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ニコラドさんと一緒に材料集め ⑩



「次にニコラドさんの時間が空くのいつかなぁ」




 わたしはニコラドさんがやってくる日を心待ちにしていた。




 というのも杖の材料集めはまだ終わっていないから。火の魔石は手に入ったけれど、他の材料はまだなのだ。だからそれも集めたいなって思っているの。




 でもニコラドさんは本当に忙しいみたい。

 魔法師組合で凄い地位にいるって話だから仕方ないのだろうけれど、早く来ないかな? とそんな風にわたしはうずうずしているの。




《ベルレナはそんなに早く杖の材料集めたいんだね》

「だってね、ユキア。こうして目の前に火の魔石があると早く杖づくりしてみたいなってそんな気持ちなの!」




 ユキアから言われた言葉にわたしはそう答える。




 ニコラドさんと火山巡りをしてから少しが経過している。目の前には魔石がある。赤色のキラキラしたその魔石はとても綺麗で、早く加工してみたいなぁなんて思う。

 杖に魔石の効果を与えるのってどういう風にするんだろう。

 わたしはやったことないことを沢山やりたいってそう思うから、杖づくり楽しみだなとそういう気持ちでいっぱいなの。





《ディオノレさんとジャクロナさんと一緒に進めることはしないんだよね? なら待つしかないんじゃない?》

「わかってるよー。でも早くニコラドさん来ないかなってそういう気持ちなの。完成するまではパパとママには秘密にしておきたいから」

《樹人から材料はもらってたよね?》

「うん。それはパパとママと樹人たちの所に行ってもらったよ」




 杖の大元の材料にすると決めた樹人たちの素材に関しては、わたしが杖づくりに使いたいって言ったら快くくれた。




 いきなり自分の枝をぽきっと折るからびっくりしたけどね! それに樹人たちはわたしの杖の材料に自分の一部を使って欲しいみたいな思考なのか凄く折ろうとしていたから途中で止めたの。だってそんなに沢山あっても全部は使えないんだもん!




《後幾つか材料集めたら杖づくり出来るんだよね。僕、ベルレナの杖がどんなものになるのか楽しみだな》

「わたしも楽しみ! 杖って使ったことないからどんな感じかなって楽しみだし、杖づくり自体も初めてだから凄く楽しみなの!」




 杖を使うってどういう感覚になるんだろうね?

 普段、わたしが杖を使わずに魔法を使っているのと何が違うんだろうか?




 それに関しても杖を作ってからの楽しみだってことでまだ使ったことないんだ。

パパとママは杖は一応持っているらしい。街で売ったら高価なものとかも、保管していたりするんだって。二人とも使わないのにそういうのは持ってたりするから不思議だよね。



 その杖を使って魔法の練習することも出来るけれど、やっぱり初めて使うのは自分で作ったものがいいなって思っているから。




 それに杖づくりってニコラドさんが言うには凄く大変そうだけど、そんな風に大変な分、作ることが出来たら凄く嬉しくなると思うんだ。




 ニコラドさんが前に教えてくれた魔力回路に関する本も少しずつ読んでいるけれど、本当に難しそうだった。

 魔力回路を描く技術っていうのは、結構特別なものらしい。

 ニコラドさんは簡単に言っていたけれど、その技術があるだけで働き口も見つかるものなんだって。有名な魔法具師の人が作ったものだと、びっくりするぐらい高価だったりもするらしい。そういう名の知れた職人の人って凄いと思う。



 そんな難しいことがわたしに出来るかな……?

 そんな風に思ったりもするけれど、ニコラドさんが一緒だし大丈夫だよね。ちゃんと自分でも勉強しないと!

 複雑な魔力回路は描くのが難しい分、凄い効果を発揮するみたい。



 こうして魔力回路についての本を読んでいると、色んな魔法具の中身を見てみたいなってそんな気持ちにもなる。

 いつか、わたし一人でも魔法具作成をしても大丈夫だよって言われたら、魔法具を分解とかもしてみたいなぁ。

 あとは量産されている杖もどんな効果があるのかとか、分解してみても楽しいのかもね!

 沢山作られているものだと魔力回路が単純らしいって本に書いてあったけれど、どんな感じかなって気になるもん。

 杖づくりの職人の人ともいつか話してみたいなぁ。




「本当に考えただけでワクワクしてきた!」

《ベルレナは本当に楽しそうだね。これだけ心待ちにされたらニコラドさんも喜びそう》



 ユキアにはそんな風に言われた。



 それからニコラドさんが早く来ないなとそればかり口にしていたからか、パパが少しだけ何とも言えない表情をしていた。わたしがニコラドさんニコラドさん言っていたから寂しくなったのかもしれない。そう思ったからその日はパパと楽しく過ごしたよ!



 そうやってニコラドさんを心待ちにしながら過ごして、ようやくニコラドさんがやってきた。



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