夏が来て、パパとママと遊びに出かける ⑧
料理を部屋へと運ぶ。一人では運びきれないから手伝ってもらった。もちろん、「ありがとう」ってお礼は言ったよ。それにお礼として作った料理の一部を渡したよ。やってもらってばかりも少し嫌だなって思ったから。
笑顔で受け取ってくれてよかった。
「パパ、ママ! わたし、頑張って作ったから良かったら食べて?」
わたしはそう言ってパパとママへと笑いかける。
それにしてもパパとママって、食事を摂っている姿も綺麗だなぁ。どんな仕草をしていても、とても綺麗なのって凄いよね。わたしも周りから綺麗だなって思ってもらえるようにしたいなーってそんな願望をいつも思う。
「美味しいな」
「美味しいわ。作ってくれてありがとう」
パパとママがそう言って笑ってくれて、わたしも嬉しくなった。わたしも一緒になって食べてみる。
味見した時も良い出来だと思っていたけれど、我ながら美味しく出来ていて大満足している。
こうして美味しく料理が出来ると、凄く嬉しいな。
「この街で食べられている料理をね、勉強して作ってみたんだけど美味しく出来て良かった!! やっぱり作れる料理が沢山増えると楽しいなぁ。もっといっぱい学んで、パパとママに作ってあげられるようにするからね」
ご飯を作るのが好きなのは、やっぱり食べてくれる人がいるからなんだろうなとは思う。一人だったらわたしはこんなにも料理を作ることを好きだとは思えなかっただろう。
学園に行ったら、流石に料理を作る機会は少なくなってしまうかな。仲良くなった人が居たら、料理を振る舞ったりはしたいかもしれない。
学園に行ったら、それだけ料理を学ぶことも出来るだろうし、楽しみだな。
「ああ。楽しみにしている」
「ふふっ、ベルレナは本当に勉強熱心ね。そうやって一生懸命、色んなことを学ぼうとする姿勢はとても素晴らしいことだと思っているわ」
パパもママもわたしのことを凄く褒めてくれる。そうすると凄くやる気が出てくる。
「そういえばね、パパ、ママ。街をぶらぶらしていたら、悲しんでいるお姉さんを見かけたの。失恋しかけていたって言ってた」
わたしは離れている間に何をしていたか、パパとママに沢山話したくなった。なんだろう、全部知って欲しいみたいなそんな気持ちでいっぱいになるの。大好きな人達にはわたしのことは知って欲しいって思うし。
でもあれかな、好きな人が出来た時に色んなことを話しすぎるのは人によっては煩わしく思われたりもするのかな。
「そうなのか」
「そうなのね……。そんなに落ち込んでいたの?」
パパはあんまり興味がなさそう。パパってやっぱり恋愛に関する興味が全然ないよね。逆にパパが恋愛に興味津々だったら、パパではないんだけど。逆にママは興味があるみたい。ママもパパのことが大好きで仕方がないから、失恋のことを考えると色んなことを思ってしまうんだろうな。
失恋って、人によっては軽いものだったり、重いものだったり様々ありそう。恋多き人とかも居るだろうし。そういう人だと恋人が沢山居たりとかするのかな。そう言う人の話も結構聞きたいかも! わたしの周りってどちらかというと一人相手に恋している人とか、恋愛に興味ない人とかばかりだもんなぁ。なんてそんなことを思った。
「うん。この世の終わりってぐらい落ち込んでいて、びっくりした。それに本当に振られているかどうかわからない感じだったの。だからお話をしたらどうかなって伝えたら、お姉さんは帰っていったんだけど、上手くいったらいいよね」
わたしはそう言ってパパとママににこにこと笑いかける。
思い返してみてもお姉さんの話ってやっぱり本当に失恋したかどうかわからないもん。
「そうなのか。……そんなに複雑な状況なのか?」
「パパ、面倒そうだね? パパってなんていうか、女心とかよく分かってないよねぇ」
パパって完璧な人に見えるのに、全然そんなことがない。というか、性格面でいったらモテるタイプでは多分ないんだろなって分かる。わたしにとっては自慢のパパだけどね!
「だって、面倒だろう。振られているかどうかも理解していないってそんな相手と話したくない」
「ふふっ、パパらしいなぁ。でも今日あったお姉さんは確かにパパとは合わないかもね。でもパパって普通に学園生活送っていたんだよね? パパってば、そんな調子で大丈夫だったの? なんだか孤高な感じで、人とあまり関わらずに過ごしていたんだろうなって想像出来るけれど」
「……まぁ、そうだな」
パパらしい! あれだね、学園でパパみたいに人と関わらない系の生徒が居たらどうしよう? わたしに喋りかけられたくない人も居そうだから、観察してから喋りかけてもよさそうなら喋りかけるべきかなぁ。
わたしはそんなことを考えていた。
そうしてその街でしばらく楽しく過ごして、わたしたちは家に帰宅した。
パパとママの仲が少しは進んだかな? と思って嬉しいな。




