ニコラドさんと一緒に材料集め ⑤
「ベルレナはディオノレとジャクロナに色々習っているのもあって戦い方に無駄がないな」
「ふふっ、パパとママは凄いからね! 剣の扱いもね、パパから習ったの! パパはね、武器も色々扱えて凄いんだよ! ニコラドさんも武器を色々扱えるんだよね」
「ああ。俺も出来るぞ。魔法が使える場合は問題ないけれど、魔法だけではどうしようもない場合は武器も使えた方がいい」
「そういう状況って大変そうだよね。わたし、魔法に頼ってる部分あるから使えない時もどうにか出来るようになりたいなぁ」
わたしはニコラドさんの言葉にそう答える。
わたし、剣とか武器の扱いも習っているけれどそれよりも魔法の方が得意なんだよね。
わたしの周りには魔導師が沢山いて、わたしはパパもママもニコラドさんも大好きだし、凄いなって思ってる。だからそんな風に魔法を使えるようになったらってそういう気持ちでいっぱいなの。
だからどうしても魔法の方に力を入れちゃったりする。
「魔法が使えない状況は中々大変だぞ? 俺は修行のために敢えてそういう場所にいったりしたけど」
「えぇえ? あえてそういう場所に行くの? というか、そんな不思議な場所あるの?」
「あるぞ。そういう場所は限られているけどな。ああいう場所は強くなるのにはうってつけだぞ」
「ニコラドさんって、昔凄く強くなろうってしてたってこと?」
「まぁ、力はあった方がいいからな。俺は今もたまにそういうところに行くぞ。ディオノレから許可が出たらベルレナも行くか?」
「うん! わたしも修行してみたい!」
それにしても修行って言い方なんだかいいね。なんだか熱血みたいな感じ! ニコラドさんってちょっとおちゃらけている雰囲気があるけれど、なんだかんだ真面目だったりする。
きっとその修行も凄く真面目に取り組んでいるんだなって分かる。
わたしはニコラドさんと会話をかわしながら、どんどん奥へと進んでいく。
こういう場所にも咲いている植物とかあって、わたしは凄くびっくりした。だってマグマがぐつぐついっているところで変なところから生えているものとかあって、不思議だなって思った。
あと魔物も色々倒して、素材を集めたりした。
でも倒した魔物がマグマの中に落ちて結局素材がとれなかったものもあってちょっともったいなかった。
倒すのならばちゃんとその素材を使いたいって思っているから、わたしはなるべくマグマに落ちないようにそれから魔物と戦うようにした。
「なんだか見たことない魔物が火山は多いなぁ。なんかあと、赤色のものが多い?」
「そうだな。こういうところは確かにそういう色の魔物が多いな」
「なんだか赤色が沢山視界にあると楽しい!」
「なんでだ?」
「わたしのね、魂って真っ赤なんだって。パパが言ってた。わたしも火の魔法の適性が高いって言われてるし、赤ってなんだか親近感わくもん」
自分の魂の色は見えない。
だけどパパが言うには綺麗な燃えるような赤だって言ってたもん。だからなんだか赤色って特別な色な感じがするの。
「そうか。楽しいならよかった」
「ニコラドさんも火山とか似合うよねー。赤色ってぴったり!」
わたしがそう言って笑えば、ニコラドさんも笑ってくれる。
ニコラドさんも真っ赤な髪で、活発なイメージで、赤色って似合うイメージ!
火の魔法とか得意そうに見えるよね。実際はニコラドさんがどういう魔法が得意かわたしは知らないけれど。
「うわっ」
ニコラドさんと歩いていると、突然人の驚いたような声が聞こえてきた。
この火山の洞窟は冒険者たちも訪れる場所だから、冒険者の人かな? それにしても慌ててるような声だけど何かあったのだろうか。
「魔物に苦戦してそうだな。助けるか」
「うん」
ニコラドさんとわたしはその声のした方へと向かった。
声のした方にいったら、大きな魔物がいた。鱗で覆われている巨大な蛇型の魔物。シャーッと鳴き声をあげて、女の人に襲い掛かっている。
その冒険者の人たちは、男の人三人、女の人二人で一緒に冒険者をやっているみたい。
「ベルレナ、ちょっと待ってろ」
「うん」
ニコラドさんがあの魔物の対応をしてくれるみたいなので、わたしは大人しく待っておくことにする。
それにしてもあの蛇の魔物ってどのくらい強いんだろう?
大人の人たち五人で倒せないぐらいだから、結構強い魔物なのかなぁ?
鎧とか、ローブとか身に着けているけれど冒険者の人たちのきているものってどういう効果がついているんだろう?
そんなことを考えている間に、ニコラドさんが魔法でさっさとその魔物を倒していた。
ニコラドさんの魔法もなんていうか、綺麗だなぁ。
無駄のない魔力の動きで、ぱぱって倒していて。
わたしの魔法はまだ魔力に無駄がある感じだもん。
わたしが感心している間に、ニコラドさんは冒険者の人たちと少し話して戻ってきた。




