レンドンの街 ②
先ほど間違えて同じ話を投稿してしまいすみません。
あげなおしますので、よろしくお願いします。
あとサブタイトル変更してます。
わたしはパパに手を引かれながら、レンドンの街を歩いている。
パパと一緒に歩いていると、何だか楽しい。はじめての街だからというのもあるけれど、何よりもパパが一緒だからこそ、わたしは楽しいと思った。
「パパ、どこ行く?」
「ベルレナが行きたい場所でいいぞ。何処に行きたい?」
「んー」
わたしはパパの言葉にあたりを立ち止まってきょろきょろと見渡す。
道の中心で立ち止まると邪魔だから、パパに手を引かれて道の端っこに向かう。
こういう大きい街に来るのは久しぶりだ。前にパパと一緒におでかけをした時は、我儘を行ったらパパに嫌われるのではないかってそれを考えてしまっていた。
今は、パパがもっと我儘をいっていいといってくれたから。
きょろきょろと見渡すと、沢山のお店がある。いくつも並んだランプの前で、パパとのんびり過ごすのも楽しそうだし、パン屋さんのパンも美味しそうだし、お洋服を見るのも楽しそう。うーん、沢山のお店にわたしは目移りしてしまいそうだ。
どこにしよう。なんだか楽しそうなものが沢山あって悩んでしまう。
「パパ……」
「どうした、ベルレナ。何だか困った顔してるぞ」
パパがわたしの目を真っ直ぐに見て、問いかける。
パパの目はやっぱり綺麗。お月様みたいな黄色の目がわたしは大好きだ。その目を見ているだけで何だか幸せな気持ちになるぐらいに、綺麗だと思っている。
「あのね。行きたいところが沢山あるの。それでね、わたし、選べなくて……」
「ああ、それで困ってたのか? 全部行くでもいいが」
「んー、出来たら色んなものはみたいけれど、全部見るのは難しいよ」
「それもそうか。でも本当にいきたいところを直感で選べばいい。行けなかったところは次に行けばいいだろう。俺はベルレナがきたいというなら幾らでも此処に連れてくるぞ」
「わかった!! えっと、じゃあね――」
パパは幾らでも連れてくるといってくれた。どこにいこうか、どうしようか、折角にパパと街に来たから――と考えていたけれど、そういう難しいことは考えずにわたしが行きたい場所でいいらしい。
私はパパの手を引いてまず、小さなランプが売られているお店に向かった。
このレンドンの街が色とりどりのランプが有名な街というのもあって、この街を訪れる人々に対して小さなランプをお土産として売っているらしい。確かに大きなランプは持ち帰るのも不便かもしれないけれど、手のひらサイズならばとても可愛い。
それに色んな形がある。そうやって色んな形があるのは面白いと思う。この小さなランプは、実際に同じ形の大きなものがレンドンの街に並んでいるらしい。
珍しいランプは、街中でも数が少ないらしくて、その珍しいランプを見つけるという催しもやっているらしい。そして全部見つけたら景品をもらえたりするらしい。素敵!! とても楽しそう。
「ね、パパ、その催しやってみていい? 一緒にやりたい」
「いいぞ。もちろん」
「ありがとう、パパ。パパ、あとさ、わたし、この形のランプ可愛いと思うの。パパにはこっちが似合うと思うんだ。お月様!! パパの瞳はお月様みたいで綺麗だもん! だから、これほしいの!!」
「そうか。じゃあ、ベルレナにはこれだな。星のマークだ。ベルレナの瞳は俺と同じ色だけど、ベルレナはどちらかというと星みたいにキラキラしているイメージだから。あとはこっちか。赤いランプ。これもベルレナらしいと思う」
「本当!? じゃあ、わたし、この二つともほしい!!」
パパがわたしのことをそんな風に表してくれることが嬉しかった。パパがわたしのことを優しい瞳で見つめてくれることが嬉しかった。
そしてパパはわたしがパパみたいとあらわした小さな手のひらサイズのランプと、パパがわたしのようだといってくれたランプを二つ買ってくれた。なんだか宝物が増えた気持ちで嬉しい。
この小さなランプをどこに飾ろうか?
そうおもうだけでわくわくしてしまう。
その小さなランプのお店を出た後は、お店で聞いた催しの詳細を聞くために街の役所に向かった。その役所で催しに参加する手続きが出来るんだって。全部見つけたら役所に言えば景品をもらえるんだって。
役所に向かう最中にわたしははしゃいで小走りで、こけそうになってしまった。そしたらパパがまたわたしを抱っこしてくれた。
抱っこされたまま役所に到着する。
役所も壁に沢山ランプが飾られていて、とても可愛い見た目をしていたの。わたしは一目で気に入った。他の街から来たらしい同じ年ごろの子どもたちも、役所の周りで楽しそうに親に「この建物すごーい」と報告していた。
役所の中で催しに参加したい旨を伝えて、紙をもらう。この受け取った紙に書かれたランプを街中で見つけたら、そこにいる役所の職員さんがサインを入れてくれるんだって。
それが見つけた証だというの。とても楽しそうな催しで今からワクワクしていた。
「お嬢ちゃん、頑張って見つけるんだよ。見つけたら景品を渡すからね」
「うん!! わたし、見つけて報告にきます!」
役所の職員の男性に話しかけられてそう答えたら、職員さんは笑顔になってくれた。
「パパ、どっちならあると思う?」
「こういう催しをするぐらいだから、見つけにくい場所にあるんじゃないか?」
「そうだね!! 一緒に探そう!! 絶対に見つけたいな!!」
そう言ってわたしが笑えば、パパは笑って頷いてくれた。




