ニコラドさんの弟子に会いに行こう ①
試験が終わった後、わたしは一度、パパとママの元へと帰った。宿屋へと向かうと、二人とも笑顔で迎え入れてくれた。
もしかしたら二人でお出かけをしていたりして、帰った時に居ないかな? と思ったりもしていたのだけど、二人ともわたしが帰ってくるからって部屋で待っていてくれたみたい。
パパもママもわたしのこと、大好きだよね?
なんて思っていたら、パパから「ニコラドがこれから来るらしい。弟子を紹介するって」と言われた。
ニコラドさんには受験をする日を伝えていたので、それに合わせて、来てくれるみたい。ニコラドさんのお弟子さんのこと気になるなぁ。
わたしはそんなことを考えると、嬉しくなる。
「試験はどうだった?」
「座学は問題なく解けたし、実技もちゃんと披露出来たの! なんかね、見たことない魔法を使っている人もいたんだ。凄く楽しかったなぁ」
パパとママは魔法で見守ってくれたりはしていなかったみたい。そのあたりはわたしなら大丈夫って思っていてくれたからかな。
それにしてもパパもママも、わたしの言葉を嬉しそうに聞いていて、その表情を見ているだけでわたしも幸せな気持ちでいっぱいになるね。
「それならよかったわ。それにしてもあなたが見たことのない魔法って気になるわ」
「えっとねぇ、その魔法は――……」
それからわたしは二コラドさんがやってくるまでの間、実技で見た魔法について語るのであった。
「ベルレナ、試験お疲れー!」
しばらくしてニコラドさんが元気な笑みを見せながら、そう言って現れる。
ニコラドさんもわたしが学園の試験に落ちるとは一切思っていないみたい。わたしなら大丈夫だって言われると何だか嬉しいね。
「ベルレナが試験を受ける歳になるとか、時の流れを感じるなぁ。出会った時はこんなに小さかったのに」
なんていいながら、ニコラドさんは笑っている。
「もう、ニコラドさん。流石にわたしもそこまで小さくなかったよ! もっと大きくなるもん!」
わたしの言葉を聞いても、ニコラドさんは相変わらず楽しそうだ。
わたしは同年代の子の平均ぐらいの身長はある。とはいえ、パパとママみたいに背は高くなれるかは分からない。
わたしの身体はパパを元に作られたもの。だからパパと同じぐらい背が高くなるかなと思っていたのにそうではないみたいなんだよね。
そもそも背の高い人から産まれたからといって、その子供が全て背が高くなるわけでもないもんね。
わたしは自分がどんな大人になるのかなって考えるだけで楽しみだ。
「ははっ、そうか。そうそう、弟子もベルレナに会うことを楽しみにしているから、行くか」
「弟子さん、何処にいるの?」
「外で会うと余計に目立つから、個室のレストランを取っている。そこに行こう」
ニコラドさんからそう言われて、わたしたちはそのレストランに向かうことにした。学園長ってやっぱり目立つんだろうな。
この学園都市って、わたしが通う予定の学園の他にも様々な教育機関が存在している。その教育機関の中でも、通う予定の学園が一番有名らしい。
まぁ、貴族も多いしね。
そもそも魔法使いたちの中でも、有名な人のはずだもの。そんな人が弟子だなんてニコラドさんは凄いなと改めて思う。
思ったよりもずっとニコラドさんって凄いんだなって知れば知るほど思う。
ニコラドさんとは長い付き合いだけど、いつも屋敷でばかりあっていたからそれ以外のニコラドさんってたまにしか分からないんだよね。
だからこうしてニコラドさんのことを知れるとなんだか楽しいね。
「ディオノレとジャクロナが揃っていると、あいつは怯えそうだなぁ」
「なんで怯えそうっていいながら楽しそうなの?」
学園長は魔導師であるパパとママに会うと怯えそうらしい。ニコラドさんは師匠だから平気なのかな?
学園長って立場の人でも魔導師に会うことって中々ないのかもしれない。
「だって面白いだろう? あいつ、ベルレナが学園に通うかもしれないっていうだけで凄い慌てようだったからな。もし何かあったらディオノレ達の怒りを買うって、俺に助けてくれっていってたぞ?」
そんなことを楽しそうに言われる。
ニコラドさんは学園長のことを大切な弟子だと思っているんだろうな。可愛がっているんだろうね。
七十歳とからしいけれど、ニコラドさんからしたらいつまでも弟子なのかも。
ニコラドさんの弟子、どんな人だろうとワクワクしながらレストランに到着する。
「はじめまして、わたしはベルレナです! よろしくお願いします」
そして個室に辿り着いたわたしは、そう言って笑いかけた。
そんな私と正反対に、ニコラドさんの弟子である学園長はとても緊張した様子だった。子供のわたしにそんなに緊張しなくていいのにね? なんて思うけれど、パパとママのことが怖いのかもしれない。




