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お誕生日は、楽しく過ごす ⑥

「あれだね、告白されてしつこかったら「わたしはパパより強い人がいい」って言えば諦めてくれるかな? あ、でもそうなると誰とも付きあったりできなくなりそう」



 わたしはそんなことを口にする。



 パパとママはわたしの意思をきちんと確認してくれる人だ。だから、私が選んだ人ならどんな人でもきっと受け入れてくれようとはすると思う。



 親バカな部分も多いけれど、本人である私の意思を妨げるようなことはしないから。

 強い人って一言で言っても純粋な力だけではなくて、心の強さとかもきっとあるだろうしね。

 そうなると、どうだろう? わたしはあなたを好きではないって、そういうことをきちんと伝えるべきなのかな?




 別にね、その場にとどまる時間が少ないのならば冷たくあしらってもいいのかなとは思っている。ただ学園生活って、結構長いんだよ。全部通うとしたら六年間もあるの。

 だからそこでぎすぎすしてしまったらちょっともったいない気がする。

 あまり関係が悪くなる人ばかりが揃うとちょっと楽しくなくて嫌だなとは思っているもん。出来れば仲良く出来た方がいいし。

 だけれどもちゃんとはっきり言わないといけない部分もあるよね。




「そうねぇ。ディオノレに勝てる生物なんて世の中にはほとんどいないわ。だから、難しいわよ」

「俺はその条件で構わないが」

「待ちなさい、ディオノレ。そんなことを言ったらベルレナが誰とも付き合うことが出来ないでしょう? ほら、ベルレナはこんなに可愛くて、恋することにも、誰かと付き合うことにも夢を見ているのよ? いつか誰かに恋をすることを考えて楽しそうなの。ディオノレが男性を排除していたら、嫌われてしまうわよ?」

「……善処する」



 パパとママがそんな会話を交わしていて、思わず笑ってしまった。




「もう、パパは本当にわたしのことが大好きだね? わたしはね、好きな人が出来たらパパに紹介するからね?」

「……そうか」

「もうっ、パパってばそんな顔をしないでよ。ちゃんとね、わたしのことを受け入れてくれる人だといいなって思っているの。ほら、わたしって神の悪戯の被害者で普通とは違う過去を持っているでしょ? わたしはね、大切なことはちゃんと好きな人には言っておきたいなって思う。隠したくもないし。向こうからしたら、わたしが……ホムンクルスであることを知ったら嫌かもしれないでしょ?」





 わたしにとって、パパが見つけてくれたこと、わたしに身体をくれたこと、ベルレナとして生きていけること――それらの全てが全部大切な思い出。

 宝物と言っていいのかもしれない。




 わたしはパパが居てくれるからこそ幸せで、パパに出会えたからこそわたしが居る。

 だけどよくよく考えてみると、ホムンクルスって存在を嫌だって思う人もいるかもしれない。




 普通じゃない身体と、魔導師の娘であるという立場。それにわたしは同年代の人達よりもずっと魔法を簡単に使える。

 そういうところも含めて、怖いとか、嫌だって思う人って多分居ると思うの。

 普通と違う存在とか、見慣れない存在のことを知らないからって恐れる人も多いし。

 パパとママだって、わたしにとっては大切でどんな性格か知っている。だけれどもパパとママが魔導師だと知れば、怖いって思う存在はきっといるんじゃないかなってそんな風にも思う。

 それと一緒で、わたしのことも恐ろしいとかそんな風に思ったりする人もいるんじゃないかな。





「ベルレナのことを否定するようなことを言う存在が居るなら言え」

「あら、ディオノレ、排除する気? もう、ベルレナは学園に入学したら徐々に自立していくことになるのよ。あまり過保護すぎないようにした方がいいわ」

「パパ、ママ、大丈夫だよ。わたしはね、ちゃんと自分で解決できるように頑張るつもりだよ。どうしても駄目だった時はパパとママに相談するけれどね? でもあれだよね、言っても問題ないって思って告げても、駄目だった時って困るかも。言いふらされたりするかもしれないよね」




 うん、そういうことを考えていると何とも言えない気持ちでいっぱいになった。



 信用出来ると思って告げて、そうじゃなかった時って怖いよね……。

 わたしは、今、信用出来る人たちに囲まれている。わたしのことを大切にしてくれていて、わたしのことを魔導師の娘だって知っている人達ばかり。

 だけれども、そうじゃなかったら多分大変……。




 わたしはそう考えると、人が沢山いるところにいくのって少し怖いかもなんても思った。

 だってね、世の中優しい人たちや話が通じる人たちの方がきっと多いの。それでも……そうじゃない人もいるんだ。



「そうだな。記憶でも弄ればいい」

「そうね。そんな裏切りが発生してしまうことはきっとあるわ。私も……魔導師だと知られてから化け物のように言われたことはあるもの」



 パパとママは何も心配していない、といった様子でそう言い切る。



 なんというか、パパとママって凄いよね。こんなにも何かあったとしても問題がないと、笑っている。

 パパとママが居れば、きっと何があったとしても大丈夫。



 それが分かるから、わたしもきっと何かあっても大丈夫だろうなと思った。というか、わたしもね、見る目はある方だと思うんだよね。だから、きっと大丈夫なはず!!


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