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街へのお出かけと、可愛い女の子との出会い ⑥

「パパ、ママ、行くよー!」



 わたしは朝からパパとママにそう言って声をかける。



 パパは朝に弱いから少し眠たそうで、ママも朝はそこまで強くないからか動きが鈍い感じがする。

 やっぱり二人とも似た者同士だなって笑ってしまう。

 違う部分もあるけれど、似ている部分も多くて、パパとママってお似合いだなって勝手に思っている。

 宿で顔を洗って、身だしなみを整えて一緒にパン屋へ向かう。



 パン屋は朝早くからやっているので、早い時間から出かける。

 朝日が眩しくて、青空が広がっていてとても気持ちが良い。



「凄く天気が良くていいね!!」



 雨が降っていてもそれはそれで楽しい。魔法を使えば雨をしのぐことは簡単に出来るけれど、晴れているのも大好き。

 ただ傘でもおしゃれが出来るから、可愛い傘もいいと思うの。

 傘も色んな絵柄のものがあって、それも素敵だなって思うから。なんだかそういうことを考えていたら傘を買いたい気持ちになった。



「そうだな」

「ええ。良い天気ね」



 二人と手を繋いで街を歩くだけでなんて楽しいのだろうか。

 朝早いとあまりお店は開いていなかったりする。でも朝早くからお仕事をしている人たちの姿もある。



「ママ、あのお店、ちょっと可愛いね。まだ開いてないみたいだからあとで行こうよ」



 しまっているお店の一つがなんだか可愛い玄関飾りがつけられていて、買い物したいなって思った。

 今いるこの街は結構大きくて、色んなお店がある。

 昨日一人でぶらぶらしたけれど、まだ行きたいってお店が沢山あるもん。

 こうやって一つの街を見るというだけでも本当に楽しいなと思った。




「ええ。見に行きましょう」



 ママが一緒に買い物をしてくれるというだけでも嬉しくなる。



 そうやって会話を交わしながらパン屋へとたどり着く。

 パン屋の中へと入ると、昨日挨拶をした夫婦が声をかけてくる。



「ベルレナちゃんだったかな。エルシーに会いにきてくれたの?」


 優しい笑みを浮かべたその人は、エルシーのことを呼んでくれた。




「ベルレナちゃん!」




 奥の方から出てきたエルシーは、シンプルな白いエプロンを身に着けていた。元が可愛いからか、そのシンプルなものでも本当に可愛い!

 もっと可愛いエプロンとか着せたいなぁなんて思ったりするけれど、急にそんなプレゼントしたら迷惑かな?

 わたしはそんなことを思いながら、エルシーに話しかける。




「エルシー、おはよう! 朝から遊びにきちゃった!」

「おはよう。早速会いにきてくれてありがとう。この人たちがベルレナちゃんのご両親? 聞いていた通り凄く綺麗だね」



 エルシーはそう言って、にこにこと笑った。

 わたしが遊びにきたことを心から喜んでくれているのが分かって、わたしも嬉しくなった。それにパパとママのことを綺麗だって褒めてくれるのも嬉しい。





「うん。パパとママは凄く綺麗なの」

「ベルレナちゃん、お父さんに凄く似てるね」

「うん。わたしとパパは似ているの」



 わたしはパパに似ていると言われたことが嬉しくてにこにこしてしまう。



「エルシーというのね。私はベルレナの母親の……ジャクロナ。そしてこっちがディオノレ」

「ベルレナちゃんのお母さん、よろしくお願いします。私はエルシーって言います!」



 ママとエルシーが挨拶している様子をわたしとパパは聞いている。パパは自分からあんまり喋ったりしないけど、わたしの友達だからって軽く名乗ってはいた。



「お店内でパン食べさせてもらうね」

「うん」



 そのパン屋は店内で飲食出来るスペースがある。朝早くから此処でパンを食べて、お仕事に行く人もいるみたい。

 食べるスペースはそこまで広いわけではないけれど、机に小物などが置かれていて良い感じ。昨日挨拶に連れてきてもらった時は店内を隅々までみたわけじゃなかったから、こういう感じなんだなと見ているだけで新しい発見がある。



 パパとママと一緒に、朝食にするパンを選ぶ。

 色んな種類のパンが並んでいるのも楽しいよね。

 いつも屋敷でパンを色々食べているけれど、パン屋に並んでいるほどの種類のものは用意出来ないからなぁ。



 本を読んだりして色んなパンを作れるようにはなったと思うけれど、本職は流石凄いなぁと思う。

 わたしはある程度なんでも出来る方だと思うけれど、一つのことを一生懸命やっている人というのには勝てなかったりするだろうから。


 いくつかのパンと飲み物を頼んで、わたしたちは席について食事を摂る。




「凄く美味しいね!!」


 美味しいものを食べると思わず笑みがこぼれる。



 わたしはミルクや果物などをふんだんに含んだ甘いパンを食べている。こういう甘いもの大好き。

 パパとママはどちらかというと甘くないパンを食べている。こういう食の好みはあるからね。



「わたしもこういう色んなパン、作れるようになりたいなぁ。ねぇ、パパとママはわたしがどういうパンを作れたら嬉しい?」



 わたしがそう問いかければ、パパとママがそれぞれ答えてくれる。

 パン屋で食べたパンの中でパパとママが気に入ったものを教えてもらった。


 エルシーにきいたら作り方も知っていたりするのかな?



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