春の日、学園に向かうための準備を色々進めている ④
「ははっ、まぁ、そういうのならば一旦止めとく。俺もベルレナがディオノレとジャクロナのことを邪険にするなんて全く想像はつかないが……そういう想像もしておいた方がいいだろう? 急にベルレナが反抗期にでもなったら、ディオノレ達がショックを受けることは間違いないからな」
そう言いながらニコラドさんは相変わらず楽し気に笑っていた。
ニコラドさんって本当にいつでも楽しそうだよね? いつもこうやって楽しそうでいいなぁと思う。
「わたしは多分、ずっとパパとママのことが大好きだよ! それにしても学園に通ったらお友達は沢山作りたいなと思うけれど、仲良くしてくれるかなとかだけ心配かも?」
わたしはお友達が出来たら、どれだけ楽しいだろうかと考えている。ただし、わたしは同年代の子達と一緒に過ごしたことは全然ない。だから上手く出来るのかさっぱり分からない。
わたしはあまり人に嫌われるタイプではないと自分では思っているけれども、それってあくまでわたしが思っているだけなんだもん。だから、どうなんだろうなって実際のところは分からないかも?
「ベルレナと仲良くしたい奴はいっぱい出てくるだろうな。同じ年頃の子供の中でも、ベルレナは魔法の腕が素晴らしいからな。特に魔法に興味を持つ連中だと、近寄ってくるだろう。あとは見た目も可愛いし」
「そっかー。なら、楽しみかも! でも一斉に話しかけられたりしたら、全員に返事をしたり出来なさそうだなぁ」
わたしは一斉に話しかけられたら、全て聞くなんてことは出来ないと思う。それに学園で色んな人がわたしと仲良くしたいと言ってくれるのならば、それは嬉しいけれど……全員と仲良くするは多分出来ないんだろうなと思った。
その時に、誰と仲良くして仲良くしないか……それを私は考えて行かなければならないのだろうなと改めて思う。
「好きなように付き合いをすればいい。人によっては逆恨みするような馬鹿もいるかもしれないけれど、どうにでも出来るからな」
「うん! そうするね!」
ニコラドさんの言葉にわたしは勢いよく頷く。
それにしても逆恨みかぁ。正直仲良くなりたいって話しかけて冷たくされたとして、今日は機嫌が悪かったのかな、わたしと仲良くしたくなかったのかなと落ち込むぐらいじゃないのかな。
それなのに逆恨みをするような理由って何一つないのになぁってそんな気持ち。
「同じ年頃の女の子と一緒に洋服を見に行ったりとかするのも楽しそうだなって思うの。学園に通うわけだし、仲良くなった人はわたしが魔法をどれだけ使えるかも知っているだろうし。だから余計に何も気にせず楽しめそうだよね」
わたしが魔術師の娘であることとかは、よっぽど仲良くならないと話すことなんかできない。
それでも、魔法を習いに学園に行くってことだからわたしらしくは居られそう。
パパとニコラドさんみたいに仲が良い友人関係、凄く素敵だなって思っているの。だからわたしもね、そんなお友達が出来たらきっと楽しいだろうなとそう考えている。
「そうだな。まぁ、仲良くする際は色々と気を付けてはおけよ。ベルレナみたいに目立つタイプと親しくする連中の中には予想外のことを起こす連中もいるから」
「うん。新しく誰かと仲良くする際は気を付けるようにしておく! わたしにとっては良い人でも、実際はどんな人か分からないだろうし」
ニコラドさんも中々心配性だよね。親というわけでもないけれど、わたしのことを娘のように可愛がってくれてはいるのだ。だから色々助言をくれる。
わたしは自分が可愛らしい見た目をしていることも、パパの作ったホムンクルスの身体だからこそ魔法の適性が様々あることも、目立つことなのだ。
わたしは学園生活を一生懸命頑張るつもりだから、余計に色んな人と関わることにだってなるもんね。
そんな会話を交わしながらも、幾つかお出かけ用の洋服などを購入したの。
また学園に入学前にトレンドの洋服を送ってもらうか、とりにくるかすることにした。
やっぱり王都のような都会だと、洋服の種類も沢山で楽しかった。
わたしは可愛いものが大好きだから、こういうお店くるとワクワクする。それにね、パパとママとニコラドさんの服も選んだよ。
わたしがね、三人の服を選びたいって言ったら選ばせてくれたの。
店主がパパたちが魔導師であることを知っているから、それも踏まえた上で選べるからとても良い感じだった!
「ニコラドさん、この後はどうするの?」
そしてお店を後にしてからニコラドさんにそう問いかけてみる。
ニコラドさんは一瞬考えたような素振りをして、何かを思いついたように楽しそうに笑った。
「じゃあ、美味しいものでも食べにいくか?」
ニコラドさんはそんな提案でもする。
ニコラドさんは王都にも詳しいんだろうな。どんな美味しいものが食べられるんだろう?




