからないが、わからないので無視することにした。


(流石に、美怜の趣味に任せて壁に血文字など書かれた部屋とかには住みたくないからね)


 そんな落ち着かない家には住みたくないと思い、樹は生活に必要な一般的な家具を想像していった。


 ベッドにテーブルにソファー、冷蔵庫や洗濯機などなど独り暮らしで必要そうな家具家電を想像していく。


 そして出来上がったのが


「なんでベッドの上にテーブルや冷蔵庫が乗っかってんだ? それも何で天井ぶち破って積み上げられてんだよ!」


『貴方様が想像した通りの順番に作られていくのですから積み上げられるのは必然かと』


「そこは気を利かせて並べてくれよ」


『そう申されましても、貴方様が想像したのは単体でのみの想像です。私は貴方様が想像された通りに作ることしかできません』


 さっき気を利かせて食べ物以外色々と用意してくれただろ。


 いや、あれは俺が何の想像もせずに、美怜にお任せしたんだけどさ。


「だったら、配置も込みでちゃんと想像すればいいってこと?」


『肯定 何がどこにあるのかしっかりと想像して頂ければお作り致します。ただしテレビなど電気機器はどのように使うか明確に想像してください。流石に配線一本一本まで想像は必要はございませんが、何に使うか明確に決めていなければ作っても使用することができませんので』


「了解」


 色々作れると言っても結構制約があるようだが、実質無から有を生み出せる力。


 マジで神様張りにヤバイ力である。


 それから樹は明確と言うか、慣れ親しんだ元の部屋を想像し内装を作り変えていった。


 面白半分でシャンデリアとか作ろうかと思ったが、そもそもシャンデリアなんてまじまじと見たことないので、明確な想像などできる訳もなかった。


 と言うかシャンデリアって内側にライトが着いていたりするのだろうか?


 それとも外側からライトを当てて反射させているのだろうか?


 わからん。


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